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ハゲで何が悪い!個性派ハゲ俳優が活躍するベストな5本

2017.02.22(Wed) | 仲谷暢之

かつてハゲというだけで艱難辛苦に陥り、周囲から苛まれていたことを思うと、今はいい時代になったもんです。ハゲの僕が言ってるのだから間違いありません。その証拠に、あれだけあった男性向けのカツラのコマーシャルもあまり見かけなくなり、代わりに女性向けにシフトチェンジしているじゃないですか。そして何より、映画の世界では、ハゲ俳優さんたちが主役や重要な役柄で登場する作品が増え、しっかり爪痕残してます。今回は、そんなハゲ俳優さんたちが活躍する映画をご紹介!

『セッション』 ハゲシュラン★★★★★
セッション
2月24日(金曜日)から公開され、今年のアカデミー賞では14部門にノミネートされているラ・ラ・ランドのデイミアン・チャゼル監督の出世作であり、アカデミー賞では3部門を受賞したのが『セッション』。そんな3部門のうち、助演男優賞を受賞したのがJ・K・シモンズ。まるでディズニーのアニメーションに登場する亀のようなフォルムのハゲ親父。横から見るスキンヘッドから顔のラインはまるでアール・ヌーヴォー。『ラ・ラ・ランド』でも、出番は少ないもののジャズクラブのオーナーとしてピリッとスパイスを添えている。そんなシモンズ親父の存在がトラウマにもなり得る今作。

アメリカで最高レベルを誇る音楽学校に進学したアンドリューは、プロドラマーを目指して日々練習に打ち込む毎日。 ある日、自分の教室にカリスマ指揮者、シモンズ親父扮するフレッチャー教授がやってきて、彼の才能に着目。教授のスタジオバンドへ招かれることに。
自分の才能が、この音楽学校の一目以上置かれているカリスマ指揮者に認められ、しかも彼のバンドに誘われた!これで俺はドラマーとして道が開かれたもの同然じゃ~い!と、若者にありがちな“うかれ”状態になるものの、それはアンドリューが音楽界の冥府魔道に足を踏み入れる扉を開けてしまったにすぎなかった・・・。
モラハラ、パワハラ当たり前。しごき、しごかれ、荒れ、暴れ、異常とも言えるテンションの高さでフレッチャー教授はアンドリューを追い詰めていく・・・あぁジャズSMかブラックジャズ企業か。やがてふたりの関係は、あることでクライマックスを迎えるが・・・。

チャゼル監督も学生時代、ミュージシャンを目指していた身で実際に学校で経験したことを映画化したそうである意味、彼の復讐譚でもあるのが凄い。ちなみに監督をしごいた教授はハゲやったんやろか。
フレッチャー教授役のJ・K・シモンズの見るからにドSな雰囲気(黒のフィットしたTシャツから見て取れる)に対してアンドリュー役のマイルズ・テラーがヌボーッとしたお坊ちゃん然(ゆったりとしたアメカジシャツとチノパンから見て取れる)。Sから見れば「あ、こいつしごきがいある!」というオーラを放っている。が、しごき出すとMだと思っていたやつが実はドM転じてSやったとわかり教授は形勢不利に。とはいえ根がドSゆえちゃんと落とし前をつけようとするラストまでの9分19秒の展開は衝撃。こればかりは何度見てもいろいろな解釈をしてしまう。
細かいカット割りと、あえて見せないアングル、俯瞰からの絵の切り取りと、カメラと編集は張り詰める緊張感を見事に表現していて、これは『ラ・ラ・ランド』でも生かされているのでチェックしてみるのもおすすめ。
『ブロンソン』 ハゲシュラン★★★★
ブロンソン
『ダークナイト・ライジング』のベイン、『インセプション』のイームス、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のマックス・ロカタンスキーでおなじみのガチムチ俳優、トム・ハーディ渾身の、まさに体を張りまくったクライム・ムービー。
今も服役中で、イギリスでは最も有名と言われる囚人、自称チャールズ・ブロンソン。本名マイケル・ピーターソンの半生を描いたストーリー。トムはもちろんチャールズ・ブロンソンを演じている(なんでチャールズ・ブロンソンかは映画で)。

人はどこかしら有名になりたいという願望があるけれど、それはあくまで“陽”の場であると思う。けどブロンソンはどうやらその価値観が違ったようで、犯罪という“陰”の場でひたすら有名になろうと奮闘する。しかもそれほど悪いとも思っていない。だって有名になりたいんだもの。そのための手段だから。
出所しては犯罪を起こし、刑務所に戻ってくるの繰り返し。刑務所内でも暴力沙汰はしょっちゅう。ただ、精神病院に入れられた時は勝手が違ったようで有名になり損ねるかもと自覚し、力技で刑務所へ。そんな刑務所で絵の才能が認められ、あら、違った方向で有名になろうとするのかなと思ったら、ブロンソンはある行動を起こして・・・。 

髪を剃り上げスキンヘッド状態のトム・ハーディは格闘家にしか見えない。でも頭の形は本当に綺麗で惚れ惚れするほどのフォルム。だけどそんなスキンヘッドより強烈な印象を残すのが映画の中で結構な時間をとっているフリチン全裸のシーン(もちろんぼかし入ってます)。実在のマイケル・ピーターソンが裸族なのかはわからないけれど、鍛えた俺の体を見てくれ的な自信がトムから溢れ出てるのは事実(でも意外とナニは小さいような・・・)。さらにVシネマでの竹内力を彷彿とさせるような大仰でマンガチックな顔芸も披露するわ、道化メイクを施し自分劇場で語るわ、オフビートな笑いを見せるわと、全編この映画を通して、トム・ハーディがもっと有名になりたいという野心を重ね合わせたかのよう。実際、今作で一躍注目され、前記した『ダークナイト・ライジング』のベイン役にも抜擢。以降の活躍はご存知の通り。チャールズ・ピーターソンより、うわてかも。
『PARKER/パーカー』 ハゲシュラン★★★★
PARKERパーカー
ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、ヴィン・ディーゼルと並ぶアクションハゲスターの若頭的存在のジェイソン・ステイサム。元々は飛び込み水泳選手としてイギリス代表チームに所属後、引退しモデルに転身。その後、ガイ・リッチー監督の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレル』で俳優としてデビュー。以降、ほぼ出演しているライナップはアクション系という筋金入りの肉体派ハゲ!ちなみにデビュー作ですでにハゲは出来上がってるので、フサフサ時代の映画は皆無というハゲ俳優ヒストリーも完璧。
そして外国ではハゲ=エロいというのが定着しているのか、どの映画の中でもモテモテです。そんなモテハゲぶりもたっぷり見せつけてくれるのが今作。

小説『悪党パーカー』シリーズの中の『地獄の分け前』の映画化で、ステイサムは犯罪者だけど、狙うものはダーティーマネー。スムーズで完璧な仕事をこなし、人殺しはしないというのがモットー。でも今回は一緒に組んだ奴らが悪かった!計画は狂うわ、人は死ぬわ、裏切られて瀕死の重傷は負うわでパーカーふんだりけったり。ということで復讐の鬼と化します。そこはきっちりした性格、復讐させてもらうため、完璧なプランを立て、殺しのスキルも向上させます。
そんなとき、40オーバーで仕事も人生も崖っぷちのラテン女性と出会うんですが、これがジェニファー・ロペス!上映時間半分くらいすぎてからの登場に隔世の感を禁じ得ません。しかもパーカーになんとか近づきあわよくば体でもと迫る猪突猛進ぶりにもなんともはや・・・。しかし、いつのまにかパーカーに協力して復讐成就の助手へと収まることに。そんなジェネロペの気持ちを弄ぶかのようにパーカー、うまいこと転がしとります。で、恋愛に進むのかと思うとすでにパーカーには何かもわかってる恋人がしっかりいるのでジェネロペの婚活も不発に終わりますが、パーカーは完璧なハゲ。彼女をメロメロにさせるサプライズも用意。あぁこんなハゲになれたらなと薄毛男性も思うはず。
『LOOPER/ルーパー』 ハゲシュラン★★★
LOOPERルーパー
かつてはクリスマスになるとエラい目に巻き込まれる男(『ダイ・ハード』ですね)としておなじみだったブルース・ウィリスもいつのまにかキレイにハゲております。“あ、この人ハゲるな”とわかっていても、実際ハゲてしまった姿を見ると、“あの、ブルース・ウィリスがねぇ”と、しみじみつぶやきそうになります。きっとジョゼフ・ゴードン=レヴィットも撮影に入る前、“え!?俺の30年後をブルースが演じるの!?ハゲるんや!ハゲる設定なんや!”と思ったことでしょう。

2044年、タイムトラベルで送られてくるターゲットを仕留める殺し屋、ジョーが、次のターゲットとして引き受けた男。その姿を見てびっくり。なんと30年後の自分自身だった。手違いから処刑できず取り逃がした未来の自分を巡って、今の自分も組織から追われることに・・・一方、ハゲ親父のジョーの本当の目的は、未来を仕切る犯罪王を子どものうちに仕留めようとタイムトラベルしてきたのだった。未来の自分を追う、若きジョー、その二人を追う組織が三つ巴の逃走劇を繰り広げるというもの。

公開当時はジョゼフ・ゴードン=レヴィットのブルース・ウィリスに寄せた特殊メイクに正直違和感を思え、キワモノ的SFとしてそれなりに楽しんだのだけど、改めて見直すとストーリーの面白さに心酔。しかもブルース・ウィリス、若いもんに負けるかとアクション頑張ってます。さらに個人的に特筆すべきはウディ・アレン監督の佳作『カイロの紫のバラ』やジョナサン・デミ監督のアクションコメディ『サムシング・ワイルド』などでドジだけどいい男ぶりを発揮してたジェフ・ダニエルズの老獪なボスっぷりが彼の次の年代ステージを垣間見れたような気が・・・。
未来の自分を捕まえにいく・・・その設定だけでも十分魅力的なSFだけど、将来ハゲる自分を捕まえるという風に書くとただただシュール。あ、コメディではないのでお間違いなく。
『セックス・アンド・ザ・シティ』 ハゲシュラン★★★
セックス・アンド・ザ・シティ
90年代後半から00年代、女性たちの間で一世風靡した海外テレビドラマ『SEX AND THE CITY』の映画版(ドラマが終わったのが2004年、この映画の公開は2008年!)。
「毎年、20代の女性たちが、ふたつの“L”を求めてニューヨークにやってくる。 “LABEL”と“LOVE”。 20年前、私もそのひとりだった・・・」 のナレーションで始まるオープニングでがっつり気持ちをニューヨークに持っていかれる素晴らしいつかみ。
キャリー、ミランダ、シャーロット、そしてサマンサのキャリアを積んだ女性たちの赤裸々な恋愛事情を描いたドラマも、映画版ではキャリーの結婚を中心にさらにさらにゴージャスに描かれてます。でも、そんな話の中にハゲっていたっけ?はい、いますよ。キャリーの心の友であり、幼なじみのタレント事務所を経営しているゲイのスタンフォードと、白馬の王子様を夢見ていたシャーロットが離婚のために雇った弁護士で、後に夫となったハリーのふたり。

スタンフォードはキャリーのなんでも話し合える良き相談相手であり、時には辛辣な意見も浴びせてキャリーの考えを改め直させたりできるほど。そしてキャリーと並んで、エッジの効いた色使いやセンスのよさから(時にはトゥーマッチさも含めて)ハゲ界のファッションリーダーとも称されていたほど。さらにキャリーと彼の関係を見て、「私もなんでも話し合えるゲイの友達が欲しい~」なんて欲望を満たすため、新宿2丁目や堂山なんかにせっせと通って、ゲイフレンドを見つけようとしていた女子もいたっけ。
かたやハリーは、白馬の王子様信仰者であるシャーロットにとっては真逆の存在。ハゲなのに体は毛だらけ、お世辞にもハンサムとは言えないタイプ。それでも持ち前の優しさ、包容力でみごと、ゴールインとなったのだから、男は見かけではなくハートなのだと世の男性に自信を持たせてくれたキャラクター。そんな対照的なハゲキャラが支えてこそ4人は“輝いて”いたのかも。

ね、ハゲ俳優さん頑張ってますよね。同じハゲでもひとそれぞれ、この5本の映画でハゲた方の見方がこれから変わるかもですよ。

Writer | 仲谷暢之

ライター、関西を中心に映画や演劇、お笑い、料理ネタなどなどいろいろ書いてます。

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