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謎に翻弄され、苦い結末がクセになる…。名監督の手腕が光る、サスペンス&ミステリー映画の傑作3選

2016.05.29(Sun) | 松村知恵美

映画を観る楽しみの一つに“謎解き”があります。
事件が起き、物語の主人公がその謎に挑んでいきます。なぜその事件は起こったのか? 犯人は誰なのか? あやしい隣人、いわくありげな老人、謎に満ちた美女…。張り巡らされた伏線に惑わされ、徐々に解き明かされる謎に驚き、隠されたドラマに涙…。優れたサスペンスやミステリーは、心地よい驚きとかすかな脳の疲労感を感じさせてくれるはず。これぞ、エンターテインメントの醍醐味!

ここでは、そんなサスペンス、ミステリーの名作映画をご紹介します。ロマン・ポランスキー、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ダニエル・エスピノーサという才能あふれる監督たちの演出に翻弄され、手に汗握ってみてください。

ゴーストライター、それはすべての秘密を知る者…。元英国首相のモデルはトニー・ブレアという説も。名匠の手腕が冴えるサスペンス映画『ゴーストライター』
ゴーストライター
2010年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞した名匠ロマン・ポランスキー監督作。前任者が自殺したため元英国首相のゴーストライターを頼まれた英国人ライター(ユアン・マクレガー)が、元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の暮らす米国東海岸にある孤島を訪れます。そこで自殺した前任のゴーストライターが残した原稿をリライトするうち、“政治スキャンダルの真相”、“世界的陰謀の顛末”を知り、事件に巻き込まれていくのです…。すべての真実が明らかになるエンディングまでの展開は、まるでサスペンス映画のお手本のような秀逸さ! 政治ジャーナリストのロバート・ハリスがトニー・ブレア夫妻をモデルに描いたとも言われる原作を、皮肉やユーモアを交えながら見事に映像化しています。
幼い娘が行方不明に。その時、父親はどうするか…!? ヒュー・ジャックマンが娘を誘拐された父親を演じる、衝撃のサスペンス『プリズナーズ』
プリズナーズ
『灼熱の魂』で高い評価を受けたカナダ出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による、緊迫感あふれるサスペンス。行方不明になった幼い娘を探すため、手段を選ばず容疑者の青年を監禁し、拷問にかける父親をヒュー・ジャックマンが演じています。鬼気迫る演技に、娘を思う父親の愛の激しさを感じさせます。そして次々に明かされる、驚きの真実。事件を調べる刑事を演じるジェイク・ギレンホール、監禁される容疑者を演じるポール・ダノ、名優たちの演技も見所たっぷりです。タイトルの“プリズナーズ(囚人たち)”とはいったい誰のことなのか? 152分という長尺ながら、まったく飽きることのない、緊張感に満ちた映像体験を与えてくれる一作です。
トム・ハーディがスターリン独裁政権下のエリート軍人に! ロシアで発禁となっている原作小説を映画化した『チャイルド44 森に消えた子供たち』
『チャイルド44 森に消えた子供たち』
この映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』のモチーフとなっているのは、旧ソ連で実際に起きた連続殺人事件「アンドレイ・チカチーロ連続殺人事件」。主人公のエリート軍人は、子どもたちの死亡事件が44件も起きていることを知り、子どもたちの死亡事件の真相を探り始めます。「楽園であるソ連では殺人事件は起こるはずはない」というタブーに挑み、エリート街道から転落しつつ、自らの信念に従い事件の捜査を続けていきます。主人公のレオ・デミドフを演じるトム・ハーディは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のマックスとはひと味違う、クールな中に熱さを秘めた軍人を演じています。なぜ44人の子どもたちが殺されねばならなかったのか?  リドリー・スコット製作、ダニエル・エスピノーサ監督の独裁政権の恐ろしさ、人間の小ささと強さを感じられるサスペンス・ミステリーです。

最後に

今回紹介した3作の主人公たちは、思いもかけない事件に直面し、自分の決断でその事件に挑んでいきます。そこで彼らが得たものは、決して喜ばしいだけのものではありませんでした。彼らがたどり着いた真実は、どこか苦さを感じさせるものだったりします。ただ心地よいだけのものではないけれど、だからこそクセになる…。優れたサスペンスやミステリーは、苦いからこそハマってしまう、中毒性のあるエンターテインメントなのです。

Writer | 松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

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