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自分は何をすればいいんだろう? 将来が見えなくなったときに見たい映画3本

2016.07.08(Fri) | 山田井ユウキ

自分、探してますか?

就職活動や受験でなくとも、誰しも一度は経験する「自分探し」。本当の自分って何だろう、自分は何がしたいんだろうとずっと悩んでしまいますよね。若いうちに一度くらい罹患するのは仕方ないと思うのですが、ただ考えるだけでは残念ながら本当の自分なんて見つかりっこありません。

自分探しに答えを出す方法は結局のところ、何か”新しいもの”を自分の中に入れるしかないんです。新しいものに触れたとき自分に起きる変化を通してしか、自分というものは見えてこないのです。そこで手っ取り早く外部刺激を受けるためにおすすめなのが映画を見ること。刺激としてはささやかなものかもしれませんが、時として一本の映画に人生を変えられることだってあるのです。

セッション
セッション
いきなり刺激のキツイやつをご紹介しますが、とりあえず自分探しに関係なくこれは見ておけ! と声を大にして言いたい映画です。アカデミー賞も受賞したので有名ですが、とっつきやすい映画ではないので意外と見ていない人も多いです。

セッションは一人の音大生と、伝説の鬼教師による物語。名門音楽大学に入学したドラマーのニーマンは、とにかく厳しいと評判のフレッチャーのバンドにスカウトされ大喜び。彼に認められることは将来が約束されたも同然だからです。

ところが、ニーマンを待っていたのは完璧を求めるがゆえに0.1秒のズレも許さない異常なまでのフレッチャーのシゴキでした。さらにニーマンの精神を鍛えるため、心理的な罠をしかけてニーマンを追い詰めていくフレッチャー。恋人、家族、人生すら犠牲にしてニーマンは必死に食い下がっていこうとしますが--。

見どころは二つの圧倒的な狂気のぶつかり合いが奏でる感情のうねり。まさに魂の"セッション"です。音楽の天才たちが集まる場で、さらにその中の頂点を目指すことの厳しさをたっぷりと叩き込んでくれる一本です。

とにかくニーマン役のマイルズ・テラーとフレッチャー役のJ・K・シモンズの演技がすさまじい。これほど難しい役もないだろうと思うのですが、見事に演じきっています。まだスタート地点にも立たずに「本当の自分は~」みたいなぬるいことを言っている人は、まずこれを見てからいろいろ考えた方がいいですよ。
素敵な人生のはじめ方
素敵な人生のはじめ方
いきなり強烈なやつを紹介したので、もうちょっと肩の力を抜いて見られる映画もご紹介。「素敵な人生のはじめ方」は名優モーガン・フリーマンが主演と製作総指揮を兼任した作品で、82分という短い上映時間が特徴です。短時間でさらっと鑑賞できるのでおすすめ。

モーガン・フリーマンが演じるのは、かつて名優として名を馳せていた元ハリウッドスター。今は仕事がなく、何とか復帰するためにオーディションで狙うのはスーパーの夜間店長という役柄。役作りのために実際にスーパー訪れた彼は、レジ打ちをしているスカーレットと出会います。そんな彼女もまた、建築会社の面接を受けて新しい人生を始めようとしているのでした--。

もうね、元ハリウッドスターなのに今仕事がなくて……って設定とモーガン・フリーマンが醸し出す枯れた雰囲気の合わせ技にグッときますよね。どちらかといえばまさにこれから就職して現状を脱出しようと考えているヒロインのスカーレットに感情移入する人が多いかもしれませんが。

アクション映画みたいな派手なシーンは皆無ですが、そこがいい! 新しい人生を始めようとする二人の物語からは、きっと何か感じるものがあるはずです。
ぼくを探しに
ぼくを探しに
自分探しといえばこれ。タイトルもそのまんま「ぼくを探しに」。……まぁいわゆる"自分探し"とはちょっとニュアンスの違う映画かもしれませんが、あらためて自分の人生を振り返るきっかけになるかも。

本作は『アメリ』のプロデューサーが手がけた作品で、シルヴァン・ショメ監督は『ベルヴィル・ランデブー』『イリュージョニスト』で二度のオスカー候補になったフランス出身のアニメーション監督。ほら、もうこれだけで何かただならぬ雰囲気が漂ってきたでしょう。実際、合う合わないは分かれるかもしれません。いかにもヨーロッパ的というか、地味な作品ではあるので、退屈する人もいるかも。でも好きな人はこの雰囲気にがっつりのめり込めると思うので、試してみては?

ストーリーのカギを握るのは主人公のポールが見る夢。彼がいつも見る悪夢に登場するのは、幼いころに死んでしまった両親です。優しくて美人のママと、プロレスラーでおっかないパパ。二人を失ったポールはそれ以来、言葉を話すことができなくなり、33歳を迎えました。彼を育ててくれたのはダンス教室を経営する伯母姉妹。彼女らはポールのピアノの才能を伸ばそうと必死です。ふとした偶然から、ポールは不思議なマダムに出会います。彼女に勧められ、過去の記憶を取り戻せるハーブティー(よく考えたらそのハーブ、やばくない?)を飲んだポールは赤ん坊の頃にダイブ。少しずつ、幼い頃の記憶を取り戻してポールは、やがて両親に隠されていたある真実にたどり着くのでした--。

今の自分探しというよりは、過去の自分の真実を追い求める物語なわけですが、これはこれで重要な"自分探し"でもあります。自分が潜在的に持っている欲求や夢って、意外と幼い頃の体験がもとになっていたりしますからね。特にポールにとっては「両親の死」というのは覚えていないけどめちゃくちゃショックだった体験なわけで、いわばこの作業はトラウマとの対峙でもあるんですね。

見た人全員が満足する映画ではないかもしれませんが、ドンピシャで刺さる人もきっといるんじゃないかなと思います。

おわりに

冒頭で自分探しを軽くディスってしまいましたが、その作業自体はダメなことではないと思うのです。ただ、本当に自分探しができている人って意外と少なくて、多くの人は探しているような気になっているだけじゃないかな。何でもそうですが、まずとっかかりがないと何も始まりません。自分探しのスタート地点は人によって様々なので、今ここで何をどうすればいいとは言えないのですが、だからこそまずは映画を見ることで自分がどう思うのか、何を感じるのかを探ってみてはいかがでしょう。自分のことって、意外と自分が一番わかっていないものですから。

Writer | 山田井ユウキ

ウェブ、雑誌を中心に執筆するフリーライター/カメラマン。 映画からIT、ホビー、料理までオールジャンルに執筆する。 主な媒体に「MacFan」「料理王国」「マイナビニュース」など。 その他、イベント主宰、セミナー講師なども行う。

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