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おじいちゃん&おばあちゃんの刺激的な人生を描いた映画5選

2017.09.13(Wed) | 斎藤香

おじいちゃん&おばあちゃんが元気な映画をピックアップ。元気過ぎて暴走したり、マイペースすぎて周囲をとまどわせたりする映画がある一方、人生の終わりをしみじみ考えたりする映画も。人生のベテランたちに映画を通してビシっと喝を入れてもらいましょう。

世界最高齢のダンスグループに元気をもらおう!『はじまりはヒップホップ』
はじまりはヒップホップ
ニュージーランドの東側の小さなワイヘキで誕生した高齢ダンスグループの活動を追いかけたドキュメンタリー映画です。

ワイヘキのダンスグループ「ヒップ・オペレーション・クルー」は老人たちのヒップホップグループ。日々、ダンスを練習中です。マネージャーのビリーは、彼らに目標を持たせようとラスベガスで行われるヒップホップダンス大会への出場を提案。とまどうメンバーがいたものの「やるしかないでしょ!」と立ち上がった彼ら。しかし、なんと旅費が足りないという事態に……。

このダンスグループの最高齢は94歳!みんな腰の手術をしていたり、視力がほぼなかったり、様々な事情を抱えていますが、イキイキした姿は本当に元気をくれます。
ときどき20代なのに「もう年だし~」という若者がいますが、そういう人にぜひ見てほしい。人生はまだまだ長く、もっと楽しいことが待っていると彼らは教えてくれるのです。
それにしてもマネージャーのビリーの情の深さと行動力は凄い。彼らに振付教えるだけでも大変なのに、ひとりひとりの心のケアもしてあげて。陰の功労者ビリーにも拍手をおくりたいです。
人生は可笑しみに満ちているという大人の寓話 『皆さま、ごきげんよう』
皆さま、ごきげんよう
オタール・イオセリアーニ監督が描く大人ファンタジー。いくつになっても守りに入らず、自分のペースで生きる老人たちの逞しさが光る映画です。

映画の中心人物は、アパートの管理人かつ武器商人の男(リュファス)と骸骨集めが大好きな人類学者(アミラン・アミラナシュヴィリ)。二人の周りで起こる数々の出来事(ローラースケート泥棒、警察署長の覗き、ひたすら家を建てる男etc…)などのエピソードがパッチワークのように繋がり、映画として形作られていくという実に個性的な作品なのです。

「いつの時代?」「誰の話?」「どうなっているの?」と思ってしまうほど、監督は映画を自由自在に操り、観客を煙に巻きます。車に弾かれた人がペシャンコになるというユーモアもありつつ、戦争シーンには恐ろしさも。しかし、登場人物は幸福も不幸もまとめて受け止め、ひょうひょうと生きています。唯一大切なのは人との交流。誰かに傷つけられても誰かが癒してくれる……そうやって人生はまわっていくのかなと。へこたれないマイペースなおじいちゃんたちがいぶし銀の魅力を放つ作品です。
安楽死のお手伝いをするおじいちゃんの物語 『ハッピーエンドの選び方』
ハッピーエンドの選び方
安楽死問題をユニークかつ感動的に描いたイスラエルのおじいちゃん&おばあちゃん映画です。

エルサレムの老人ホームで暮らすヨヘスケル(ゼーブ・リバシュ)は、発明が趣味。そんな彼のもとに、延命治療で苦しむ親友から安楽死できる発明装置の依頼が……。ヨヘスケルは安楽死装置を完成させ、親友は苦しまずに天国へ行けましたが、秘密のはずのその発明は瞬く間に知れ渡り、イスラエル中から注文が殺到してしまうのです。

発明をすることで老人ホームでの生活をイキイキしたものにしているヨヘスケル。彼が安楽死装置をきっかけに騒動に巻き込まれる前半は、死をちらつかせながらもユーモラス。しかし、後半、ヨヘスケルの妻の認知症が悪化していくにつれて、切ない展開に……。
家族に迷惑かけたくない、苦しまないで死ねるのならば安楽死を選びたいという気持ちは理解できるけれど「死」を他者がコントロールしていいのかという問題は切実。映画としての娯楽要素を盛り込みつつ「安楽死」について真摯に斬り込んだ傑作です。
老人ホームを脱出したシニア世代のファンタジー 『100歳の華麗なる冒険』
100歳の華麗なる冒険 [DVD]
ヨナス・ヨナソン著「窓から逃げた100歳老人」を映画化したスウェーデン映画。おじいちゃんの大冒険を追いかけた楽しい作品です。

老人ホームで暮らすアラン(ロバート・グスタフソン)は、誕生日の日、ホームから脱走。途中、大金が入ったスーツケースを手に入れたため、警察やギャングに追われながらも、道中知り合った仲間とともに冒険の旅へ出かけます。実はアラン、元爆弾の専門家。ゴルバチョフやレーガンなど各国の要人との仕事で歴史的な事件に立ち会ってきた人物でもあったのです。

さすがに100歳ともなると経験値がハンパないです。しかも各国の要人と仕事してきた彼は、さながら歩く歴史の教科書のよう。危険を察知して乗り越える術と何事にも動じないメンタルが持ち味のアラン。だからこそ、100歳になっても老人ホームを脱出して冒険できたのでしょう。足腰丈夫過ぎるところはファンタジーですが、体が元気で頭もクリアーなら、アランみたいな長生き生活も悪くないかも……と思わせる力がこの映画にはあります。前向きに生きるおじいちゃんが素敵な映画です。
お洒落おばあちゃん大集合!『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』
アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生 [DVD]
お洒落なシニア世代を集めた人気ブログ「アドバンスト・スタイル」の創設者アリ・セス・コーエンがプロデュースしたドキュメンタリー映画『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』は、おばあちゃんたちのお洒落と人生を映し出した作品です。

登場するのは62歳から95歳まで、ニューヨークに住むお洒落なおばあちゃんたち。80代のダンサー、有名ブティックのオーナー、93歳のアーティストなど、今でもキャリアを積み重ねている人が多く、華やかに生きています。またこの映画は彼女たちの人生の背景にある濃密なドラマも語り、その歴史とファッションが重なり合っているのが見どころであり、数多くの名言も登場します。 「若く見えるより魅力的に見えたいの。納得できる人生を歩むには、自分らしく前進するしかないわ」(80歳:ジョイス・カルパティ)
「人生という劇場の為に、毎日、着飾るの。永遠に終わらないショーよ」(79歳:リン・デル) など、とても刺激的! お洒落にかっこよく生きるヒントがつまった映画であり「年を取ることが楽しみになる」と思えるドキュメンタリー作品です。

世の中は若い人中心に回りがちですが、そんな考えにNOを突きつけるのがシニア世代の映画。人生のキャリアが豊富な人達の言葉と行動には、経験に裏打ちされた強さがありますからね。敬老の日におじいちゃん&おばあちゃんと一緒に見るのもいいですね!

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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