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次代の日本映画界を背負う才能がほとばしる「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」。2015年度までの全作品配信中!

2017.12.13(Wed) | 松村知恵美

すぐれた若手映像作家の発掘・育成を目的とし、映画製作にまつわるワークショップや制作実習を行っている「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」。文化庁がVIPO(映像産業振興機構)に委託して実施しているこのプロジェクトでは、毎年、若い映像作家たちが「東宝 映画制作部」、「松竹 映像制作部」、「東映京都撮影所」など、実際の商業映画を制作している制作プロダクションとともに、プロの俳優たちを起用して35ミリフィルムによる短編映画の製作を行っています。

青山シアターでは、この「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」によって2015年度までに制作された全映像作品を配信しています。湯を沸かすほどの熱い愛の中野量太監督やトイレのピエタの松永大司監督など、期待の若手監督を輩出したこの注目のプロジェクト作品は、どれも高い熱量を感じるものばかり。若手監督の才能を青田買いできるこの作品群、ぜひチェックしてみてください。

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板尾創路演じる父親が、幼なじみと結婚!? ソニン主演×ふくだももこ監督『父の結婚』(ndjc2015)
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ndjc2015の一環として「ブースタープロジェクト」の制作で作られた映画『父の結婚』。1991年生まれのふくだももこ監督が監督・脚本を手がけています。このふくだももこ監督、日本映画学校で映画制作を学び、その卒業制作で作ったグッバイ・マーザー(2013)がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014、第六回下北沢映画祭、湖畔の映画祭で入選するなど、高い評価を得ている監督です。

この『父の結婚』の主人公は、父の結婚の知らせを聞いて実家に帰ってきた青子(ソニン)。実家の台所に立つ父の結婚相手に声をかけた青子は、振り返った彼女の正体に衝撃を受けるのですが…。都会で生きる女性・青子と、実家の近くで暮らし外国人女性と結婚した兄。田舎で暮らす父と、その結婚相手。戸惑いつつも新しい“家族のかたち”を作っていこうとする家族の旅立ちがユーモラスに描かれた一作です。
ミス西校のブラでいじめから脱却せよ! 岡山天音主演×飯塚俊光監督『チキンズダイナマイト』(ndjc2014)
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ndjc2014の一環として「ダブ」の制作で作られた映画『チキンズダイナマイト』。1981年生まれの飯塚俊光監督が監督・脚本を手がけています。ニューシネマワークショップで映画制作を学んだ飯塚俊光監督は、2012年に伊参スタジオ映画祭でシナリオ大賞を受賞した『独裁者、古賀。』を映画化。同作が福岡インディペンデント映画祭2014、PFFアワード2014、第8回田辺・弁慶映画祭など様々な映画祭で高く評価されています。

この『チキンズダイナマイト』では、岡山天音演じる15年間ずっといじめられっ子だった少年が、いじめから逃げるための伝説のゲーム“チキンズダイナマイト”に挑戦する姿を描いています。この“チキンズダイナマイト”とは、ミス西校と1週間ほど交際し、最後に彼女のブラジャーをもらって別れるというゲーム。このゲームをクリアするため、あの手この手でミス西校に近づこうとするいじめられっ子の成長が痛々しくも微笑ましい! 恒松祐里、前野朋哉らの好演も光る、青春映画となっています。
自分だけのオシャレを目指すファッション小僧の見る夢は… 高良亘主演×髙谷昂佑監督『オシャレ番外地』(ndjc2013)
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ndjc2013の一環として「アルタミラピクチャーズ」の制作で作られた映画『オシャレ番外地』。1986年生まれの髙谷昂佑監督が監督・脚本を手がけています。髙谷昂佑は大学時代から自主映画を製作し、大学卒業後は北九州フィルム・コミッションで商業映画の撮影誘致・支援業務などに携わった経験の持ち主。実地でシナリオハンティングからPRまで、一連の映画関連業務を学び、現在は映画の製作スタッフとして映画製作に携わっています。

高良亘演じるこの『オシャレ番外地』の主人公は、自分のファッションセンスには自信があるものの、オシャレが過ぎてもはや誰からも理解されなくなってしまった若者・鴨野。そんな鴨野が、蛭子能収演じる妙なカメラマンにファッションスナップを撮影されたことから、あるブランドの専属モデルにとスカウトされることになるのですが…。ファッションとはなんなのか? オシャレとは誰が決めることなのか? そんな深いテーマ性をも感じさせる題材を、あくまでもコミカルに、そして不条理に描き出しています。
嘘つき弘恵は少年と海を目指す 韓英恵主演×庄司輝秋監督『んで、全部、海さ流した。』(ndjc2012)
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ndjc2012の一環として「シグロ」の制作で作られた映画『んで、全部、海さ流した。』。1980年生まれの庄司輝秋監督が監督・脚本を手がけています。CM制作会社でコマーシャルの制作を務めてきた庄司輝秋監督は、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)2009に出品した短編映画『LINE』で高い評価を得た監督です。

『んで、全部、海さ流した。』は、監督の出身地でもある宮城県石巻市を舞台にしたロードムービー。高校を中退してバイトもすぐにクビになる弘恵は、なぜかデブでノロマな小学生・達利と出会い、仲良くなります。達利が背負う赤いランドセルが亡くなった妹のものだと知った弘恵は、達利を慰めるために“死んだ人と再会できる”海に行こうと誘うのですが…。孤独がゆえに周囲に毒を撒き散らし、さらにみんなから嫌われていくという弘恵の孤独を、韓英恵がサラリと好演。おデブな小学生、篠田涼也の名演にも注目してほしい一作です。
山村の家で暮らす老母の幸せとは? 佐藤貢三主演×中江和仁監督『パーマネント ランド』(ndjc2011)
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ndjc2011の一環として「パレード」の制作で作られた映画『パーマネント ランド』。1981年生まれの中江和仁監督が監督・脚本を手がけています。CMディレクターとして活躍する傍ら、自主映画の制作を行ってきた中江和仁監督は、バンクーバー国際映画祭やサンフランシスコ短編映画祭などで高い評価を得ています。「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015」に出品した『嘘を愛する女』が初代グランプリを受賞。長澤まさみ、高橋一生らを主演に迎えたこの作品は、2018年1月20日に全国東宝系にて劇場公開される予定となっています。

この作品『パーマネント ランド』で描かれているのは、山奥の山村で一人暮らしをする老人たちと、都会で暮らす若い子どもたちの姿です。村への道も崩落、唯一の交通手段のバスも廃止になるような寂れた山村に暮らす老人たちを、若者たちは移住させようと試みます。しかしその土地で生まれ育った老人たちは「ここでひっそり死んでいきたい」と望み、動こうとせず…。本当に老人たちのためになるのはどの選択なのか? 自分たちの利便性を安心を選ぶべきか、葛藤する息子の姿を静かに描いています。

この「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」を行っているVIPO(映像産業振興機構)は、日本の映像コンテンツ産業の発展や人材育成、制作支援などを行う機構です。このプロジェクトに参加できる監督とは、ある意味VIPOのお墨付き、将来の日本映画を担う人材として選ばれたタレント揃いと言えるでしょう。実際、中野量太監督松永大司監督など、このプロジェクトに参加した後で商業映画でヒット作を生み出す監督も現れています。(彼らがこのプロジェクトで作った短編映画も配信中です)
これからの日本映画界を背負う若き監督たちの才能がほとばしる「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の作品群、映画好きであればチェックしておいて損はありません!

Writer | 松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

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