ホーム > 甘酸っぱいあの日々をもう一度。「夏のノスタルジー」を感じられる映画3選

甘酸っぱいあの日々をもう一度。「夏のノスタルジー」を感じられる映画3選

2016.07.22(Fri) | 山田井ユウキ

夏がやってきました。

人によって夏に対する思いは様々かと思いますが、個人的には夏といえば「ノスタルジー」です。開放的で明るい夏ももちろんいいのですが、たまにはお酒でも飲みながらしんみりと思い出に浸るのもいいものですよ。

そんなとき観るのにぴったりな「夏のノスタルジー」が感じられる映画を集めてみました。どれもゆったりした空気感で気軽に楽しめる作品ばかり。お酒のお供にどうぞ。

めがね
めがね
荻上直子監督作品で、系統としては「かもめ食堂」と似た作品の「めがね」。この紹介でピンとくる人にはこの後の解説は不要かもしれません。
「めがね」は鹿児島県のさらに南にある小さな島、与論島を舞台にした作品です。ジャンルとしてはヒューマンドラマ? コメディ? うーん、難しい……。強いていうなら「荻上直子」というジャンルでしょうか。
実はこの作品、明確に季節が夏であると明言する場面はありません(見落としているかもしれませんが)。
ただ、物語の描写からは、何となく春から初夏にかけての話なのかなーと感じたので紹介させていただきます。

主人公は南の島・与論島にやってきたタエコ。島ではちょっと不思議な人々との出会いが待っていました。滞在した民宿・ハマダの主人ユージ、かき氷を皆にふるまうサクラ、いつもふらふらしている高校教師のハルナ……。彼らとのふれあいを通して、タエコは日常の中で忘れていた何かを取り戻していくのでした--。

ともかく本作の特徴はその空気感。まったりとして、ゆっくりと時間が流れていくような空気感こそが本作の最大の魅力です。
ストーリーも一応あるのですが、それほど大きな事件は起きないし、登場人物も言葉少なで、セリフで語ることをしません。主人公の職業すら謎のままで、それでも問題なく時間は流れていきます。
見るべき点は、小林聡美やもたいまさこ、光石研ら味のある俳優陣の演技と、与論島の美しい自然。そしておいしそうな食事!
見れば必ず与論島に行きたくなること間違いなしです。
好き嫌いの分かれる雰囲気ではありますが、まずは予告編などをチェックして、「なんかいいな」と思ったらぜひ観ることをおすすめします。ことこの映画に関しては、その期待を裏切ることはありませんから。
河童のクゥと夏休み
河童のクゥと夏休み
夏といえばやっぱり「夏休み」ですよね!
社会人と違って学生には1ヶ月の長い夏休みがあります。何でもできるこの期間は、思い出を作るのにぴったり。いろいろなドラマが起きる季節でもあります。
「河童のクゥと夏休み」は、まさにそんなひと夏のドラマを体験できるすばらしいアニメ映画。監督は名作と名高い『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』などを監督した原恵一。構想20年を経て制作された作品です。タイトルからして子ども向けに思われそうですが、内容といい上映時間の長さといい、実際はむしろ大人向けかも。

舞台は東久留米市。小学生の康一はひょんなことから、川辺に埋まっていた大きな石を見つけます。この石に封印されていたのが、長年仮死状態で眠り続けていた河童だったのでした。
目覚めた河童にクゥという名前をつけて一緒に過ごし始めた康一。相撲をとったり、一緒に遠野に河童の仲間を探しに行ったりと、二人はどんどん仲良くなっていきます。しかし、そんな平和な時間はクゥが週刊誌に写真を撮られてしまったことで終わりを告げてしまうのでした--。

何か特別な体験をしたとき、人は一気に成長します。この作品の康一もそう。河童のクゥという友だちと出会い、触れ合うことで、康一が少しずつ成長していく様子が描かれています。それは康一の周囲の人間もそう。そして見ている僕たちも同じです。動物でもなく人でもない、クゥだからこそ描くことのできた物語といえます。
一方で、週刊誌に見つかってからの展開は現代社会が抱える問題を浮き彫りにしていきます。決して誇張しているわけではなく、実際にクゥがいたらこうなるだろうなというリアリティある展開に、ハッとさせられる人も多いのではないでしょうか。
クゥから何を学ぶかは人それぞれ。しかし、必ず何かしら心動かされるものがある映画です。
あしたになれば。
あしたになれば。
たまにはど真ん中の青春ストーリーを見たい! ってとき、ありませんか? そういう甘酸っぱい思いに浸りたいときおすすめなのが「あしたになれば。」。2015年と新しい作品で、大阪・南河内を舞台にした高校生たちの青春映画です。

南河内はぶどう畑に囲まれた自然豊かな郊外の町。そこで暮らす高校2年の大介は、夏の甲子園予選に負けたことが原因で野球部に戻りづらくなっていました。夏休みになって時間を持て余す大介でしたが、ひょんなことから友人、そして隣の女子校に通う美希らと共に、地元の町おこしグルメコンテストに出場することになります--。

1から10まで、これぞ青春! という感じのフレッシュな映画。ストーリーとしては王道で、ひねりがあるわけではないのですが、だからこそお酒でも飲みつつああだこうだ言いながらダラ見するにはちょうどいい塩梅です。
なんといってもヒロインの美希を演じる黒島結菜がいい! 見た目はもちろん美人なのですが決して冷たい感じはなくて、クラスに本当にいそうな親しみやすい雰囲気が絶妙です。皆さんの思い出の中にいるクラスのマドンナ(という表現も古いか……)のイメージにうまく重なって、あの頃の思い出を蘇らせてくれるのではないでしょうか。
学校、田舎町、仲間との夏休み……誰にでも何かしら一つは刺さるポイントが見つかる佳作だと思います。

おわりに

四季の中でも夏ってどこか特別な季節なんですよね。大人になると夏休みも学生ほど長くとれませんし、入学や卒業といった季節イベントも少なくなるので、それほど季節を意識することもなくなるのですが、それでも夏、特に8月の一ヶ月だけは妙にワクワクしてしまいます。で、終わってみると、「ああ、今年も夏が終わったな」と感じるという。そういうノスタルジーな季節って夏くらいじゃないでしょうか。

仕事が忙しくて夏を堪能するどころじゃないという人は、ぜひ映画で夏を感じてみてください!

Writer | 山田井ユウキ

ウェブ、雑誌を中心に執筆するフリーライター/カメラマン。 映画からIT、ホビー、料理までオールジャンルに執筆する。 主な媒体に「MacFan」「料理王国」「マイナビニュース」など。 その他、イベント主宰、セミナー講師なども行う。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA