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こんなの観たことない! 怖いだけじゃない独創的なホラー・スリラー映画3選

2016.06.29(Wed) | レイナス

「こんなの観たことない!」と思うような、独創的な設定や演出のホラー・スリラー映画を3本ご紹介します。日ごろからホラー・スリラー映画をたくさん観ている方におすすめしたいのはもちろんのこと、怖がりだけどついつい気になっちゃうという方にも是非トライしていただきたい、特別な作品ばかりです。

私に・彼に・ずっとついてくる“それ” 『イット・フォローズ』
イット・フォローズ
だれも聞いたことがない斬新な設定で観る者を驚かせた『イット・フォローズ』。その斬新な設定とは、「ずっと“それ”がついてくる呪い」。常に“誰か”に姿を変え、ゆっくり歩いてついてくる“それ”に追いつかれた者は、無惨な死に様を遂げる――画面のそこかしこに見切れる人物に疑心暗鬼になってしまうこの設定だけでも非常に斬新。ですが、「“それ”をセックスで人にうつすことができる」というもうひとつの設定によって、この作品は更に特別なものとなっています。主人公のジェイは少しアンニュイな年頃の女の子で、気になる男の子とデートを重ね、ついに彼に体を許しますが、その先に待っていたのは“それ”の呪いでした。ジェイにとっては恋のため、彼にとっては呪いから逃れるためのセックスだったのです。双方の意思の違うセックスの果てにジェイは“それ”から逃げ惑うはめになりますが、終わりのない“それ”との追いかけっこから逃れるためには“誰かにうつすこと”が不可欠。そこで、ジェイを想う幼なじみの男の子が名乗りでるのですが――。これが長編2作目という若手監督の作品ながら、そのオリジナリティにはクエンティン・タランティーノやジョン・カーペンターといった名だたる映画監督もが賞賛の言葉を贈ったといいます。愛とイコールで結びつくべきセックスが、“呪い”をうつす手段になってしまう。自分のために、愛のために、誰と寝るべきで、誰と寝ないべきなのか。思春期の心の揺らめきとホラーを重ねあわせ、“それ”の恐ろしさとともにティーンの等身大の青春を描いた物語には、ドキドキハラハラとしつつも胸がアツくなります。
映画の結末を変えてしまえ! 『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』
ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ [DVD]
もしも映画のなかに入って、タイトルロゴが出るところや、クルクルと年代が巻き戻り白黒になる回想シーンを目の前で体験したらどんな感じなんでしょう。この映画ではそれが明らかになります。『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』は、主人公マックスとその友人らが、伝説的なスプラッター映画のなかへと入り込んでしまうというメタな設定のホラーコメディ。映画のなかに入るという特異なシチュエーションだけでも面白く、無数のギャグにも大笑いできる作品なのですが、この作品を観て「泣いてしまった」と言う人が多いのです。なぜならこれは母と娘の愛を描いた物語でもあるから。彼女たちが入りこんだ映画のなかで、殺人鬼に最初に殺される役を演じているのは、マックスを残して若くして死んでしまった彼女の母親。映画のなかで母親と再会したマックスですが、映画の登場人物である母親はそれが映画であることを知らず、自分が死ぬ運命であることも知りません。再び母親を失いたくないマックスは、忍び寄る殺人鬼から自分と母を守り、物語の結末を変えられるのでしょうか。笑って怯えて涙して、心が揺さぶられっぱなしの90分間をぜひお楽しみください。また、マックスらが入り込んでしまう伝説的なスプラッター映画は『13日の金曜日』をモチーフとしているので、オリジナルと見比べて共通点を見つけるのも面白いですよ!
しゃべる生首と暮らす主人公 その真相は……『ハッピーボイス・キラー』
ハッピーボイス・キラー
大ヒット中の『デッドプール』で主演のライアン・レイノルズは“彼だからこそデッドプールを演じられた”というほどハマり役ですが、この作品でもレイノルズは彼でなければ演じられないピュアで複雑な心を持った主人公・ジェリーを演じています。主人公の青年ジェリーは、動物の声が聞こえる不思議な青年。退屈なバスタブ工場で働く彼は、ひときわ華やかな同僚・フィオナに恋しています。いつもはつれないフィオナが初めて食事の誘いを受けた夜、ジェリーはなんと誤ってフィオナを殺害! 自分の過ちに動揺する彼でしたが、ジェリーによって生首となってしまったフィオナは元気にしゃべりだし……!?と、かなりアブないあらすじ。と言うのも、彼は幼いころの耐えがたい出来事から、統合失調症を患っていたのです。こんなとんでもない話がかなりポップなテイストで描かれているのは、つらい現実から逃れるため、薬を飲まずに過ごす彼の視点で世界を描いているから。ときおりそれでもごまかしきれない現実が垣間見えるとき、私たちは救いようのないほどの絶望を目の当たりにすることとなります。この作品を恐ろしいだけでも悲しいだけでもない、見事なほど味わい深い映画作品に作り上げたのは自伝的アニメ映画『ペルセポリス』で知られるイランの女性監督マルジャン・サトラピ。ジェリーは圧倒的な孤独の果てに、いったい何を見つけるのか。ぜひハラハラしながら見届けてください。

今回ご紹介したのは、独創的な設定とともに物語の重要なエッセンスとして“心”にまつわるエピソードが盛り込まれた作品ばかり。単に怖いだけではない、あなたの記憶と心に残るであろう作品たちを是非お楽しみください。

Writer | レイナス

WEBデザイナー兼フリーライター、『ホラー通信』ライター。おもに洋画ホラー・スリラー系映画の記事を書いています。

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