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東京脱出しちゃう!? 地方の魅力を感じる映画3選

2017.02.01(Wed) | 宇咲英人

政府による地方創生や人気ブロガーの地方移住など、なにかと都会から田舎へ移住する人が増えてるような気がする昨今。地方の魅力をまずは映画でお試ししてみるのはどうでしょう。映画を見たら、もしかして、やっぱり移住やめとこう!なんてこともあるかも?

東京にはない風景、ほのぼのした世界観に和む 『偉大なる、しゅららぼん』
偉大なるしゅららぼん
「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」など映画化やドラマ化作品の多い万城目学が原作。「鴨川ホルモー」は京都、「プリンセス・トヨトミ」は大阪、ドラマ化された「鹿男あをによし」は奈良と、とにかく万城目作品は、近畿・関西が舞台となる。そして本作の舞台は滋賀県。琵琶湖を舞台に、いにしえより不思議な力を持つ一族同士の戦いと騒動を描く。
 言ってもそこは万城目作品。どこかほのぼのとした雰囲気で、どちらかというと、戦いより力を持った一族のどこか風変わりなしきたりやキャラクターに笑いを誘われる。例えば、力を持つ日出家の娘・清子はお城の中からは一歩も出ず、いつも白馬に乗っているも、服装はジャージ。つまりいいとこの引きこもり。というのも、力のせいで人の心が聞こえてしまい、人間不信になってしまったからだ。風変わりだけど、どこか納得、そして憎めないキャラたちが、先の読めない展開に巻き込まれていく…。荒唐無稽な設定、展開。でも、もしかして、本当に日本のどこかの地方でこんなことがあるのかもしれないな、と思わせてくれるところが万城目作品の醍醐味と言える。
 もう一つの醍醐味となっているのが、滋賀の美しい風景。日出家は国宝の彦根城で撮影。主人公の涼介(岡田将生)と棗(渡辺大)が、不思議な力を発揮する場所は琵琶湖のマイアミ浜、淡十郎(濱田岳)が失恋して泣き叫ぶんだのは、近江八幡市の麦畑。どれも一度は行ってみたくなる美しさ。そして、どのシーンにも言える美しさが空の青さ!東京ではなかなか見ることのない、あっけらかんとした空の青さが、作品にほのぼのとした不思議な世界観を与えているのは間違いない。
思い切って林業に就職してみませんか? 『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』
WOODJOB!
 こちらも映画化多数の人気作家、三浦しをんの原作を映画化。第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作に選出された「舟を編む」ほか、「まほろ駅前多田便利軒」、「風が強く吹いている」など映画との相性がいい作品に定評がある。監督は「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」など、爽やかな青春ものを撮らせたら一級品の矢口史靖監督。この2人が組んだだけでも、いい映画なんだろうなって気がする。
 主人公平野勇気(染谷将太)大学受験に失敗し、偶然見た林業研修のパンフレットに載っていた女の子(長澤まさみ)につられ、林業研修に応募。電車は単線、携帯も繋がらない山奥で、いやいや林業研修を受けるも、徐々に生活にもなれ、村の人たちと交流を通して成長していく、という物語。都会っ子っぽい、ちょっとはすに構えた、にくたらしい雰囲気を染谷将太が見事に演じつつ、徐々にいいヤツに変わっていく姿がすがすがしい。
 この映画では、さわやかな青春ドラマをメインとしつつも、田舎特有の生活の不便さ、過疎化や就職難といった問題や田舎に色濃く残る得体の知れない民間伝承的風習など、地方のちょっとネガティブな側面も出てきます。もしも東京を脱出したい、と考えている方は見ておいて損はないでしょう。
 ロケ地となった津市の旧美杉村は、三浦しをんの父親の出身地。実際、過疎化が進んでおり、空き家バンクで家探しもできるので、本気の移住が可能です。映画のようなお祭りが実際にあるかどうかは謎ですけど。
家族との時間を取り戻し、自分の夢を叶える場所 『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』
RAILWAYS
 最後は、ぐっと年齢が上がって、第二の人生を考え始めた方にぴったりの作品。監督は映画の舞台と同じ島根県出身の錦織良成監督。故郷を愛でるかのような優しさが画面からほとばしっています。主演は中井貴一。大手電機メーカーの経営企画室長、筒井肇を演じる。仕事はできる、でも、あまり家族を顧みない。すべてのことに対して、「仕事なんだからしょうがないだろ」って言ってそうな、いかにもエリートサラリーマンにいそうなタイプを見事に演じ切っています。が、上司からリストラをする仕事を任され、母親が病気になり、自分の人生、こんなんでいいのか、と揺れ始める。そしてついに、故郷島根で、子供の頃からの夢、電車の運転士になることを決意!といったお話。
 タイトルの49歳で電車の運転士になった男、と聞くと、ずっと運転士になることが夢で諦めきれずに挑戦した!と思いがちだが、この映画の場合は違う。むしろ夢は後付け。夢に挑戦した本当の動機は、自分はやりたいことをやってないんじゃないか、という自問。今の仕事、本当に自分は好きなのか、本当は親の近くで世話をしてあげたいんじゃないのか、家族とちゃんと向き合いたいんじゃないのか、などなど。やりたいことがやれているかを自問した答えが、この映画には描かれている。
 都会から地方へ切り替えた生活には、自分と向き合うことで、自浄作用のような効果があるのかもしれない。

都会にはない地方の魅力、大自然の風景、ゆったりとした時間、ほのぼのとした雰囲気。が、裏を返せば、都会に比べて不便、刺激が少ないとも言える。何を優先して、何を諦めるか。都会に住み、地方に移住を考えている方には、そこのところをじっくり考えてから決断することをオススメします!

Writer | 宇咲英人

ファッション誌、タウン誌、旅行雑誌、映画雑誌編集を経て、WEBディレクターとして映画コンテンツを手がけています。男っぽい映画が好き。

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