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ちょっと気になる、異種ゾンビ映画5選!

2016.09.30(Fri) | 春錵かつら

1932年に『恐怖城』で映画史に登場し、1968年のジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・リビング・デッド』で存在が確立したゾンビ。
・ゾンビは生き返った死体であり、夜行性である
・ゾンビに噛まれると噛まれた人間も感染する
・首と胴体を切り離すと死ぬ

など、誰もが知っているゾンビのセオリーを確立したのもジョージ・A・ロメロあってこそ。ゲームの映画化『バイオ・ハザード』を契機に『アイ・アム・レジェンド』『ワールド・ウォーZ』などの大作も登場してすっかりメジャー化し、今や「ゾンビ映画」というジャンルを確立しました。物語としては
ゾンビ発生→感染拡大→主人公たちが安全な土地を探す
という展開が定番化していましたが、ゾンビ発生原因が魔術などのオカルト的要素ではなくウィルスや虫や薬品といった科学的要素だったり、ゾンビ化する人間が「死」を経ずにゾンビ化するといった新しい設定や手法なども登場しています。
数も増えればバリエーションも増える…というわけで、ゾンビ映画は年々進化の一途をたどっています。そこで今回は、そんなバリエーションが増えたゾンビ映画の中から、ちょっと気になる異種ゾンビ映画を5作品紹介。

ゾンビは屋根裏とスムースジャズが好き!?『ライフ・アフター・ベス』
ライフ・アフター・ベス
今や売れっ子になったデイン・デハーン主演のラブ・コメ(ゾンビ)映画。ゾンビ・ラブ・ストーリーというと『ウォーム・ボディー』も思い浮かびますが、そちらはゾンビ青年と人間少女の恋、こちらはもう少しコメディ寄りで、ゾンビ彼女と人間の青年の恋を描いています。
死んだ恋人のベスが突然蘇ってきて戸惑いを隠せないザック。ベスは死ぬ寸前にザックに別れ話をしていたことも覚えていない。ザックにラブラブのベスは、どんどんゾンビ化が進んでいって手に負えなくなっていきます。…とはいえ、シリアスさはほぼゼロ。なんだかのんきなゾンビ映画。ザック演じる終始真面目で真顔のデイン・デハーンに対照的なのは、ベスを演じたオーブリー・プラザ。車に轢かれたり、座席をかじったり、息が臭いと言われたりと、体当たりのゾンビ化演技が笑いを誘います。ザックの兄カイル役で、アメリカの人気ドラマ「クリミナル・マインド」のマシュー・グレイ・ギュブラーが出演。
ゾンビのペットは富裕層のステイタス『ゾンビーノ』
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ハートフル友情(ゾンビ)コメディー。ゾンビ・コメディーと聞いてゾンビ映画好きなら真っ先に2004年作のイギリス映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』のタイトルが思い浮かびますが、ゾンビーノはそれから3年後の2007年に製作されたカナダ映画。
放射能の雲により死者がゾンビとして蘇り、ある大手企業が開発したゾンビを鎮静化させる首輪で、ゾンビは人間に仕えるようになった世界。原題のFidoは犬などのペットに使われる名前。そう、この映画はゾンビをペット化している人間たちのお話。ゾンビを飼うことはある種のステイタスとなっている社会に疑問を持った少年と、彼の家に飼われたゾンビの友情を描いています。ちょっとおとぼけなゾンビがキモ可愛くて、ちょっとホロリとする、まるでパステルで描かれたようなほんわか愛おしい映画です。
ゾンビの食べ物は血液、そしてアルコール『ゾンビ処刑人』
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ご紹介する3作目は、(ゾンビ)バディ・ムービー。海外派兵で死んだ主人公はゾンビとなって蘇り、血を欲する身体に。その血を得るために世間にはびこる悪人を成敗していきます。理解ある友人と共に。厳密にいえば「ゾンビ?」と確認したくなるような本作のゾンビの設定は異色。ゾンビ化した後に首を切っても、頭を潰さない限りは彼らは死にません。しかも彼らには知能がある。知能がある故の苦悩や葛藤がそこにはあります。
ゾンビのバディ・ムービーと言えば密かにファンが多い1988年のコメディー『ゾンビ・コップ』を思い浮かべるファンもいるかと思います。実際に本作のキャッチコピーもコメディーのようなふれこみ。実際、笑いは所々にあるものの、気軽に手に取ると終盤打ちのめされます。考えさせられるゾンビ映画を観てみたい方はぜひ。
ゾンビ化はナチス軍の人体実験によるもの『ヒトラー最終兵器』
ヒトラー最終兵器
第2次世界大戦中のヨーロッパ東部戦線、ドコロフ軍曹率いるソ連軍の精鋭はナチスに囚われ地下施設へと連行されてしまいます。そこで目にしたナチスの恐ろしい実験を阻止して脱出すべくドコロフの戦いが繰り広げられます。ソ連の精鋭部隊スペツナズとナチス・ドイツとの戦いを描いた本作が異色なのは、ゾンビ映画なのに“本格戦争アクション映画”というところ。ゾンビは物語に登場する1要素にしかすぎず、堅実な戦争ドラマと肉体派バトルが次々と展開していきます。
実際に第2次世界大戦中にナチスは、軍の強化を目的とした様々な人体実験を行っていますから、本作のストーリーは誇張こそあれ、あながちフィクションと一口には済ませられない怖さがあります。同じナチスの人体実験を描いた映画に、大山のぶ代さんナレーションのCMで話題となった『武器人間』がありますが、本作の方が遥かにリアリティがあります。 実は『ゾンビ・ソルジャー』の第3作目の本作。前2作の前日譚なので前2作を未見の方も問題ナシ。肉体派アクションが好きな人にはぜひ、観てもらいたい一作。
18世紀の英国が舞台、「高慢と偏見」のゾンビ・パロディー『高慢と偏見とゾンビ』
高慢と偏見とゾンビ
世界中で今も愛されるイギリスの女流作家、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」。今までに幾度も映像化され、続編が公開間近の『ブリジット・ジョーンズの日記』もこの作品を現代版に置き換えて製作されたもの。そして、今度はゾンビの設定もミックスされて作られたのが、この『高慢と偏見とゾンビ』。タイトルのインパクトだけでなく、本編もインパクト充分な今作が、いよいよ公開します。
ゾンビがはびこる18世紀末のイギリスの片田舎を舞台に、中国仕込みのカンフーでゾンビと戦う毎日を送るベネット家5姉妹の近所に、資産家の(そしてゾンビ・ハンターの)ダーシーが越してきます。リリー・ジェームス演じる次女エリザベスを筆頭にベネット姉妹の華やかなドレスでのアクションシーンもワクワクしますが、ダーシー演じるサム・ライリーの日本刀でのバトルと低音ボイスもなんとも魅力的。この時代の富裕層は日本で武術を学んでいる…など、ちょいちょい日本のおもしろネタが登場するのも愉快な英国純文学(ゾンビ)映画です。

◆『高慢と偏見とゾンビ
9月30日(金) TOTOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次公開
(C)2016 PPZ Holdings, LLC

まだまだ多様化するゾンビ映画。発生原因も様々なら、ゾンビ化までのスピードも、ゾンビが動くスピードも、知能レベルも、退治の方法も実にバリエーション豊か。ここで紹介したゾンビ映画は、ほんの一部。その多様性はアメリカやイギリスだけでなく、イタリア、スペイン、フランス、日本や韓国、香港、インド、メキシコ、キューバ、アラブ、アフリカ、アイルランドやアルゼンチンなどなど…にも次々にゾンビを発生させました。実は奥深いゾンビ映画の世界に、足を踏み入れてみてください。

Writer | 春錵かつら

映画を主軸にムックや月刊誌、WEBで活動中のフリーライター。 CMのデータ会社にて年間15,000本を超えるCMの編集業務に携わる傍ら、映画のTVCMのコラムを某有名メールマガジンにて連載。 フリーに転身後、大手コンピュータ会社の映画コンテンツのディレクターを務める。料理本、漫画/映画解説本、ペット関連、ビジネス本など、幅広いジャンルで執筆中。著書に「絶対に見逃すな! 犬の症状これだけは!」など。

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