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先生との出会いが人生を変える!先生と生徒の間に生まれる化学反応を描く“師弟映画”は名作揃い

2016.08.10(Wed) | 松村知恵美

先生との出会いって、意外と人生に大きく影響を与えているような気がします。小学校の時に先生に言われた「あなたは文章が上手だから、作家になるといいわよ」という言葉が、実は、今の私の土台を気づいたような気もしていたりして…。先生が教えてくれた本や言葉、音楽などの“何か”が、大人になっても自分を支えてくれているという人も、いるのではないでしょうか。映画の世界にも、そんな風に生徒の人生を変える“何か”と出会わせてくれる先生が、数多く存在しています。生徒に未知の世界を教え、彼らの人生の新たな道を拓いていく、個性的な先生がいっぱいです。

サンパウ最大のスラム街で暮らす子どもたちにクラシック音楽を!ブラジル映画『ストリート・オーケストラ』
ストリート・オーケストラ
8月13日に公開される映画『ストリート・オーケストラ』は、ブラジル・サンパウロ最大のスラム街、エリオポリスを舞台にした物語。この映画の主人公・ラエルチ先生は、神童として陽の当たる道を歩いてきたバイオリニスト。勝ち組として生きて来たはずなのに、プレッシャーに負けてオーディションに落ちてしまい、生活のためスラムにある学校で音楽を教えることになるのです。ここで、スラムの中で明日の見えない日々を生きる生徒たちと出会い、彼らに音楽を基礎から教えていきます。生徒たちも最初は反発していたけれど、だんだんと音楽の美しさや楽器を奏でることの楽しさ、オーケストラの素晴らしさに気づいていき…。オーケストラの練習をするうちに、生徒もラエルチ先生もそれぞれに成長していくわけですが、ブラジルという国の現実は、ただのハッピーエンドを許してはくれません。ただ、オーケストラの練習を通して生徒たちが知った新しい世界や、ラエルチ先生が見ることのできるようになった社会の一面は、彼らの人生には大きなプラスになるはず…。実はこの物語、エリオポリスに実在するオーケストラ「エリオポリス交響楽団」の誕生を描いています。劇中には、実際のエリオポリス交響楽団の楽団員たちも出演し、その見事な演奏を聴かせてくれているそうです。

◆『ストリート・オーケストラ
2016年8月13日(土)公開
オンライン試写会 感想コメント到着 ⇒こちら
ニューヨークの落ちこぼれ高校生が、社交ダンスに目覚めてワルツやタンゴに挑む!映画『レッスン!』
レッスン!
次に紹介するのは、2006年のアメリカ映画『レッスン!』。この作品は、ニューヨークのスラム街にある学校で、落ちこぼれ高校生たちにアントニオ・バンデラス演じるデュレイン先生が社交ダンスを教える物語です。一流のダンサーであるデュレイン先生は、ある夜、路上で車を壊しまくる荒ぶる高校生に遭遇。そして彼の通う学校に押しかけ、強引にダンス教師になってしまうのです。ニューヨークのスラムで生活する生徒たちは、ヒップホップ、ブレイクダンスなどは大好きなものの、「社交ダンスなんてダサくってやってられない」とバカにしています。しかし、ゴージャスなブロンド美女とデュレイン先生が踊るセクシー過ぎるタンゴを見てからは、そのクールさに魅入られ、だんだんと社交ダンスにハマっていき…。そして生徒たちは、もともと自分たちが体得していたヒップホップなどのダンスを社交ダンスにも取り入れ、見事に自分たちのダンスを作り出していきます。デュレイン先生は彼らに、自信を持って生きること、パートナーに敬意を持って丁寧に扱うことを教えます。そして落ちこぼれだった生徒たちは、ダンスを通して自分たちの誇りや自信を取り戻し、自分たちらしいダンスを作り上げていくのです。彼らが見せるダンスの数々は、本当に楽しそう。エンドロールまで、見応えたっぷりのダンスシーンが続き、見ている方も踊りだしたくなってしまう青春映画です。
名門音楽大学でジャズドラマーを目指す青年が、鬼教師の指導を受けて“音楽の高み”に到達する…。映画『セッション』
セッション
最後に紹介するのが、ちょっと恐ろしい先生が登場する2014年のアメリカ映画『セッション』です。第87回アカデミー賞で助演男優賞ほか計3部門を受賞したことでも話題のこの作品には、J・K・シモンズ演じるフレッチャー先生という死ぬほど恐ろしい先生が登場します。主人公は、ジャズドラマーを目指してニューヨークの一流音楽大学に入学した自信たっぷりの生徒・ニーマンくん。そんな彼が大学で出会ったのは、スキンヘッドに黒のTシャツというその風貌も恐ろしい鬼教師・フレッチャー先生です。フレッチャー先生は執拗にニーマンくんを厳しく指導し、もはやイジメとしか思えないような理不尽な指導を繰り返します。そんなフレッチャー先生に、ニーマンくんは粘りつよく食い下がり、彼の指導に答えようとするのですが…。正直、彼らの関係性は他者から見ると狂気の域に達しています。しかし、その狂気の応酬が、彼らを“音楽の高み”へと導くのです。この“音楽の高み”、ニーマンくん一人だけでは決してたどり着けなかったところ。そうやってニーマンくんを新しい地点に導いたフレッチャー先生は、ある意味いい教師なのかもしれません。かといって、フレッチャー先生みたいな人に教えてもらいたくはありませんが…。

“師弟映画”の魅力は、先生と生徒が真剣にぶつかりあって生まれる化学反応にあり

サンパウロのスラムに生きる生徒たちに音楽を演奏する楽しさと素晴らしさを教えたラエルチ先生。ニューヨークのスラムに生きる落ちこぼれ高校生たちに、社交ダンスを通して人との関わりや自分らしくあることを教えたデュレイン先生。そして鬼のような指導を通して、通常ではたどり着けない音楽の境地にニーマンくんを導いたフレッチャー先生。彼らは、それぞれに自分のやり方で生徒に接し、彼らに新しい世界を見せることに成功しています。挫折し道に迷う若者だったり人格者だったり鬼教師だったりと、彼らのタイプはそれぞれですが、彼らはある意味、生徒の人生を変えた名教師と言えるかもしれません。そんな名教師と生徒たちが真剣にぶつかりあうことで生まれる化学反応を描いた“師弟映画”には、名作がいっぱい。今回紹介した作品以外にも、『コッホ先生と僕らの革命』、『映画 鈴木先生』、『幸せの教室』、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』などいろいろ素晴らしい作品があるので、ぜひ観てみて欲しいと思います。

Writer | 松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

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