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知らなきゃソン!? 人気海外ドラマから“火がついた”男たち

2017.03.05(Sun) | 上原礼子

ここ数年、新作映画の主要キャストの中に「このイケメン俳優は誰?」「どこかで見たことがあるような…」と気になった俳優はいませんでしたか? 今、アメコミ作品や人気シリーズの最新作から時代感覚を持った珠玉のアクション作品まで、話題の映画に続々と抜擢されているのは、高い人気と評価の双方を得る海外ドラマの出演者たち。今回は、海外ドラマからその人気に“火がついた”男たちに注目しました。

『フレンチ・ラン』 イドリス・エルバ×リチャード・マッデン
フレンチ・ラン
芸術と歴史の街パリを舞台に、はみ出し者のCIA捜査官と天才スリがバディとなる痛快アクション。CIA捜査官ブライアーを演じるのは、次期ジェームズ・ボンド候補にも名前が挙がるイドリス・エルバ。『パシフィック・リム』や『スター・トレック BEYOND』など大作に多数出演している彼が、まず注目を集めたのは米国のドラマ「THE WIRE ザ・ワイヤー」(’02~’04)。その後、英国BBCの「刑事ジョン・ルーサー」(’10~)でさらなる人気を得て、ゴールデン・グローブ賞男優賞(ミニシリーズ・TVムービー部門)を受賞したほか、2016年には全米映画俳優組合賞(SAG)にてTV部門、映画部門で初のW受賞という快挙も。ジョン・ルーサーは、心に闇を抱え、鋭い洞察力や経験値から得た自身のモラルに従って事件を追う型破りな刑事なのですが、その点は本作のブライアー捜査官も同様。周囲から浮いてしまう一匹狼なところはイメージ通りです。

また、彼のバディとなる天才スリ師マイケルには、米HBOの愛憎&エロ&グロ全開“大人向け”ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(’11~)のロブ・スターク役で人気となったリチャード・マッデン。実写版『シンデレラ』の王子役にも抜擢され、同作のケネス・ブラナー監督とは舞台「ロミオとジュリエット」でも組んでいます。真っ当なキラキラ王子様ではなく、過去にワケありの現代の若者を演じているのは、ファンには新鮮に映るはず。

そんな2人がバディを組む『フレンチ・ラン』は、「革命記念日」前夜のパリ市街で発生した爆弾テロから物語が始まりますが、およそ90分間にテンポよくまとまり、さらに移民問題、右翼の台頭など、まさに今起こっている現実にも触れられています。何もかも正反対の2人はパリ中で騒ぎを起こしますが、イドリスの無双ぶりが小気味よく、リチャードがトレーミングをみっちり積んだというスリのシーンも軽妙。特に、大部分をスタントなしで挑んだという、パリを見下ろす屋根伝いのチェイスシーンは見どころの1つとなっています。
『偽りなき者』 マッツ・ミケルセン
偽りなき者
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ドクター・ストレンジ』と大作出演が続き、来日すればTwitterでトレンド入りを果たすマッツ・ミケルセン。“北欧の至宝”ともいわれるデンマーク出身の彼が、これほどまでに大ブレイクするきっかけとなったのは、『羊たちの沈黙』で知られる狂気の精神科医ハンニバル・レクター博士を演じた「ハンニバル」(’13~15)が大きいでしょう。世界中はもちろん、日本でも“ファンニバル”と呼ばれる熱烈ファンを獲得し、とにかく危うすぎる色気がたまりません。そんなマッツは、ネオン・デーモンのニコラス・ウィンディング・レフンとは初監督作『プッシャー』から組んでおり、“盟友”ともいえる間柄です。

本作『偽りなき者』では、ダークヒーローや悪役のイメージが強いマッツが、子どもたちと本気で遊ぶ幼稚園の先生をはじめ、やもめぐらしの男性、息子を持つ父親とさまざまな姿を見せます。何より、園児への性的虐待の疑いをかけられた自身の潔白を静かに訴え続ける男を熱演しており、カンヌ男優賞受賞も納得。限られたコミュニティで善意や友情が真逆へと転じる恐ろしさも描かれ、ラストには戦慄が走ります。
『誘拐の掟』 ダン・スティーヴンス
誘拐の掟
『ハリー・ポッター』シリーズのエマ・ワトソンがヒロイン・ベルを演じる『美女と野獣』で野獣役に大抜擢されたのが、ダン・スティーヴンス! 彼は英国王室やジョージ・クルーニーなどもファンを公言するBBCドラマ「ダウントン・アビー」('10~15)でブレイクしました。伯爵家の遠縁にあたる“跡取り婿”で、誠実で優しい中産階級の青年マシューを好演し、彼の淡いブルーの瞳にうっとりする人が続出。その後、『ザ・ゲスト』で帰還兵を演じたことで体を絞り、ドラマのころに比べるとかなり精悍な印象になったのもポイント高しです。

『誘拐の掟』では口ひげをたくわえ、なんと麻薬取引の仲介人役に。リーアム・ニーソン演じる過去を抱えた私立探偵に、妻誘拐の犯人を捕らえるよう依頼します。しかし、その犯人というのは猟奇殺人鬼で、交渉などできるような相手ではありません。麻薬の売人仲間に「お前らも危ないぞ」と警告する、実は「いい人?」という一面も見せますが……。なお、現在は「X-MEN」シリーズのTVドラマ「レギオン」にも主演中。2017年、彼の名前を覚えておいて損はありません。
『ポンペイ』 キット・ハリントン
ポンペイ
「ゲーム・オブ・スローンズ」で、リチャード・マッデン演じるロブ・スタークと父を同じくしながら、婚外子であるジョン・スノウ役で一躍知られるようになったのはキット・ハリントン。本作では、『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督のもと、ローマ帝国史上最も壮絶な悲劇といわれる、古代都市ポンペイを丸ごと飲み込んだヴェスヴィオ火山大噴火を背景にラブストーリーに挑んでいます。

オーランド・ブルームに似ている(?)といわれるキットですが、より影を感じさせる憂い系。なんでも、アンダーソン監督の妻、あのミラ・ジョヴォヴィッチがドラマを見ていてキットを気に入り、監督に推薦したのだとか。グラディエーター(剣闘士)役のため、肉体改造したというボディも必見です。なお、たかが世界の終わりのグザヴィエ・ドラン監督の次回作『The Death and Life of John F. Donovan』(2018年全米公開)ではタイトルロールを演じており、彼もまた活躍を追いたい俳優の1人です。
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』 ベネディクト・カンバーバッチ
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
ドラマから人気に火がついた俳優の筆頭株として忘れてはならないのが、やはりベネディクト・カンバーバッチ。BBCドラマ「SHERLOCK/シャーロック」(’10~)で世界的にブレイクした彼は、アカデミー賞作品賞のそれでも夜は明けるに参加し、『イミテーション・ゲーム』ではアカデミー賞主演男優賞に初ノミネート、アメコミヒーロー『ドクター・ストレンジ』としてマッツ・ミケルセンとも共演するなど、いまやハリウッドを代表する俳優の1人に。“相棒”ジョン・ワトソン役のマーティン・フリーマンも同様に大活躍しており、ファンもドラマの継続が心配になるほど多忙なコンビとなっています。

『イミテーション・ゲーム』でカンバーバッチが演じたアラン・チューリングは、第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号エニグマを解読した実在の数学者。現在のコンピューターの礎をつくった人物でもあります。並み外れた推理力や観察力と、スマートフォンやネットを駆使する現代を生きるシャーロック・ホームズにも通じる天才なのですが、チューリングには不遇の運命が待ち受けているのです……。

加えて、「ブレイキング・バッド」でエミー賞を3度受賞したアーロン・ポールも、パパが遺した物語『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』など出演作が続いています。映画では、海外ドラマでのおなじみのキャラとはまるで違う人物像を演じることも多く、新境地を見せてくれることもしばしば。海外ドラマを足がかりに羽ばたいていく注目俳優たちを、ぜひチェックしてみてください。

Writer | 上原礼子

情報誌・女性誌等の編集・ライターをへて、現在はWEBを中心にフリーに。1児の母。子ども、ネコ、英国俳優などが弱点。看護師専門誌で映画&DVDコーナーを14年担当したこともあり、医療や死生観などにも関心アリ。試写(映画館)忘備録と、映画を通じて悲嘆を癒やす試み【映画でグリーフワーク】をFacebookにて随時更新中。

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