ホーム > 揺れるアメリカ。国に立ち向かうスパイの告発…必見のCIA映画5選

揺れるアメリカ。国に立ち向かうスパイの告発…必見のCIA映画5選

2017.02.08(Wed) | 清水久美子

アメリカ合衆国の情報機関、中央情報局CIA。そのCIAとNSA(米国国家安全保障局)の職員だったエドワード・スノーデンが、アメリカ政府が国際的な監視プログラムで秘密裏に個人や企業、日本を含む同盟国まで監視していたことを暴露した、史上最大の内部告発“スノーデン事件”。このニュースを聞いた時は驚きつつも、いまいちピンと来なかったというのが正直な気持ちです。その後ドキュメンタリー映画が製作され、さらにオリバー・ストーン監督、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の映画が公開されました。今回は、見れば“スノーデン事件”の重要さがよく分かるこの2本と、CIAを描いた映画3本を紹介します。

ジョセフ・ゴードン=レヴィットの役作りがすごい! 『スノーデン』
スノーデン-ポスタービジュアル
『(500)日のサマー』『ザ・ウォーク』のジョセフ・ゴードン=レヴィットが、スノーデンそっくりの風貌や声色、仕種を披露している、巨匠オリバー・ストーン監督による新作映画。愛国心あふれる若者スノーデンは、軍に志願入隊するもケガで除隊。その後、頭脳明晰な彼はCIAに採用されます。ところが、アメリカ政府が対テロ諜報活動の名のもと、世界中のメールやチャット、SNSを監視し、膨大な情報を収集している実態を知り、民主主義と個人の自由を揺るがす政府への不信感を募らせていきます…。

ドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』よりもスノーデンの内面を掘り下げ、CIAに入る前の彼の生活や、恋人リンゼイ・ミルズとの出会いから交際までを描き出しているのが魅力。スノーデンが告発を決意し、実行していくスリリングな状況をゴードン=レヴィットは見事に演じ切っています。

◆『スノーデン
TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開中
配給:ショウゲート
(c)2016 SACHA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
秀逸なドキュメンタリー映画 『シチズンフォー スノーデンの暴露』
シチズンフォー スノーデンの暴露
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した、“スノーデン事件”の真相を追った衝撃作。ドキュメンタリー映画監督のローラ・ポイトラスは、2013年の初め、“シチズンフォー”と名乗る人物から暗号化されたメールを受け取ります。“シチズンフォー”とは、CIAで働いた後、NSAに勤務していたエドワード・スノーデンのコードネームでした。ローラとジャーナリストのグレン・グリーンウォルドは香港へ飛び、そこでスノーデンから全ての真相を聞くことに…。

命がけの告発をするスノーデンには、撮影中も危険が迫り、見ているだけでも緊張が走ります。細身でメガネをかけたごく普通の青年に見えるスノーデン。勇気ある行動に出た彼が、母国アメリカからロシアに亡命するまでが映し出されていきます。映画『スノーデン』とあわせて見ると、この事件をより深く理解できます。
CIAの実態を知ることができる 『ゼロ・ダーク・サーティ』
ゼロ・ダーク・サーティ
アメリカ政府が隠し続けたビンラディン殺害の衝撃の真相を、『ハート・ロッカー』の監督キャスリン・ビグローが映画化。CIA分析官の女性が、地道な捜査と執念の末、9.11から10年の歳月をかけてビンラディンを見つけ出します。

思わず目を覆いたくなるCIAによる拷問シーンや、巨額の予算をつぎ込んでも、なかなか結果の出ない血のにじむような捜査は、これまで見てきたどのCIA映画よりもリアルで、CIAで働く人の苦労を知ることができました。

主演のジェシカ・チャステインの熱演と、女性監督であるビグローの骨太演出にうなる1本です。
実際にあったCIAの驚くべき救出劇 『アルゴ』
アルゴ [DVD]
CIAが実際に行った人質救出作戦を映画化し、アカデミー賞作品賞ほか数々の賞を受賞。結末が分かっていても、ハラハラドキドキが止まらない傑作映画です。

1979年11月。イランで過激派がアメリカ大使館を襲撃し、大使館員を人質にとります。混乱の中、脱出してカナダ大使の家に身を隠した6人をどうにかイランから出国させようと、CIAの人質奪還のプロ、トニー・メンデスが考え出したのは、彼らを映画の撮影スタッフに仕立て上げるという案。これを実行するために、架空の映画『アルゴ』の製作が本当に行われているように準備を始めます…。

トニーを演じるベン・アフレックは本作の監督も務め、見事に見どころ満載の映画に仕上げました。緊迫感あふれる内容の中、映画製作のドタバタがユーモラスに描かれ、最高に面白い作品になっています。
エンターテインメントとしてのCIA映画 『顔のないスパイ』
顔のないスパイ
リチャード・ギアがCIAの元諜報員に扮するサスペンス・アクション映画。ワシントンで上院議員殺害事件が起き、殺害の手口が死んだはずのソビエト伝説のスパイ“カシウス”のものだと発覚。CIA長官(マーティン・シーン)は、引退した元エージェントのポール(ギア)を呼び戻し、FBIの若手捜査官ベン(トファー・グレイス)と共に捜査させますが…。

ギアはクールな元スパイを熱演していますが、ちょっともうアクションには無理があるんじゃないかなぁと感じました。こんなに走らせなくても…と思ってしまうくらい、きつそうに見えましたが、渋さとカッコ良さはキープしているので、ストーリーに集中しつつ、スパイ・エンターテインメント映画として楽しみましょう。

かつては暴かれることがなかったCIAの内情が、近年、白日の下にさらされ、日本で暮らす私たちも知ることができるようになってきました。それも映画というエンターテインメントのなせるわざ! 映画を楽しみながら、アメリカの情報機関に詳しくなれるなんてお得ですよね。

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA