ホーム > 英国ロック&ポップ最高~!と叫びたくなる音楽映画特集

英国ロック&ポップ最高~!と叫びたくなる音楽映画特集

2017.03.08(Wed) | 斎藤香

ドラマティックなストーリーと心に残る音楽は、映画には欠かせない要素。特に英国の音楽映画は、スマートでお洒落なんですよ。ド派手さよりも、センスの良さで勝負!美意識の高さでKO!って感じでしょうか。そこで、かっこいい英国ロック&ポップス映画の中からどっぷり浸れる作品を選びました。

80年代カルチャーが満載、ロックファンは感涙! 『シング・ストリート 未来へのうた』
シング・ストリート 未来へのうた
『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督作。1980年代のアイルランド・ダブリンを舞台に貧しさやいじめや失恋など、すべてのアンハッピーを音楽にぶつけて、未来に向かって走り始める少年を描いたキュンと来る青春映画です。

父が失業し、荒れた公立学校へ転校したコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、毎日のいじめにうんざり。音楽を聴くことが生きがいでした。そんな彼がイケてる女の子ラフィーナ(ルーシー・ボーイントン)に恋を。彼女の気を引くためにバンドを結成したコナーは恋と音楽にのめり込んでいくのです。

デュラン・デュラン、ジョー・ジャクソン、ザ・ジャムなど、懐かしソングにコナーのバンドのオリジナル曲も。コナーたちがイキイキと音楽を奏でる姿を見ていると、自分の青春時代にプレイバック。80年代カルチャーを体験した人にとっては、キラキラしたあの時代が甦り、たまりません! また家族問題、兄弟の絆、恋の行方なども描かれ、不況を背景にリアルな現実も映し出した傑作です。
ガーリーな世界観でオシャレを極める青春映画 『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』
ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール
英国の人気バンド“ベル・アンド・セバスチャン”のスチュアート・マードックの監督デビュー作。音楽だけでなくファッションにもこだわりを見せる英国のオシャレ音楽映画。

拒食症で入院中のイヴ(エミリー・ブラウニング)は、ミュージシャンを目指す女の子。彼女は病院を抜け出した先で、ギタリストのジェームズ(オリー・アレクサンデル)と出会います。イヴはジェームズの友人キャシー(ハンナ・マリー)とも意気投合し、3人で音楽をやろうと盛り上がるけれど……。

音楽を作り上げてから映画に取り掛かったというミュージシャン監督ならではの手法だけれど、3人のキャラクター、とりわけイヴとジェームズは色濃く描かれています。出会ったときはノリがあうだけでもいいけど、相手を知るほど、お互いの生き方の違いにとまどう感じは共感度高い。楽しいだけじゃない、ちょっとした苦味を感じさせるんですよ。キュートなファッション誌のグラビアのようなヴィジュアルが素敵だし、可憐な歌声による楽曲の数々も、このガーリーな映画の世界観にマッチしていて良いです。
新作も公開決定!アカデミー賞監督のセンスが炸裂! 『トレインスポッティング』
トレインスポッティング [DVD]
イギー・ポップの「Lust For Life」があまりにも有名な『トレインスポッティング』。20年ぶりに続編『T2 トレインスポッティング』(2017年4月8日)が公開されますが、新作を見る前に前『トレスポ』を見ておくのもいいかも。スラムドッグ$ミリオネアでアカデミー賞を受賞する前のダニー・ボイル監督の大ヒット作です。

レントン(ユアン・マクレガー)と仲間たちは、嫌な事が起こるとすぐに麻薬で現実逃避する麻薬依存症。しかし、仲間がエイズで亡くなったり、盗みで警察送りになったり。そんな毎日に嫌気がさしたレントンは、麻薬を断ち切ります。ところが、仲間(ロバート・カーライル、ジョニー・リー・ミラー)から麻薬取引の話を持ちかけられて、レントンはその話に乗ってしまうのです。

麻薬依存の若者たちのしょーもない日々を、幻覚症状の映像と音楽の洪水で独特の作品に仕上げたダニー・ボイルのセンスが光るダメな若者の青春映画。麻薬依存症の怖さを説教臭くなく、スリリングな人間ドラマとして描いたのが大成功。イギー・ポップはじめ、ニューオーダー、パルプ、アンダーワールドなどいずれの音楽も映画の世界をより鮮明に見せる手助けをしており、使い方が抜群にうまいです。
グラムロックの世界へ誘う美麗な世界にウットリ! 『ベルベッド・ゴールドマイン』
ベルベット・ゴールドマイン [DVD]
映画『ベルベッド・ゴールドマイン』は、1970年代を舞台に、一世風靡したカリスマロッカーの末路を描いたグラムロック映画。『エデンより彼方に』『キャロル』など、常に美麗ヴィジュアルでウットリさせてくれるトッド・ヘインズ監督作品です。

新聞記者(クリスチャン・ベール)は失踪したロックスターのブライアン・スレイド(ジョナサン・リース・マイヤーズ)の追跡調査を依頼されます。70年代に一世を風靡したブライアンは、偽装殺人というスキャンダルにより行方不明に。当時、彼に夢中だった記者はブライアンの過去を紐解き、たどり着いた真実とは。

音楽ファンは誰もがブライアン・スレイドのモデルはデヴィッド・ボウイだと気付くでしょう。そしてブライアンに影響を与えたカート(ユアン・マクレガー)はイギー・ポップ!グラムロック全盛期のカルチャーに思い切り酔える作品で、ファッション、音楽など、その時代の美意識を貫いています。ロキシー・ミュージック、T.レックス、ブライアン・イーノほか、映画の中に登場するバンド「ヴィーナス・イン・ファーズ」の楽曲も素晴らしく、映画とともにサントラも買いです。
ジョン・レノンとポール・マッカートニーの出会いに胸アツ 『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』
ノーウェアボーイ
ビートルズ結成前のジョン・レノンと家族を描いた作品。ジョンをアーロン・ジョンソンが好演。音楽満載映画とはちょっと違うかもしれませんが、ジョン・レノンが音楽をスタートした頃のこと、ポール・マッカートニーとの出会いなど、ビートルズファンは必見の映画なのです。

1950年代のリバプール。ジョン(アーロン・ジョンソン)は伯母(クリスティン・スコット・トーマス)に育てられていました。しかし、実の母が近所に住んでいたことを知り、交流を深め、彼女はジョンに音楽の楽しさを教えてくれます。母と一緒に暮らせない寂しさを癒してくれた音楽にジョンは夢中になり、バンドを組んでライブも。そのバンドに加入したいとやってきたのがポール・マッカートニーだったのです。

両親に育ててもらえなかったジョンは若い頃から常に孤独を抱えた人で、彼の少年~青年期は実に複雑です。そんな毎日に光を与えたのが音楽。ビートルズの前身バンド「クオリーメン」の演奏やポール・マッカートニーとの出会いなどワクワク! こんな風に二人は青春を共にしていたのかと胸が熱くなります。エルビス・プレスリーの影響を受けた初期のジョンとポールのサウンドは必聴。ジョージ・ハリスンが登場するのも喜びです。

スケールが大きく派手なアメリカンロックと比べて、英国ロック&ポップスはスタイリッシュでソリッドな印象。そこがファンにはたまらない!これらの映画を見て気に行ったらサントラもぜひ聞いてみてくださいね!

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA