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『ビッグ・シック』公開記念、異文化・異人種カップルの映画4選

2018.02.21(Wed) | 清水久美子

ルーツが違う国の人との結婚には、家族の反対があったり、宗教の問題があったりと、一筋縄ではいかないことが多々あります。運良くスムーズに事が運んだとしても、お互いの文化の違いに驚くことは必ずと言っていいほどあるものです。今回は、そういった異文化・異人種のカップルをテーマにした映画を4本紹介します。

異人種交際をすると親子の縁を切られる!?『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』
ビッグシック
人気海外ドラマ「シリコンバレー」で知られるパキスタン出身のコメディアン、クメイル・ナンジアニと、彼の妻エミリー・V・ゴードンが、彼ら自身の実話を基に共同で脚本を執筆。クメイルは本人の役を演じています。

パキスタンで生まれ、シカゴに移住したクメイル。彼の両親は、息子に弁護士になってほしいし、同郷の花嫁しか認めないと思っている中、クメイルはコメディアンを目指し、そして白人の大学院生エミリー(ゾーイ・カザン)と交際を始めます。でも、エミリーは二人の未来を真剣に考えていない様子のクメイルに心を痛め、二人は破局。そんな中、突然エミリーは原因不明の病で昏睡状態に。クメイルは病院でエミリーの両親に出会い、エミリーがどんなに大切な存在かに気づいていくのですが…。

クメイルの母は、息子が白人女性と付き合っているだけで親子の縁を切ると言い出すほど、パキスタン文化を大事にしています。母に逆らえないクメイルは嫌々ながらも見合いをし、その態度にエミリーは傷つきます。異文化・異人種の壁、さらにエミリーの病が立ちはだかる中、クメイルが彼女への愛を深めていく姿にグッとくる傑作映画です。

<アカデミー賞ノミネート!《脚本賞》>
◆『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ
2/23(金)TOHOシネマズ 日本橋ほか全国順次ロードショー
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4人の娘婿が全員違う人種で戸惑う両親『最高の花婿』
最高の花婿
フランス人の4姉妹が、アラブ人、ユダヤ人、中国人、そしてコートジボワール出身の黒人と結婚。5つの異人種による結婚を描いたファミリー・コメディ。

フランスのロワール地方に暮らすヴェルヌイユ夫妻は、娘たちが立て続けに外国人と結婚したため、頭を抱える日々を送っていました。なぜなら、様々な宗教や文化の違いから、家族が集まって食事をするだけで、細かい問題が巻き起こり、気遣いで疲れ果ててしまうからです。まだ独身の末娘だけは、同じカトリック教徒の男性と結婚してくれますようにと願うヴェルヌイユ夫妻。それが叶ったと喜んだのも束の間、相手はコートジボワール出身の黒人青年で、しかも彼の父親はフランス人嫌いでした…。

異人種による異文化の問題がてんこ盛り! でも、それを笑い飛ばしてしまう面白さの本作には、違いを受け入れれば、人生はより楽しくなるというメッセージが込められています。
異文化カップルによるドタバタ結婚式『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング [DVD]
ギリシャ系家族の独自の文化の中で育った女性が、非ギリシャ系の男性と交際し結婚する、カルチャーギャップが最高に面白いコメディ映画。主演のニア・ヴァルダロスの実体験を基に作られています。

ギリシャ系アメリカ人の30歳のトゥ-ラ(ヴァルダロス)は、内気な性格とイマイチな外見のせいか恋愛経験ゼロ。両親の経営する料理店を手伝うだけの日々を送っていましたが、店に現れたハンサムな男性イアン(ジョン・コーベット)に一目惚れし、自分磨きを始めます。そして、念願叶ってイアンと再会し、彼を射止めたトゥ-ラは、イアンとの結婚へと向かうのですが…。

トゥ-ラの両親は、娘はギリシャ人と結婚するのが当然と考えているため、そうではないイアンとの結婚には大騒動を避けられません。その上、トゥ-ラは大家族で、すごい人数の親戚が次から次へと登場し、ドタバタ・ウェディングが繰り広げられていきます。本作のプロデューサーにはトム・ハンクス&リタ・ウィルソン夫妻が名を連ねていますが、リタもギリシャ系なので、ニアの話に共感して製作にこぎ着けたんだとか。異文化を乗り越えて結婚するカップルを描いている本作を見れば、ハッピーになれること請け合いです。
異人種間の結婚を禁じる法律を変えた夫婦『ラビング 愛という名前のふたり』
ラビング 愛という名前のふたり
今からわずか60年前、1958年のアメリカで、肌の色が違うというだけで逮捕されたラビング夫妻。アメリカのいくつもの州で異人種間の結婚が禁じられていた頃、活動家ではない、ごく普通の労働者階級のラビング夫妻の訴えによって、1967年に法律が変わった実話を基にした感動作です。

白人のレンガ職人リチャード・ラビング(ジョエル・エドガートン)は、黒人女性のミルドレッド(ルース・ネッガ)と交際し、彼女の妊娠を機にプロポーズ。二人は深く愛し合っていました。地元のバージニア州で異人種間の結婚は法律で禁止されていたため、結婚が許されるワシントンDCで結婚許可証を取得。地元に新居を構えて暮らし始めたところ、夜中に突然現れた保安官に逮捕されてしまいます…。

愛し合う二人に離婚をする選択肢などなく、許可を求めて行動を起こします。前出の3作とは違い、ラビング夫妻にとって異人種・異文化の壁などは全くなく、二人を引き裂こうとする信じ難い法律が無理やり異人種カップルであることを意識させます。愛は異人種を超える尊いものだと実感できる作品です。

アメリカやフランスなど移民の多い国では、異人種結婚が多いのは当たり前ですが、古い考え方の親世代が固執する風習を打ち破るのは大変なんですね。ラビング夫妻の苦労のおかげで法律を変えることができたのですから、古い風習もどんどんなくなるといいなと思います。

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

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