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見逃せない!2016年を代表するミニシアター映画の名作たち[前編]

2016.12.21(Wed) | 松村知恵美

気付くと、あっという間に12月。師走です。映画好きの皆さんは、今年何作の映画を観たでしょうか?
話題の大作映画はシネコンで観たけれど、観たかったミニシアター映画は見逃してしまった…。そんな人も多いのでは?
そんな方は、ぜひ青山シアターでこの名作たちを楽しんでみてください。2016年上半期に、ミニシアターランキングで上位に入った作品がずらりと揃っています。ラブコメから、人生の機微を描いた名作まで、名作映画の世界をご堪能あれ!

『マイ・ファニー・レディ』
マイ・ファニー・レディ
1939年生まれのピーター・ボグダノヴィッチが監督・脚本を務めたこの作品は、なんともキュートなラブコメディ! イモージェン・プーツ演じる女優志望のコールガールと、オーウェン・ウィルソン演じるブロードウェイの演出家が出会ったことから起こる騒動を、軽妙に描いています。
キュートであっけらかんとしたコールガール、女性に大金を与えて彼女(たち)の人生を変える趣味を持つ演出家、自己中心的なセラピストに自意識過剰な俳優、急に人格が変わる演出家の妻…。風変わりでエキセントリックなキャラクターたちが繰り広げる群像劇は、その思いもかけない展開に、ついつい笑顔になってしまいます。
過去の名画の引用や、意外なスターたちのカメオ出演など、そこここにあふれる遊び心も、映画好きにはたまりません。
『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』
ロイヤルナイト
1945年5月8日。第二次世界大戦のヨーロッパ戦勝記念日の夜、エリザベス王女とマーガレット王女の二人がお忍びで出かけ、国民達とともに宮殿の外で戦勝を祝った…。そんな実話にインスパイアされた王女の冒険物語を、ビッグバンドジャズの喧騒とともにテンポよく描いたロマンティックコメディです。
初めて自由を得て、見るものすべてを新鮮に感じ、自由に羽を伸ばすエリザベス王女がなんともキュート! 演じるサラ・ガドンも美しく、『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンを彷彿とさせる優雅な魅力を醸し出しています。エリザベス王女の父・ジョージ6世は、あの英国王のスピーチの主人公でもあることを覚えておくと、より楽しめるかも。
『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』
ニューヨーク眺めのいい部屋売ります
名優モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが初の夫婦役、と聞くだけでも食指が動くこの一作。ニューヨーク、ブルックリンを一望できる5階建てアパートの最上階に住んでいる夫婦が、長年暮らしたアパートから引っ越そうとする数日間を描いています。
愛すべき眺望を誇る愛着のあるアパートだけれど、エレベーターがないのはツラい…。お互いに年老いていくなか、快適な生活のためには引っ越すべきか? お互いのことを思いながら、意に染まない決断をしようとする二人の姿からは、お互いを思い合う夫婦の愛が感じられます。
マンハッタンへ渡る橋を封鎖されると交通が麻痺してしまうというブルックリンの交通事情や美しいグランドフェリーパークの風景など、ニューヨークという街への愛もたっぷり。
『さざなみ』
さざなみ
前述の『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』が長年連れ添った夫婦のハッピーな夫婦愛の話なら、この『さざなみ』は長年連れ添った夫婦ならではの、空恐ろしい物語。
結婚45周年パーティーを1週間後に控えた熟年夫婦のもとに、50年前に氷山で行方不明になった夫のかつての恋人の遺体が発見されたというニュースが届いたころから、夫婦の間に大きな亀裂が生まれ始めます。
この夫婦を演じるのはイギリスの名優シャーロット・ランプリングとトム・コートネイ。二人の演技はベルリン国際映画祭の銀熊賞で男優賞と女優賞をダブル受賞するなど、各国の映画祭で高い評価を受けています。45年の時を経て形作られた複雑な夫婦の姿、そしてその夫婦の間に突如発生した、かすかな“さざなみ”を静謐に描いています。
『グランドフィナーレ』
グランドフィナーレ
アルプスの高級リゾートに集う、栄華を極めたセレブたち。世界的に有名な80歳の音楽家(マイケル・ケイン)、彼の親友の名映画監督(ハーヴェイ・カイテル)が、時間をもてあましながら、人生のグランドフィナーレをどう迎えるか葛藤する様子を描いています。
ゴージャスボディのミス・ユニバース、マラドーナそっくりな謎のサッカー選手、ポール・ダノ演じるハリウッドスターのヒットラーコスプレなど、クスリと笑わせられるユーモアもたっぷり。映像の魔術師と言われるパオロ・ソレンティーノの見せる映像美は、圧巻の一言。映画だからこそ味わえる“眼福”を感じさせてくれます。
押し寄せる映像美とあふれ出す音楽に、往年のイタリア映画を観ているような映画的快感を味わえる一作です。

キュートなロマンティックコメディから、夫婦の愛を描いた佳作、人生のフィナーレを描く壮大なドラマまで、幅広いジャンルを誇るミニシアター作品。そのどれもが、敏腕バイヤーたちが確かな審美眼で見出した、それぞれに魅力を持つ魅力的な作品です。才能あふれる監督や俳優達が作り上げるその世界観を、ぜひ楽しんでみてください。

見逃せない!2016年を代表するミニシアター映画の名作たち[後編]

Writer | 松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

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