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親の生き方から影響を受けたり何かを学んだりする映画5選

2018.01.17(Wed) | 清水久美子

親は良くも悪くも子どもに多大な影響を与えます。親の生き方を見て、尊敬したり、反面教師にしたりしながら、子どもは育っていきます。『人生はビギナーズ』で高い評価を受けたマイク・ミルズ監督は、同作で自身の父親を、『20センチュリー・ウーマン』では母親を題材にして映画を撮りました。今回は、この2作を含む、子どもから見た親について描いた映画を5本紹介します。

親しい若い女性たちに息子の教育を手伝わせる母『20センチュリー・ウーマン』
20センチュリーウーマン
マイク・ミルズが自身の母親をテーマに脚本・監督を務めた、母と息子の“ラブストーリー”と呼ぶべき作品。ミルズは本作でアカデミー賞・脚本賞にノミネートされました。

1979年、夏。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、息子のジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)が思春期を迎えるにあたって、部屋を貸しているパンクな写真家アビー(グレタ・ガーヴィグ)、そしてジェイミーの幼なじみのジュリー(エル・ファニング)に、息子の教育の協力を頼みます。ジェイミーはそんなことを思いつく母親に勝手だと反発しつつも、強烈な個性を持つドロシア、アビー、ジュリーと共に特別な夏を過ごすことに。

若い女性たちに息子の教育を手伝わせるユニークで自由奔放な母ドロシア。ジェイミーはやや反抗期気味ですが、アビーやジュリーから様々なことを学び、やがて一般的な母親とは違うドロシアに寄り添うようになります。ドロシアが思いついた教育方法を受けたジェイミーがちょっと羨ましくなったりもする素敵な映画です。
75歳の父からゲイだと告白された息子『人生はビギナーズ』
人生はビギナーズ
マイク・ミルズが「父の人生を通して自分の殻を破ること、誰かと共に生きることを最も表現したかった」と語る、ミルズ監督自身のプライベートストーリー。父親役を演じたクリストファー・プラマーは、アカデミー賞・助演男優賞を受賞しました。

母を亡くした後、オリヴァー(ユアン・マクレガー)は父ハル(プラマー)からゲイだとカミングアウトされます。ハルは厳格で古いタイプの人間でしたが、ゲイとして人生を楽しむようになり、若い恋人まで作って生き生きと暮らし始めます。ところが、癌を宣告されてしまい…。一方、38歳のオリヴァーはアナ(メラニー・ロラン)と出会い、惹かれ合っていきます。

恋愛関係を長続きさせることが苦手なオリヴァー。運命の相手と思えるアナという大切な存在を見つけますが、不器用な彼は自分の人生を前に進ませることに躊躇してしまいます。そんなオリヴァーが父の生き方に感化され、変わっていこうとする姿を、ユアン・マクレガーが繊細に演じています。全ての登場人物が愛おしくなる一作です。
身勝手な親の行動を見つめる6歳の女の子『メイジーの瞳』
メイジーの瞳
離婚した両親に振り回される6歳の女の子の視点から描く、心をギュッとつかまれる物語。

ロック歌手の母スザンナ(ジュリアン・ムーア)と美術商の父ビール(スティーヴ・クーガン)が不仲になり離婚したため、メイジー(オナタ・アプリール)は10日ごとに両親の家を行き来して暮らすことに。身勝手な両親は次第にそれぞれの再婚相手にメイジーの世話を押し付けるようになり、メイジーは新しい家族と一緒に過ごす時間が多くなるのですが…。

スザンナが再婚した心優しいバーテンダーのリンカーンを『ターザン:REBORN』のアレクサンダー・スカルスガルドが好演。メイジーと仲良くなり、一生懸命に世話をするリンカーンの存在が本作をより魅力的にしています。

仕事とはいえ、自分のことに忙しい親たちを見つめるメイジーの無垢な瞳。映画の最後で、6歳の彼女が選ぶ“答え”を知った時、子どもは小さくても親をしっかりと見ているんだなと実感します。
折り合いが良くなかった母の終活に直面する息子『母の身終い』
母の身終い
病に冒され余命が短いと告げられた母が尊厳死を希望していると知った息子。母の選択を受け止められず、葛藤する息子の心情を綴るヒューマンドラマ。

麻薬の密売で収監されたアラン(ヴァンサン・ランドン)は出所後、昔からあまりうまくいっていない母イヴェット(エレーヌ・ヴァンサン)の元に身を寄せるしかない状況に。折り目正しい生活を送る母と何かとぶつかってしまうアラン。そんな中、アランは死期が迫るイヴェットがスイスの施設で自分らしく人生を終えたいと手続きを進めていることを知るのですが…。

イヴェットの選択に納得できないアラン。でも、母の考えは変わることがないと知り、残り少ない時間を一緒に過ごすことに決めた彼は、母をしっかりと見つめ始めます。母イヴェットの決断を見守ることになった息子アランは、母の生き方から何を学ぶのか…? アランに感情移入しながら、親との関係を改めて見つめ直したくなる傑作映画です。
二人の母親に育てられた姉弟『キッズ・オールライト』
キッズ・オールライト オリジナルバージョン [DVD]
女性同士のカップルと、それぞれが同じ精子提供者から産んだ娘と息子という新しい家族の形を描き、ゴールデン・グローブ賞で作品賞と女優賞を獲得し、アカデミー賞4部門にノミネートされた秀作映画。

ニック(アネット・ベニング)とジュールス(ジュリアン・ムーア)は、娘ジョニ(ミア・ワシコウスカ)と息子レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)と4人で暮らしています。母二人と姉弟というユニークな家族構成ですが、楽しく愛情に満ちた生活でした。ところが、ジョニとレイザーは自分たちの医学上の父ポール(マーク・ラファロ)に興味を持ち、こっそり会いに行ってしまいます…。

オーガニックレストランを経営し、気ままな独身生活を満喫しているポールに新鮮さと親しみを感じていくジョニとレイザー。これまで二人の母親とうまくやってきた姉弟が父親を知ったことで、家族に生じる異変。かと言って、不穏な空気が漂うというわけではない本作は、むしろニックとジュールスのような親って素敵だなと思わせてくれる、現代ならではの家族の魅力が散りばめられた1本です。

様々な親の生き方から影響を受ける子どもたちを描く映画5本を紹介しました。今回紹介した作品を見ながら、自分はどんな影響を受けて育ったのだろうと振り返ってみるのもいいかもしれません。

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

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