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「真田丸」で一皮剥けた!笑わせて泣かす大泉洋映画3選

2016.11.30(Wed) | 宇咲英人

NHK大河ドラマ「真田丸」もいよいよクライマックス!でも、ということはそろそろ最終回なわけで、「真田丸ロス」が起こりそうな予感…。そこで今回は、「真田丸」で真田幸村の兄、真田信幸(信之)を演じ、役者として一皮むけた感のある大泉洋を堪能できる映画をご紹介いたします。

三谷幸喜作品で時代劇!この作品で「真田丸」出演が内定した?『清須会議』
清須会議
天正10年(1582年)、明智光秀の本能寺の変によって、信長が横死すると、残った家来たちで、今後の跡継ぎ、織田家をどうするかを決める会議が開かれる。これが世に言う「清須会議」。明智光秀を討った羽柴秀吉と織田家筆頭宿老の柴田勝家の跡目争いとなる。

特に合戦シーンがあるわけでもない、この地味な歴史的事件を映画として見せよう、とチョイスした三谷幸喜監督のセレクト眼はさすが。映画はほとんど清須城内から出ることもなく、さながら舞台を見ているかのよう。会議前のロビー活動、会議、そして会議後のそれぞれの行動の3つのパートで構成されている。時代劇の形を取っているが、武士たちがまるで現代のサラリーマンのようにも見えるのがおもしろい。とある会社(織田家)の社長(織田信長)が急死、最大派閥の副社長(柴田勝家)派と業績(明智光秀討伐)があり、急進派のやり手社員(羽柴秀吉)の派閥が、次期社長候補(織田信孝、信雄)を担いで、自分の出世(天下人)を狙う。企業物としても見れる映画だ。

会議、ということで、とにかく登場人物の多い本作(三谷作品のほとんどがそうだが)。当然、キャストも豪華。ロビー活動編では、それぞれのキャラクター紹介も含まれていて、歴史的イメージを斬新に覆したキャラクター設定が笑える。役所広司演じる柴田勝家は、武勇で名を馳せた歴戦の猛者、別名「鬼の権六」。なのに、本作では、織田信長の妹、お市にメロメロな中年男!ロビー活動も下手で、とにかくいい所がない。跡目争いに担ぎ出された、信長の弟の一人、織田信雄。が、こちらも、頭からっぽの大うつけ。その役をイケメン俳優の妻夫木聡が演じるのだから、その設定だけでも笑える。ほか、丹羽長秀を小日向文世(「真田丸」では秀吉役!)、池田恒興を佐藤浩市、お市の方を鈴木京香(「真田丸」では寧役)、などなど、豪華キャストが、その役者のイメージも、演じる歴史上の人物のイメージも覆すキャラを演じる。まさに三谷幸喜らしい演出だ。さて、大泉洋である。演じるのは羽柴秀吉。カラッとした明るさと、狡猾な性格を併せ持つ秀吉を好演。身分は低いが、クレバーに、精力的にロビー活動を進める秀吉で、ぐいぐい物語を引っ張っていく。でもしっかり笑いもとる。お家の存続のため的確な手を打ちながらも、随所で笑いをとる真田信幸の原型がここに。
真田信幸、幸村、兄弟共演!?堺雅人も出演する『アフタースクール』
アフタースクール
母校の中学校で教師をしている神野(大泉洋)。同じ中学校の親友でいまはエリートサラリーマンの木村(堺雅人)。木村は突然、行方不明となり、そこへこれまた母校の同級生の北沢(佐々木蔵之助)と名乗る男が神野の前に現れ、木村を探していると言う。神野と木村は、一緒に木村を探し始めるが…。

前半はどことなく設定やストーリーがちぐはぐ。「ん?なんで?」と思う箇所がたくさん。例えば、いくら同級生だからって北沢と名乗る男のために、なんで神野はそんなに協力的なの?とか、妊娠中の娘の前で煙草吸っちゃう親いる?とか。「なんでここ説明してくれない?」と思うが、話が進むにつれ、「あーそういうこと?」と一つ一つの種が明かされていく展開がユニーク。この独特の演出方法は、アメリカで映画を学び、カンヌ映画祭での受賞経験もある内田けんじ監督ならでは。同監督の作品「鍵泥棒のメソッド」もそうだが、映画の中でトリックの見せ方がうまい。この映画、あまり前情報を入れないで見ていただきたい!

「真田丸」好き的観点からこの映画を見れば、なんといっても真田信幸、幸村兄弟が共演していることがたまらない。今回は同級生。しかも実際、大泉洋と堺雅人は共に1973年生まれの同い年。と考えると「真田丸」の現場で、役者としては先輩の堺雅人に「兄上!」と呼ばれていた大泉洋は、なんともこそばゆい思いをしていたんじゃないだろうか。神野はとにかくいいやつで、コメディパートはやや抑え目。が、ラスト近辺で言うセリフはなかなかかっこいい。
泣かせる大泉洋!こんな泣かせ方があったんだ。『青天の霹靂』
青天の霹靂
売れないマジシャン春夫(大泉洋)は、後輩の売れっ子マジシャンにバカにされながらも、場末のマジックバーでなんとか生計を立てる毎日。父とは絶縁状態、母は自分が生まれてすぐ蒸発と散々な家庭環境。そんなある日、警察から父の訃報が届く。やるせない気持ち頂点に達した時、突然稲妻が落ち、まさに青天の霹靂、40年前にタイムスリップ。そこでは若き日の父、正太郎(劇団ひとり)と若き日の母(柴咲コウ)がいた!

と、もう既にこの設定だけでも泣けそうな気がするこの映画は、お笑い芸人劇団ひとりの同名小説の映画化。小説デビュー作「陰日向に咲く」は知ってても、こちらは知らないって人は多そうだが、これはこれでかなり名作。劇団ひとり原作・監督ということもあり、笑いもしっかり、泣きどころしっかりのストーリー。そんな映画だから、大泉洋が、生きないはずがない。というか、大泉洋だからこそ成立するんじゃないかってぐらい映画とその演技がマッチしている。笑いパート代表格は、劇団ひとり演じる父・正太郎と演芸場でマジックを披露するところ。本職のお笑い芸人を向こうに回し、まったく引けを取らない堂々たるコメディアン振りを発揮。泣かせパートはやはりクライマックス。対母、対父2回の泣かせどころ、きっちり大泉洋がやり遂げる。大泉洋って演技うまかったんだな、と改めて思わされる一作。

作品によって、シリアスな役、コメディタッチの役を使い分ける俳優は多い。が、大泉洋 は同じ作品の中でシリアスと笑いの両方を入れることができる稀な役者であり、そこが魅 力的。大泉洋の演技を見る際のオススメのポイントを一つ。何かビックリするような困っ たことを伝えられた時の演技が一級品。「えーー!そりゃないよ、トホホ」的な演技がほ ぼ笑えます。「真田丸」が終わっても、その唯一無二な存在感で、今後も活躍するのは間 違いないですね。

Writer | 宇咲英人

ファッション誌、タウン誌、旅行雑誌、映画雑誌編集を経て、WEBディレクターとして映画コンテンツを手がけています。男っぽい映画が好き。

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