ホーム > 作品の規模は小さくても感動は大きい! 過去にカリコレで上映された珠玉のミニシアター系映画

作品の規模は小さくても感動は大きい! 過去にカリコレで上映された珠玉のミニシアター系映画

2016.07.20(Wed) | 新谷里映

誰もが知っている小説や漫画の映画化、驚きの映像満載のハリウッド映画のように、それほど知名度はないけれど、それほどスケールは大きくないけれど、なんて面白いんだ! という名作は“ミニシアター系”と言われる映画にも多くある。そういう作品と出会える映画館のひとつがシネマカリテ。8月19日までは第3回目を迎える映画フェス「カリテ・ファンタスティック! シネマコレクション」(通称:カリコレ)が開催中。ということで、過去のカリコレで上映されたなかから特におすすめの3作品をピックアップ。

カリコレ上映作品特設サイト

音楽を制する者は映画も制する? 現役バンドマンが作った青春ミュージカル映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』の世界観が素敵すぎ!
ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール
音楽がいい、雰囲気がいい、とにかくファッショナブルでセンスがいい! という映画がある。監督で言うと──たとえば、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリーなどが創り出す世界観。彼らに共通するのは、劇場映画の監督デビュー前はミュージックビデオ界で活躍、一目置かれていたことだ。音楽つながりで言えば、アイルランド出身の元バンドマン、ジョン・カーニーが監督した映画『ONCEダブリンの街角で』『はじまりのうた』『シング・ストリート』はいずれも絶賛を浴びている。そんななかで見逃してほしくないのが、スコットランドのバンド「ベル・アンド・セバスチャン」の現役フロントマンであるスチュアート・マードックが脚本と監督を手掛けたミュージカル映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』。これもとびきりセンスがいい。自分はどんな人生を歩めばいいのか迷っている1人の少年と2人の少女が出会い、バンドを組み、音楽を通して自分の可能生を見出していく物語。よくあるボーイミーツガールものだけれど、物語・音楽・ファッション・キャスティング……トータルコーディネイトが素晴らしく、何度でも繰り返しみたくなる。ミュージカル映画はちょっと苦手という人も、入り込みやすいはず。
つまずいた時に観たくなる、背中を押してほしいときに観たくなる、『WISH I WAS HERE/僕らのいる場所』。ザック・ブラフも要チェック!
WISH I WAS HERE/僕らのいる場所
人生、順調なときもあれば上手くいかないときもある。上手くいかないときは、何でもかんでも悪い方へ考えて、自分で自分を追い込んでしまったり……。そんなときに観たくなるのは、主人公たちの置かれた状況は大変だけれど、それに負けずにユーモアをもって乗り切っていくヒューマンドラマ。『WISH I WAS HERE/僕らのいる場所』もそのひとつ。35歳になっても大人になりきれない男・エンダンが、父親がガンになったことをきっかけに、夫として、息子として、兄として、2人の子どもの父親として自分はどうすべきなのか? 自分を見つめ直して成長していく物語。35歳にもなって? と、エイダンのダメっぷりはかなりのものだけれど、人は気づくことで変わることができると教えてくれる。監督・共同脚本・製作、主演の4役をこなすのはザック・ブラフ。2001年から2009年まで放送された大ヒットアメリカドラマ「Scrubs〜恋のお騒がせ病棟」の主演をつとめる実力派。テレビでの活躍が多いため日本ではあまり知られていないけれど、この『WISH I WAS HERE〜』を観たときは、骨董市場でお宝を見つけたような、すごい才能を発掘したような喜びがあったり。というわけで、おすすめです!
たまには青春時代を思い返すのもいいものだ。大人にこそ観てほしい、ティーンエイジャーの複雑な心情が詰まった『パロアルト・ストーリー』
パロアルト・ストーリー
大人になってからふり返る“青春”はキラキラしていて夢や理想に満ちていて、どんなことも可能なんじゃないかと思えて──どこか美化してしまっている。けれど実際は、学業にしても恋にしても友情にしても、思うようにいかない葛藤があって、夢や理想を追いかけるけれど挫折して、苦しいことの方が多い。そんな十代だからこそ感じる心情をみずみずしく痛々しく描いたのが『パロアルト・ストーリー』。この映画は、いろんな“才能”が集結している。監督のジア・コッポラは巨匠フランシス・F・コッポラの孫にしてソフィア・コッポラの姪、主演のエマ・ロバーツはジュリア・ロバーツの姪、エマの演じるヒロイン・エイプリルを好きになる青年テディ役は、この作品でスクリーンデビューを飾ったヴァル・キルマーの息子ジャック・キルマーなど、“これから”の期待の映画人たちが揃っている。また、原作はジェームズ・フランコ。『スパイダーマン』シリーズや『127時間』などで知られるイケメン俳優だが、実は俳優だけでなく監督・プロデューサー・作家・脚本家・ミュージシャンとマルチな才能の持ち主。この先、このスタッフ&キャストを追いかけていくと、きっと面白い作品に出会うはず。というわけで、今のうちに押さえておきたい1本だ。

おわりに

ミニシアター系の映画を観るときに一番大切にしているのは、自分の勘。なんか面白そう、なんかこの雰囲気好き、なんか気になる、というアンテナで自分の好きな映画を探してみてほしい。

Writer | 新谷里映

雑誌編集者を経て現在はフリーの映画ライター。女性誌や映画雑誌、ウェブ『cinemacafe.net』『NYLON .JP』『ホンネスト』『T-SITE』などでインタビューやコラムを執筆。日テレ『PON!』、TOKYO FM『LOVE CONNECTION』の映画コーナーに出演するほか、トークイベントのMCとしても活動中。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA