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真実から目を逸らしてはいけない!夏だからこそ観るべき【戦争映画】

2016.08.12(Fri) | 中田真梨子

夏といえば…夏休み、夏祭り、海、花火…楽しいことが盛りだくさん!けれども、忘れてはいないのが、そう、8月15日の終戦記念日。
楽しい夏の思い出を作るのもいいけれど、一度立ち止まって改めて戦争について考えてみてはいかがでしょうか?
今回は夏だからこそ観ておきたい【戦争映画】を5作品紹介します。

戦争中「人が人でなくなる姿」を忠実に描く『野火』
野火
第2次世界大戦末期のフィリピンを舞台に、灼熱のジャングル、空腹、孤独と戦いながら生きようとする兵士たちの姿を描いた作品。
戦争映画では「人が人でなくなる様子」がよくありますが、本作ではキレイ事一切ナシ!とことん「人が人でなくなる様子」を残虐に描いています。それはまるで悪夢のよう。腕や脚が吹っ飛び、内臓が垂れ流しになり、脳みそが踏み付けられる…そんな描写が惜しげもなく登場するので、ポップコーンを食べる余裕なんてないです!
仲間の兵士が「俺が死んだら食べてもいいよ」と主人公にニヤニヤしながら言うシーンは、恐ろしさと共に悲しくもあります。
感動的な涙を流す戦争映画ももちろん良いけれど、本作のようなリアルを追求した戦争映画があることを忘れてはなりません。
山田洋次監督が贈る激動の時代に秘めた恋物語『小さいおうち』
小さいおうち
昭和11年、赤い屋根のちょっぴりモダン小さな家で女中として働くタキ(黒木華)は、旦那様(片岡孝太郎)と妻・時子(松たか子)とお坊っちゃまと平和に暮らしていた。しかし、旦那様の部下・板倉(吉岡秀隆)との出逢いによって、時子の心境に変化へ生まれていき、タキもその様子に気づいていく。晩年のタキ(倍賞千恵子)が自叙伝として、戦争という激動の時代を生きた赤い屋根の一家の姿を描く。
血もなし、銃撃戦もなし、戦争映画にはお決まりの要素は全くなく、赤い屋根のおうちに住む一家に焦点を当てたのが山田洋次監督らしいです。大切なのは、その当時の人々の暮らしを知ること。女中さんがいて、正月には旦那様や会社の同僚が日本の行く末を大笑いしながら語り合う…そんな平和な暮らしぶりが戦争によって壊されていく様子が涙を誘います。
戦争映画といえば戦争映画ですが、恋愛映画として観てもオススメの作品です!
食べて、寝て、食べて、寝て…それでも私の夫は生きねばならない『キャタピラー』
キャタピラー
戦争から夫(大西信満)が帰還してきた。しかし、頭と胴体だけを残して、妻(寺島しのぶ)を殴っていたその両腕、両脚は戦場で失っていた。耳も聞こえない、言葉も喋れない、やることは食べること、寝ること、性欲を満たすことだけ。それでも夫は軍神様として、村人に称えられる。果たして、四肢を失ってまで生きる意味とは?そして、その夫を支える妻の役目とは?
『キャタピラー』、そうまさにタイトル通り『芋虫』です。四肢を失って、ゴロゴロと転がる夫の様子を見て、妻が狂ったように「芋虫、ご〜ろごろ♪」と歌うシーンがあまりにも戦慄。
最初は軍神様として崇められる夫を、戸惑いながらも献身的に支える妻ですが、時の流れと共に2人の関係性は変化していきます。昔は妻を殴っていた夫は、軍神様かもしれないけれど、家庭では役立たずの奴隷に過ぎないのです。
戦争は戦場だけじゃない。その後も続くんだ、と思い知らされる作品です。
異色のSFファンタジー戦争映画『ローレライ』
ローレライ
1945年夏、第2次世界大戦末期の日本。新兵器ローレライを搭載した潜水艦は、果たして東京に投下される第3の原爆を阻止することができるのか。架空とリアリズムが混合する世界観を、役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇などの豪華キャストと圧倒的なスケールで描くエンターテイメント超大作。原作は福井晴敏の「終戦のローレライ」。初めて体験する戦争映画!戦争の悲惨さを描きつつも、「もしも第3の原爆が東京に投下されたら…?」という奇想天外なストーリーに既存概念がひっくり返ること間違いなしです。
そして、最大の謎・ローレライとは?ガンダムやエヴァンゲリオンを彷彿とさせる展開は、日本ならではの発想だと言えます。
新しいタイプのSFエンターテイメント戦争映画を楽しんでみてはいかがでしょうか?
おじいちゃんはどんな人だったのか…現代の若者が祖父母の過去を通して戦争と向き合う『永遠の0』
永遠の0 DVD通常版
「海軍一の臆病者」と呼ばれていた本当の祖父・宮部久蔵 (岡田准一)が零戦特攻隊で死亡した理由を孫の佐伯健太郎(三浦春馬)と姉・慶子(吹石一恵)が、戦争当時の知人を訪ねて今まで知ることのなかった祖父母の事実を知る戦争映画。「帝国海軍の恥さらし」とまで言われていた宮部久蔵は一体どんな人物だったのか。百田尚樹のベストセラー小説を映画化。
過去と現代が交錯しているので、戦争を体験している人、戦争を知らない人、両方に響くストーリー展開となっています。
「死ぬのが怖い」「生きて帰りたい」と願うのは人間としては当然のこと。しかし、戦時中ではその思考は考え難いものとされ、周りから非難されてしまいます。宮部久蔵の生き様に涙腺が崩壊します。
もしあなたに戦争を知っているおじいちゃん・おばあちゃんがいれば是非聞いてみて下さい。戦争とは一体何なのか。そして、どれだけ酷な出来事だったのかと。

「【戦争映画】って残酷だし、重いし、苦手」という方も多いと思います。
でもそのステレオタイプって今は崩されているんです。今回紹介した『小さいおうち』は恋愛映画としても成り立つし、『ローレライ』はSFファンタジー超大作として楽しめます。もちろん、【戦争映画】らしい『野火』『キャタピラー』『永遠の0』は戦争について考えさせられる良質な作品です。
私たちが【戦争映画】を観ること、それだけでも戦争を風化させないことになるのではないでしょうか。

Writer | 中田真梨子

映画ライター。ラーメン業界、美術館、出版社に勤務し、一念発起してフリーの映画ライターを志した帰国子女。主にWeb媒体で執筆中。セクシー系映画を得意とする。

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