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長編監督デビュー!俳優ジョエル・エドガートンを堪能する5選

2016.10.28(Fri) | 小林未亜

記憶に新しいところで「ブラック・スキャンダル」のFBI捜査官、今回取り上げていない作品でも「華麗なるギャツビー」、「エクソダス:神と王」など、大作、話題作で鮮烈な印象を残している、オーストラリア出身の俳優、ジョエル・エドガートン。そんな彼が、念願の長編映画監督デビューを果たし、全米で4週連続トップ10入りのスマッシュヒットを記録した「ザ・ギフト」がいよいよ日本上陸! 本作と合わせて、過去の出演作をご紹介します。

『ザ・ギフト』
ザ・ギフト
“ギフト=贈り物”と聞くと響きはハッピーですが、よく知らない人からの予想外な贈り物は、ハッピーどころか不気味でしかないですよね。しかもそれが執拗に続き、エスカレートしていったら…?

そんな“恐怖の贈り物”に翻弄されるのは、夫の故郷に移り住んだ若い夫婦サイモン&ロビン。贈り主は、偶然再会したサイモンの高校時代の同級生ゴード。ワイン(どうやって住所を知ったの?という不気味さを添えて)に始まり、地元業者の連絡先リスト、そして鯉…と次々に届くギフトは夫婦を困惑させ、やがて2人の運命を大きく変えていきます。

長らく監督業を志望していたジョエル・エドガートンの監督デビュー作は、自身が脚本も務めた戦慄のサイコ・スリラー。過去の行いと、それに伴う責任、報いといった、誰にも起こりうるテーマを恐怖へと結実させ、初監督ながらその演出力は絶賛されました。そして、エドガートンの俳優としての魅力ももちろん全開! 演じたゴードの、言動は怪しいけれど、善人とも悪人ともつかない繊細で複雑なキャラクターが、リアルな恐怖を生んでいます。ふと「私、誰かに悪いことしちゃってないよね…」と自分の過去が不安になっちゃうかも。

◆『ザ・ギフト
10月28日(金)、TOHOシネマズ 新宿 ほか全国公開
配給:ロングライド、バップ
(C)STX Productions, LLC and Blumhouse Productions, LLC. All Rights Reserved.
『ブラック・スキャンダル』
ブラック・スキャンダル ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
「ホワイティ・バルジャーはFBIの情報提供者だった」―1988年、ボストン・グローブ紙の一面を飾った驚愕の見出しにより、明らかになったアメリカ史上最悪のスキャンダル。本作は、ボストン一の犯罪王として悪名をとどろかせたジェームズ・“ホワイティ”バルジャーが、FBI捜査官と交わした密約により、何のとがめも受けずに犯罪帝国を築いていくさまを描いた実話です。

ジョニー・デップ演じるバルジャーの物語であるのはもちろん、南ボストン、通称“サウシー”で育った幼なじみ3人の関係も本作の大きな魅力。3人とは、バルジャーと、ベネディクト・カンバーバッチ演じるバルジャーの弟で州議会上院議員のビリー・バルジャー、そしてエドガートン演じるFBI捜査官ジョン・コノリー。

凶悪犯罪者、上院議員と衝撃的なまでに別の道を歩む兄弟、それでも仲がいいのがなんだかほっとしてしまいます。そして、同郷のよしみにつけ込み、バルジャーを情報提供者として抱き込んだつもりが、自分が抱き込まれてしまったコノリー。地元で大暴れするバルジャーに目をつぶるのは、自らの野心のためであると同時に、ずっと根底にある子供の頃に助けてもらったバルジャーへの尊敬と憧れ。そんな関係性がおもしろくもせつなく感じてしまうのです。
『ウォーリアー』
ウォーリアー
当時日本では劇場未公開だったこの「ウォーリアー」が、エドガートンの出演作で個人的に一番のオススメ。エドガートンと、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でおなじみのトム・ハーディが、兄弟役で共演した格闘技映画の傑作です。

アル中の父親が原因で、子供の頃に生き別れた兄ブレンダン(エドガートン)と弟トミー(ハーディ)。ブレンダンは物理教師として働くも、娘の病気の医療費のため自己破産を勧められ、一方のトミーは海兵隊へ入りイラク戦争に従事するも突然帰郷。そんな兄弟が、総合格闘技の会場で再会を果たします。

2人がリングに上がる必然性や葛藤、心の傷など、それぞれのドラマにぐんぐん引き込まれ、こっちの気持ちの準備が万端!となった状態で迫力のファイトシーンがスタート。エドガートン&ハーディの鍛え上げられた肉体、さらに実際の格闘家の参戦で魅せるファイトシーンは圧巻で、ついつい拳を握ってみていた自分に驚くほど。そして終盤は本当に嗚咽のご覚悟を。

ちなみに、本作のエドガートンさん、ものすごくイケメンなんです! あの肉体も家族へのまなざしも最高で、奥さん役のジェニファー・モリソンがうらやましくてたまらないんですが、彼女がまたかわいいんだよなぁ。
『ディーン、君がいた瞬間(とき)』
ディーン、君がいた瞬間(とき)
24歳でこの世を去った20世紀の大スター、ジェームズ・ディーン。彼が写真家デニス・ストックと行った2週間の撮影旅行にスポットを当てた作品、というのが本作のおもしろいところ。映っているのは“伝説の”ディーンではなく、純朴さの残る少年ジミーなのです。

「写真というのは“自分がそこにいた”記録になる」とは、劇中のデニスのセリフ。そして「濡れてもよければ撮ろう、ここにいた記録に」といってあの有名なタイムズスクエアでの写真が撮影されます。ストックの写真がどんな経緯で撮影されたのか、それを映像で再現しているのも本作の見どころ。そして、美容院でケープに包まれて座りながら「おかしな奴」とつぶやき、牛の前でコンガを叩いて「バカっぽくないか?」と笑う、そんなジミーにググッとハートを持ってかれます。

ちなみに、エドガートンが演じたのは、デニス・ストックが所属する写真家集団マグナム・フォトのジョン・モリス。ジミーを撮りたいと言い出したデニスのため、LIFE誌と交渉したり、デニスをせかしたり鼓舞したり…。とりあえずエドガートンさん、アンティークな電話がとっても似合うんです。
『遊星からの物体X ファーストコンタクト』
遊星からの物体X ファーストコンタクト
ラストは、結末が議論を呼んだジョン・カーペンター監督の傑作ホラー「遊星からの物体X」(82年)の、“3日前”を描いた前日譚。南極大陸を舞台に、宇宙からの生命体と人間との攻防を描いた作品ですが、この生命体、狙いをつけた生物に侵入、同化して、その生物になりすませるというのが特徴。ということで、前作同様「誰が乗っ取られているのか?」と疑心暗鬼に陥る人間たちのヒリヒリとした葛藤が見どころになっています。

前作で登場したさまざまな謎描写が、しっかりと答え合わせされているので、前作ファンはもちろん楽しめ、本作から見た人は前作も見たくなるはず。生命体が同化するシーンや、人間から生命体が突如姿を現すシーンは、なかなかにグロテスクなので、苦手な方は要注意、お好きな方は存分にお楽しみください。

そんな本作でエドガートンが演じているのが、ヘリの操縦士カーター。エドガートンさんが宇宙からの生命体に乗っ取られてしまうのか!?……は見てのお楽しみですが、すみずみと細かい部分まで見逃さないようにしましょう!とだけ言っておきます。

おわりに

本当に同じ人なの?と思うくらい各役柄に同化し、そしてきっちりと存在感を残すジョエル・エドガートンという俳優。ここでは紹介できませんでしたが、出演作アニマル・キングダムも青山シアターで配信中です。そのほか、ナタリー・ポートマンと共演したジェーン(10月22日~劇場公開中)や、カンヌ国際映画祭で絶賛され、日本公開が待たれる「Loving(原題)」(日本公開日未定)などなど、今後も彼から目が離せません!

Writer | 小林未亜

編集プロダクションに勤務し、情報誌やWEBの編集・取材・原稿執筆をしています。かつて勤めていた映画館が2つともクローズしてしまったのが悲しく、休日はなるべく映画館へ。この仕事をしていても「衝撃の結末!」などのあおりに弱い

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