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ミニシアター系のちょっとエッジのきいたコメディ5選

2017.07.14(Fri) | 小林未亜

笑いの基準は人それぞれ、よってコメディ映画も「笑える」「笑えない」で意見が真っ二つに分かれることもしばしば。でも実は「笑える」の中にもタイプはいろいろあるし、「笑えない」けどメッセージ性がすごいとか、コメディってかなり一筋縄ではいかないジャンル。
とりあえず見なければ始まらないということで、7/22公開の「ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~」ほか、5本の作品を紹介します!

家族のバカンスは、暴走車でどこへ向かう!? 『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』
ボン・ボヤージュ
「真夜中のパリでヒャッハー!」シリーズのニコラ・ブナム監督が手掛ける新作コメディ。もうそれだけでワクワクが止まらないけれど、その期待、裏切られません。

最新システムを搭載した赤いボディの新車に乗って、夏のバカンスへ出かけたコックス一家。父が得意げに安全システムを作動させるが、ほどなくして“安全”システムは故障し、車は時速160キロで大暴走&制御不能に。そして渋滞に向かってまっしぐらな暴走車の中では、家族の秘密が明らかになっていくという地獄…。

シリアスな作品にもなりうる“暴走車両”という設定。実際の速度で走りながら撮影をした(!)そうで、その本格アクションがもたらす緊迫感が、おかしさをさらに加速させる。どこか頼りない整形外科医の父、キレ気味の臨月の母、「走る棺桶」なんて不吉なことをつぶやく娘、水中銃に夢中な息子、そして問題しか起こさないおじいちゃん。さらには高速道路警備隊だったり、巻き込まれる男だったり、クセのありすぎるキャラたちが畳みかけるネタに、ノンストップで笑ってしまう。でも鑑賞後、テレビで「自動運転」なんて聞くとちょっとドキッ…。
ちなみに、暴走車“メドゥーサ”の疑似CM映像が予告編と共に公開されていて、これがまた最高。
◎AI搭載新型車“メドゥーサ”CM

◆『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~
7月22日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町 他 全国順次ロードショー
© 2016 Chic Films – La Petite Reine Production – M6 Films – Wild Bunch
スイッチを押した人々の、オチっぷりが鮮やか 『人生スイッチ』
人生スイッチ
アルゼンチンで大ヒットを記録したという本作は、「おかえし」「おもてなし」「パンク」「ヒーローになるために」「愚息」「HAPPY WEDDING」の6編で構成されるオムニバス映画。全体的にどこか「世にも奇妙な物語」を思わせる、と言うとわかりやすいかも。

これまでの人生で自分を貶めてきた人たち。ふいに目の前に現れた親の仇。進路をさえぎるボロ車。駐車違反のレッカー移動。ひき逃げを起こした息子と金の亡者たち。浮気相手を結婚式に招待した新郎。そんな相手への怒りや鬱憤を抑えきれずに一線を越え、見事なまでに転がり落ちていく登場人物たちの姿を、ブラックユーモアたっぷりに描き出す。特に、飛行機に乗り合わせた全員がある男の知り合いだった、という「おかえし」のインパクトとスピード感は強烈で、他の作品への期待を一気に高めてくれる抜群のオープニング!

この作品が大ヒットしたアルゼンチンという国に、そこはかとない闇を感じつつ…、鮮やかなオチの数々についついニヤついてしまう。
突如知らされる、533人の子持ちという衝撃 『人生、ブラボー!』
人生、ブラボー!
もう少しハッピーに笑いたいという人は、タイトルのポジティブ感がすごいこの作品を。「人生、サイコー!」(こっちもすごい)のタイトルでハリウッドリメイクもされたカナダ発のコメディです。

若い時に“スターバック”の偽名で693回の精子提供を行った結果、533人の子供が誕生し、142人が身元開示の裁判を起こしたと知らされた中年男ダヴィッド。好奇心に勝てず、渡された142人のプロフィールから1枚を抜き取って見てみると、なんとプロサッカー選手が息子! それに気をよくして1枚、また1枚と見てはこっそり会いに行くうちに、身元を明かすべきか悩み始める…というお話。

コメディであり、心温まるヒューマンドラマでもある本作は、とにかく主人公が魅力的。家族で営む精肉店の配達係もろくにこなせず、多額の借金を抱え、彼女にも愛想尽かされるという、基本的にはダメな男。でもお父さんが「山ほどの欠点に我慢できれば最高の瞬間も味わえるはずだ」と評すように、決める時は決めるんです、この男。ずるいんだよなーと思いつつ、やっぱり好きになっちゃうから悔しい。キャラでいうと、息子アントワーヌもいい感じ。
仲良し俳優コンビ&監督による名作 『ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ 』
ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ [DVD]
「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガー・ライト監督、イギリスの仲良しコンビ、サイモン・ペッグ&ニック・フロスト共演による傑作ムービー。

「有能すぎて他の人が無能に見える」という理由により、ロンドンから田舎の村サンドフォードに左遷されたニコラス・エンジェル巡査は、のんきな映画好きダニー・バターマンとバディを組むことに。そして村で続発する怪死事件を調べるうちに、村に隠された恐ろしい秘密を知る。

コメディにとどまらず、サスペンス、スリラー、バディもの、ヒューマンドラマ、アクションと、さまざまなジャンルの要素がこれでもかと盛り込まれた本作。また、劇中に登場する「ハートブルー」「バッドボーイズ2バッド」をはじめ、往年の映画作品や演出へのパロディが満載で、コアな映画ファン向けでもありつつ、本作だけ見ても十分胸が踊る作品(観れば自然と元ネタを調べたくなるはず!)。個人的にはケイト・ブランシェットのカメオ出演にときめきます。
仲良しコンビ+宇宙人のSF珍道中 『宇宙人ポール』
宇宙人ポール [DVD]
最後は、再びサイモン・ペッグ&ニック・フロストのコンビが大活躍のこちら。イギリスからアメリカへやって来たSFオタクのグレアムとクライブが、“コミコン”とUFOスポット巡りの旅の道中、うっかり遭遇した宇宙人“ポール”と珍道中を繰り広げる、ロードムービー的な要素もありなSFコメディです。

「ホットファズ」同様、「未知との遭遇」や「E.T.」といった過去作へのオマージュが満載だけど、「ホットファズ」とはまた違った2人の関係性が微笑ましかったり、セス・ローゲンが声を担当するポールの宇宙人らしからぬ(?)ぶっ飛んだ言動が愉快だったり、前知識なしに見ても存分に楽しめます。意外に感動もあり!

コメディほど見ないと良さが分からないジャンルはないなぁとつくづく思うので、ぜひいろんな作品を見て、お気に入りの1作に出合ってほしいです。宇宙人ポール曰く「たまには冒険するのもいい」ですよ。

Writer | 小林未亜

編集プロダクションに勤務し、情報誌やWEBの編集・取材・原稿執筆をしています。かつて勤めていた映画館が2つともクローズしてしまったのが悲しく、休日はなるべく映画館へ。この仕事をしていても「衝撃の結末!」などのあおりに弱い

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