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異色作『レディ・ガイ』公開記念、男性を演じる女優の映画4選

2018.01.05(Fri) | 清水久美子

演技力のある役者は様々な役柄に挑戦しますが、『ワイルド・スピード』シリーズで有名なミシェル・ロドリゲスは、1月6日公開の映画『レディ・ガイ』で驚きの演技を披露しています。それは屈強な男性が意に反して性転換手術を施され、女性になるという役柄への挑戦です。ミシェルは映画の冒頭で外見が男性の頃から自ら演じており、彼女の気合の入れ方に思わずうなりました。今回は、『レディ・ガイ』公開を記念して、男性の姿になり切った女優の映画(トランスジェンダーが主人公の作品以外)を4本紹介します。4作とも女優魂を感じますよ!

ミシェル・ロドリゲスが“ザ・男”を演じ切る!『レディ・ガイ』
レディ・ガイ
ミシェル・ロドリゲスが、シガニー・ウィーバー演じる狂気の女医によって、男から女に性転換手術をされてしまう主人公を熱演した衝撃作。

凄腕の殺し屋フランク・キッチン(ロドリゲス)は、マフィアに襲われて拉致されます。意識を失ったフランクが目覚めると、全身女性の姿になっていました。混乱するフランクのそばにはテープレコーダーが置かれており、性転換手術を施した医師レイチェル・ジェーン(ウィーバー)からのメッセージが。彼女はフランクを恨んでいて、手術は復讐を意味しているというのですが…。

映画の冒頭、ミシェルはヒゲのあるマッチョなフランクに扮し、手術後は女の姿になっても中身は男のフランクを、全裸になることもいとわず見事に演じ切っています。内面から男臭さが漂うようなフランクは、女性を口説くし、銃をぶっ放すし、まさに“ザ・男”。ミシェルの振り切った演技は称賛に値します。

◆『レディ・ガイ
配給:ギャガ・プラス
1月6日(土)、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
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ケイト・ブランシェットがボブ・ディランを完全再現『アイム・ノット・ゼア』
アイム・ノット・ゼア
6人の俳優が“生ける伝説” ボブ・ディランの様々な人格を投影したキャラクターを演じた音楽伝記映画。キャラクター名は違いますが、6人それぞれが「詩人」「無法者(アウトロー)」「映画スター」「革命家」「放浪者」「ロックスター」としてのディランを演じており、その中でケイト・ブランシェットはただ一人の女優として光を放っています。

「アルチュール・ランボー」と名乗る象徴派詩人(ベン・ウィショー)、「ウディ・ガスリー」という名の11歳の黒人少年(マーカス・カール・フランクリン)、社会派フォークを歌う新進シンガーソングライター「ジャック」とゴスペルを歌う教会の牧師「ジョン」(クリスチャン・ベイル)、フランス人女性と結婚したハリウッドスター「ロビー」(ヒース・レジャー)、華麗なるロックスター「ジュード」(ブランシェット)、そして西部開拓時代のアウトロー「ビリー」(リチャード・ギア)。名前も年齢も異なる6人のディランから、謎に包まれた“伝説のアーティスト”ボブ・ディランの実像が浮き彫りになっていきます。

ケイトは完全にディランになり切り、本人同士は似ても似つかないはずなのに、ディランに見えてくるので、彼女の凄さがうかがえます。ディランの「ロックスター」の一面はとてもクールで、彼に扮するイケメンなケイトを堪能できます。彼女がアカデミー賞にノミネートされたことにも納得です。
自然に男性に扮してオスカー女優に『危険な年』
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近年は海外ドラマ「NCIS:LA ~極秘潜入捜査班」での活躍で知られるベテラン女優のリンダ・ハントが、オーストラリア人と中国人の混血の小人の男性役を演じてアカデミー賞を受賞した映画。メル・ギブソンとシガニー・ウィーバーによるラブストーリーが描かれます。

1965年のインドネシア。右翼と左翼が対立するスカルノ政権末期。オーストラリアの放送局員ガイ・ハミルトン(ギブソン)は、特派員としてジャカルタに赴き、フリーのカメラマン、ビリー・クワン(ハント)と出会います。親しくなった二人が取材を成功させる中、クワンはハミルトンに英国大使館秘書のジル・ブライアント(ウィーバー)を紹介。彼女と惹かれ合っていくハミルトンでしたが…。

リンダが演じたクワンが強いインパクトを残す本作。舞台でのキャリアも積み、幅広い役柄を演じこなすことができるリンダは、無理なく男性を演じている印象です。映画そのものよりも、リンダの名演が高く評価されている一作です。
グレン・クローズがアルバート役で映画化を熱望『アルバート氏の人生』
アルバート氏の人生
名女優グレン・クローズが、「死ぬ前にこの役を大スクリーンで演じなければならない」と、映画化実現を“ライフワーク”として奮闘。製作・共同脚色・主演を務めた感動ドラマです。上記3作と異なり、厳密には男性を演じているのではないのですが、男として生きるしかなかった女性役で、グレンは誰が見ても男性として通る主人公に扮しています。

19世紀のアイルランド。ホテルでウェイターとして働くアルバート(クローズ)には、40年以上も誰にも話せなかった重大な秘密がありました。実はアルバートは女性で、ある悲しい過去によって、生きていくためには男性になりすますしかなかったという事実でした。ところが、ある日ホテルにやってきたハンサムなペンキ屋のヒューバート(ジャネット・マクティア)に女性だということがバレてしまいます。困り果てるアルバートでしたが、ヒューバートも女性だったのです…。

オフ・ブロードウェイの舞台「アルバート・ノッブス」でアルバートを演じたグレンが映画化を熱望し、30年以上にわたって夢を実現しようと邁進して完成した本作。グレン、そしてジャネットはアカデミー賞にノミネートされました。二人とも本当に秀逸な演技で、アルバートの切なさと、ヒューバートの逞しさを演じています。

歩き方や話し方、表情に至るまで細かく男性になり切って演じる女優たち。ハリウッドの有名な一流女優たちが演じる男性の姿は圧巻です!

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

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