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映画ファンなら要チェック! トロント国際映画祭「観客賞」受賞作品

2016.09.09(Fri) | 清水久美子

アカデミー賞の行方を占うとも言われている、トロント国際映画祭の観客賞(最高賞)。映画ファンはもちろんのこと、クォリティーの高い映画を観たいと思って探している人は、この賞の受賞作は必見! 2016年、第88回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した『ルーム』をはじめ、ここで紹介する5作品は、ぜひ押さえておきたい映画ばかりです。

『ルーム』 (2015年:トロント国際映画祭 観客賞受賞)
ルーム
驚くべき切り口で母と息子の愛情と絆を描いた感動作。2015年、トロント国際映画祭で観客賞に輝いた本作は、ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)では作品賞・女優賞・脚本賞にノミネートされ、主演のブリー・ラーソンが女優賞を受賞し、アカデミー賞では作品賞・監督賞・主演女優賞・脚色賞にノミネートされ、同じく主演女優賞を受賞。そのほか数々の映画賞に輝き、世界中にその素晴らしさを知らしめました。

狭い[部屋]に閉じ込められているママ(ラーソン)とジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。外の世界を見たことがない息子ジャックをどうにかして脱出させようと、決死の作戦に出るママ。本作が秀逸なのは、脱出後に待ち受ける試練や家族との関係がつぶさに綴られ、ジャックの視点で[部屋]から[世界]へと描写されているところ。観れば受賞に納得できる傑作映画です。

◆2016/10/16より、「青山シアター」にて配信開始!
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』 (2014年:トロント国際映画祭 観客賞受賞)
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
第二次世界大戦時に、解読不可能と絶望視されていたドイツ軍の暗号エニグマに挑んだ実在の天才数学者アラン・チューリングをベネディクト・カンバーバッチが熱演。数多くの映画賞で主演男優賞をはじめとする主要な賞にノミネートされ、アカデミー賞では脚色賞を受賞。2014年、トロント国際映画祭の観客賞を受賞しました。

チューリングは戦争終結とコンピューター発明に貢献した人物でありながら、彼の生涯は重大機密として英国政府に隠され続けてきました。ある秘密を抱え、苦悩しながらも、エニグマの解読に全身全霊で打ち込むチューリングに扮するカンバーバッチの名演は心を打ちます。コンピューターの基礎を築いた偉人であるチューリングの“真実”をお見逃しなく!
『それでも夜は明ける』 (2013年:トロント国際映画祭 観客賞受賞)
それでも夜は明ける
2013年のトロント国際映画祭・観客賞を受賞後、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞ほか数多くの映画賞に輝いた、全世界を揺るがせた衝撃作。アカデミー賞では作品賞・助演女優賞(ルピタ・ニョンゴ)・脚色賞を受賞。プロデューサーの一人を務めたブラッド・ピットがオスカー像を手にしたことも胸を熱くさせました。

自由の権利を得ていた黒人音楽家ソロモン・ノーサップが、ある日突然誘拐され、1841年から12年間、奴隷として過酷な日々を送った人生の回想録。これは実際に起きた出来事で、主演のキウェテル・イジョフォーをはじめとするキャストたちが、『SHAME -シェイム-』のスティーヴ・マックィーン監督の演出のもと、心を貫くような熱演を見せてくれています。
『世界にひとつのプレイブック』 (2012年:トロント国際映画祭 観客賞受賞)
世界にひとつのプレイブック
撮影当時、21歳だったジェニファー・ローレンスが、心に問題を抱えて過激な行動を繰り返すヒロインを熱演し、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で主演女優賞をW受賞した傑作ロマンティック・コメディー。2012年、トロント国際映画祭・観客賞を受賞。

妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットと、事故で夫を亡くして心に傷を持つティファニー。それぞれの家族が心配する中、出会った二人は、ペアを組んでダンスコンテストに出場することになるのですが…。

ティファニー役のローレンスだけじゃなく、パットを演じたブラッドリー・クーパーのハイテンションな好演ぶりにも引き付けられます。型破りなカップルのラブストーリーは、これまで観てきた映画とはひと味もふた味も違います。
『プレシャス』 (2009年:トロント国際映画祭 観客賞受賞)
プレシャス [DVD]
現在は「Empire 成功の代償」や「アメリカン・ホラー・ストーリー」シリーズ等のTVドラマで活躍しているガボレイ・シディベが鮮烈なデビューを飾り、アカデミー賞・主演女優賞にノミネートされた感動ドラマ。彼女が演じる主人公プレシャスを虐待し続ける母親を熱演したモニークは、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で助演女優賞をW受賞。本作は、アカデミー賞では脚色賞にも輝いたほか、多数の映画賞を受賞。トロント国際映画祭・観客賞は2009年に受賞しています。

16歳のプレシャスは、読み書きができず勉強が遅れ、父親にレイプされたために二人目の子供を妊娠していました。母親に虐待される中、孤独に耐えるプレシャスは、一人の女性教師と出会い、少しずつ光を見出していきます。

シディベの抑えた演技は新人とは思えないうまさ。プレシャスを導く教師の言葉は、私の胸にも強く響きました。シディベのほか、本作でオスカー女優となったモニークや、出演しているマライア・キャリーやレニー・クラヴィッツに注目が集まりがちですが、私は教師役のポーラ・パットンの好演が特に心に残っています。

トロント国際映画祭の観客賞を受賞した作品って、本当にハズレがないですね。今年はどの映画が受賞するのでしょうか? 受賞結果をチェックして、観るべき映画リストに加えなければ!

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

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