ホーム > 新発見がいっぱい!世界の食と生活を深く見つめたドキュメンタリー5選

新発見がいっぱい!世界の食と生活を深く見つめたドキュメンタリー5選

2017.11.22(Wed) | 斎藤香

食と生活に焦点を絞って、人々に問題提起したり、プロフェッショナルな仕事を見せたりするドキュメンタリー映画を集めてみました。いずれも力作だし、多くの学びを得られる映画ばかりです。

フランスで110万人が見た大ヒット作!『TOMORROW パーマネントライフを探して』
TOMORROWパーマネントライフを探して
『イングロリアス・バスターズ』などの人気女優メラニー・ロランがジャーナリストのシリル・ディオンと組んで、食・エネルギー・お金・教育に関する取材の旅へ。そこで彼らが出会った人、学んだ事実、すべてを映し出す生活ドキュメンタリーです。

“世界中の人が今のような生活を続けると、地球は滅亡する”という論文が学術誌「ネイチャー」で発表されたことをきっかけに、メラニーとシリルは「未来のために解決策を探ろう」と動き出します。食の取材では、アメリカの自給自足ライフ、フランスの持続性農業を取材し、エネルギーでは、デンマークの風力発電と地熱エネルギーほか、ゴミをすべてリサイクルする活動をしているアメリカの都市を取材。ほか、お金、教育などをテーマに、国と地域の人々が知恵と力を合わせて頑張る姿を克明にレポートしていくのです。

学びが多く、視野が広がると同時に「ニッポンはこのままでいいのか?」と考えるきっかけもくれる、見応えあるドキュメンタリー作品です。
築地は日本の宝であるとしみじみ感じるドキュメンタリー『築地ワンダーランド』
築地ワンダーランド
食の関係者だけでなく、世界中の観光客も訪れる魚市場「築地」。1年4ケ月に及ぶ取材で、築地の奥の奥まで入り込んだドキュメンタリー作品です。

早朝のセリに密着取材、市場へ何度も足を運んで行われたであろうインタビューは、卸売業者や関係者の精力的な仕事ぶりと深い語りから、ひとりひとりのドラマが浮かび上がります。仲卸さんと料理人の二代、三代続く関係から生まれる信頼関係、市場内の持ちつ持たれつの協力関係など、築地が結ぶ絆も描かれており、しみじみ感動。またジャーナリスト視点、海外の学者視点で語られる築地など、築地市場を多面的に捉え、万華鏡のような輝きを放っています。

豊洲移転問題が、まだモヤモヤしていますが、やはりここは世界一の魚市場。場所は変わっても、ここで働く職人さんたちのプロフェッショナルな仕事は変わらないはず。築地の魅力を最大限に見せている本作。食のワンダーランドをぜひ映画体験してください。
人気レストランを築く天才シェフの完璧主義が炸裂する『ノーマ東京』
ノーマ東京
世界的に有名なデンマークのレストラン「ノーマ」。天才シェフのレネ・ゼネがデンマークの本店を休業して、スタッフ全員連れて期間限定で「ノーマ東京」をオープン。その準備から開店までを追いかけたのが本作です。

その土地の食材を使うのがレネ・ゼネピのポリシー。ゆえにスタッフと1年以上、7回かけて日本で食材探しの旅をしました。スタッフが日本でメニュー開発をする中、オープン15日前に再び東京へやってきたレネは「本店と同じことをしている。作り直しだ」とスタッフを厳しく叱咤。ギリギリまでメニュー作りに料理人のプライドの全てを懸けるのです!

築地へ行ったり、果物農家やきのこ狩りに行ったり、日本全国を回って、食材を自分たちの足で探すというレネのポリシーがこの映画で映し出されています。ここからノーマのオリジナルな料理が生まれるのです。悪戦苦闘の末に生まれたメニューの数々は、まさに日本とノーマの融合。自然を活かしつつ、アートのような独創的なヴィジュアルの料理の数々は驚きがいっぱいです。
遺伝子組み換えの怖さにゾっとする『世界が食べられなくなる日』
世界が食べられなくなる日 [DVD]
遺伝子組み換えの動物実験とそこから起こる食の危機を追いかけたのが本作『世界が食べられなくなる日』。地球と人間の危機を描いたドキュメンタリーです。

市場に流通している遺伝子組み換えの食品。これらの安全基準は満たされていると言われているが果たしてそうだろうか。動物実験で明らかになる事実、加えて、遺伝子組み換えと同列に語られる原子力発電。原発と暮らすフランスと日本のおける、農家が受ける原発の影響も描かれ、世界に拡散された原発と遺伝子組み換え作物というテクノロジーの進化の恐怖を映し出します。次世代の人々はこれとどう向き合っていくのでしょうか……。

何気なく口にしていた食べ物が私たちの体を蝕んでいる……。本作を鑑賞後は、食材を購入する際「遺伝子組み換えかどうか」を確認するようになるかも。でも知っておくべき大切なことがつまった映画です。
60日間、砂糖を食べ続けた実験ドキュメンタリー『あまくない砂糖の話』
NoImage
本作はデイモン・ガモー監督が、多くの食材に含まれる砂糖を平均1日ティースプーン40杯分も人間が摂取していることに気づき、自分の肉体を使って検証したドキュメンタリーです。

肥満化が問題になっているオーストラリア。この問題に向き合うため、ガモー監督は60日間、ティースプーン40杯分の糖分をいろいろな食材から摂取します。食したのは、低脂肪ヨーグルト、穀物バー、シリアルなど、健康食材と言われているフードばかり。実はこれらには多くの砂糖が含まれていたのです。その後、監督はアメリカへ飛び、オーストラリア以上に根深い糖分過剰摂取生活の実態を知るのです。

この映画で語られる砂糖と健康の関係性は実に深刻。しかし、演出は実にポップで、子供でもわかるくらい噛み砕いて描かれているので、とても見やすい社会派ドキュメンタリーです。疲れているときに甘いものを口にしたくなりますが、チョコレート菓子をドライフルーツに変えるだけでも糖分の摂取は違うとか。この映画を見ると、スイーツ大好きな人も食生活を見直したくなるでしょう。

お洒落なグルメ映画とは一線を画した、食と生活、食のプロ、食の危機管理などを描いているこれらのドキュメンタリーは、生きていく上でとても大切なことを教えてくれます。食生活を振り返り、健康について考えるきっかけになること必至! 必見です。

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA