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フランスの至宝イザベル・ユペールの魅力を知る!出演映画5選

2017.08.18(Fri) | 清水久美子

どんな役でも演じることができ、観客を引き込む力強さを持った素晴らしい女優、イザベル・ユペール。“フランスの至宝”という称号にふさわしく、数々の受賞歴を持つ彼女の超話題の主演作『エル ELLE』がいよいよ劇場公開されます。今回は、ユペールの魅力を知る映画5本を紹介。ユペールは、作品ごとに全く違う顔を見せてくれています。

このヒロインはユペールにしか演じられない!『エル ELLE』
エル ELLE
イザベル・ユペールが、あまりにも強烈で、刺激的なヒロインを熱演する異色のサスペンス映画。

ゲーム会社の社長を務めるミシェル(ユペール)は、自宅で覆面の男に襲われてしまいます。ところが警察には届けず、周囲の人物を怪しみながらも、マイペースに自分の生活を続けるミシェル。その後、送り主不明の嫌がらせのメールが届いたり、誰かが留守中に家に侵入した形跡があり、ミシェルは自ら犯人を探し始めますが、次第に事件の真相よりも恐ろしい彼女の本性が明かされていきます…。

133ノミネート、69受賞(2017年7月13日現在)を誇る『エル ELLE』。ユペールは、本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞で女優賞に輝きました。映画を見れば、納得の受賞だということがよく分かります。原作者のフィリップ・ディジャン(ベティ・ブルー/愛と激情の日々)は、ユペールをヒロインのモデルにしたわけではないけれど、彼女を思い浮かべていたそうです。監督は『氷の微笑』のポール・ヴァーホーヴェン。アブノーマルな世界観全開ですが、痛快で魅力的な作品に仕上がっているのは、ユペールの演技の秀逸さがあってこそ。必見です!

◆『エル ELLE
8月25日(金)TOHOシネマズ シャンテ ほか 全国ロードショー
配給:ギャガ
(C) 2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINÉMA – ENTRE CHIEN ET LOUP
ユペールの抑えた名演技が光る『母の残像』
母の残像
夫や息子たちとの時間よりも仕事を優先させがちだった戦争写真家の女性をユペールが演じるヒューマンドラマ。

著名な戦争写真家のイザベル(ユペール)は、仕事に情熱を傾ける日々を送っていましたが、自動車事故で亡くなってしまいます。3年後、回顧展が開かれることをきっかけに、夫のジーン(ガブリエル・バーン)は、長男ジョナ(ジェシー・アイゼンバーグ)、次男コンラッド(デヴィン・ドルイド)と共に、イザベルを失ったことにしっかりと向き合うことに。明らかになる妻の、そして母の知られざる一面や秘密に戸惑う父と息子たち。果たして、イザベルの死は本当に事故だったのでしょうか…?

家族を大切に思いながらも、戦場に戻っていくことを選んでしまってきたイザベル。葛藤を抱える女性の姿を抑えた演技で見せるユペール。家族の喪失という普遍的なテーマの本作で、夫と息子たちを演じるバーン、アイゼンバーグ、ドルイドの演技も抜群で引き込まれます。
実在するエキセントリックな母親に扮した『ヴィオレッタ』
ヴィオレッタ
母親が実の娘のヌードを撮り、写真集を出版した衝撃的な実話を映画化。被写体だった娘のエヴァ・イオネスコ自身がメガホンを取った映画『ヴィオレッタ』で、ユペールはエキセントリックな母親アンナ役を演じています。

ほとんど家にいることなく、甘えたい盛りの娘ヴィオレッタ(アナマリア・ヴァルトロメイ)を祖母に任せっきりのアンナは、突然ヴィオレッタをモデルにして写真を撮ることを思いつきます。最初は芸術的なセットや衣装に喜んで、母に協力していたヴィオレッタでしたが、アンナの要求は徐々にエスカレート。ついには服を脱ぐことを強要されます。あどけない少女だったヴィオレッタは、どんどん大人びていき…。

自分の思い通りに娘を動かそうとしてきた母を憎み続けたエヴァ・イオネスコ。彼女の実体験に基づくエピソードを、ユペールは美しすぎるヴィオレッタ役の新人アナマリアと共に見事に再現しています。
韓国映画で堪能できるユペールの魅力『3人のアンヌ』
3人のアンヌ
カンヌ常連の韓国人監督、ホン・サンスの作品で、ユペールがアンヌという名前の3人の女性を演じ分けたユニークな映画。

韓国の海辺の町モハンで、映画科の学生ウォンジュ(チョン・ユミ)がシナリオを3本書いています。3本とも主人公の名前はフランス人女性のアンヌですが、1本目は成功した映画監督、2本目は浮気中の人妻、3本目は離婚したばかりの女性です。3人のアンヌは、いずれも情熱的なライフガードの青年(ユ・ジュンサン)と出会うのですが…。

ユペール以外のキャストは、韓国の俳優たちばかり。特に観光するところもなく、ゆったりとした時間が流れるモハンを舞台に、ユペールは全くタイプも境遇も違う3人の女性を演じ、本作だけでも彼女の魅力を3倍堪能できます。
倦怠期の主婦がパリへ一人旅『間奏曲はパリで』
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夫との穏やかで平凡な毎日を送る主婦が、どこか満たされない思いを抱え、パリへ一人で出かけて休日を過ごすコメディタッチの夫婦の物語。

ノルマンディーで農場を営む夫婦、グザヴィエ(ジャン=ピエール・ダルッサン)とブリジット(ユペール)。息子が巣立った後、平凡すぎる日常に変化をもたらそうと努力をするブリジットでしたが、実直で無骨な夫グザヴィエは妻が何をしても無関心。そんな中、ブリジットはあるきっかけから人生を変えようと思い立ち、2泊の予定でパリへと出発します。

本作のユペールは、とにかくキュートに等身大の女性を好演していて共感を呼びます。倦怠期の主婦が、一人旅をすることで、ちょっとした刺激を求めたり、自分を見つめ直したりするうちに、本当に大切なものが見えてくる、心が温かくなる秀作です。

ここで紹介した作品のほかにも、ユペールが様々な顔、そして名演技を披露している出演映画は数多くありますが、この5本だけでも、それぞれ違った彼女の魅力を知ることができるので、まずはこの5本をじっくりと楽しんで見てくださいね!

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

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