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アメコミヒーローだけじゃない!演者として別の一面を見せる人気俳優たち

2018.04.27(Fri) | 上原礼子

世界的ヒット作を次々放つ、いわゆるアメコミ原作の実写化映画は、今や各国・各世代の人気俳優の宝庫。キャリアを盛り返したロバート・ダウニーJrを筆頭に、対テロ戦争のノンフィクション小説を映画化した『ホース・ソルジャー』に主演するクリス・ヘムズワース、『ジュラシック・ワールド』続編が控えるクリス・プラットなど、特にマーベル最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に出演する“ヒーロー”たちは他の作品でも大活躍。そんな彼らが、“ヒーロー”とはまた別の顔を見せる作品に着目しました。

『ホース・ソルジャー』クリス・ヘムズワースが騎馬隊に!
無題
オーストラリア出身のクリス・ヘムズワースは、『アベンジャーズ』シリーズや『マイティ・ソー』シリーズで北欧神話を基にした“雷の神”ソーを演じています。アベンジャーズ内で最強を争う屈強なヒーローの1人ですが、地球流のジョークが通じないなどユーモラスな言動も魅力。そんなソーを演じて人気を得た彼は“クリヘム”との愛称で親しまれています。

本作では、家族のために内勤を選んだもの、9.11を目の当たりにし、アフガニスタンの最前線部隊に志願するミッチ・ネルソン陸軍大尉を演じます。ミッチをはじめ12人の陸軍特殊部隊員(グリーンベレー)は地元の反タリバン勢力とともに、最新兵器を擁する敵勢5万人と戦わなければなりません。ミッション遂行に与えられた期間はわずか3週間。さらに険しい山岳地帯が戦場となるため、慣れない馬に乗っての戦いを強いられることに――。

これまで最先端の訓練を受けてきたグリーンベレーが、タリバンに対してまさか騎馬隊で戦うことになるとは! しかも、こうした特殊部隊の機密作戦が映画化されるのは極めてまれなことでもあり、戦闘シーンはまさにリアルな緊迫感に満ちています。『アルマゲドン』などド派手な映画はお手の物のジェリー・ブラッカイマーが製作、コソボ紛争を追った報道写真家でもあるデンマーク出身ニコライ・フルシー監督が臨場感たっぷりに彼らの決戦を映し出します。

クリヘムが演じるミッチ大尉は“実戦”は未経験ながら、恐れ知らず。意気揚々と現地入りしますが、状況は極めて不利。そんな中で戦争を実体験し、反タリバンの地元勢力であるドスタム将軍と信頼関係を築きあげ、友情を育んでいく点は見どころの1つ。カリスマ性があり、根拠のない自信家ぶりは、さすが“神”を演じているだけあって(!?)大変しっくりきます。そんな男が成長していく物語でもあるのです。

◆『ホース・ソルジャー』5月4日(金・祝)公開
(c)2018 BY HS FILM, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
『ラッシュ/プライドと友情』クリス・ヘムズワースが実在のF1レーサーに
ラッシュ
クリヘムは、やはりカリスマ性にあふれた人物がハマります。本作では、“長髪でセクシー”なF1レーサーのジェームス・ハントを演じます。ソー役でムキムキに鍛えていた体ではF1のコックピット内に収まらないため、15kgも減量したとか。しかし、この映画のクリヘムは、とにかくチャラい! 陽気で直情型のドライバーで、ゴシップ欄を騒がせるプレイボーイ、刹那的に生きている男です。

一方、「おじいちゃんみたいな走り」と言われてしまう冷静沈着で職人気質なレーサー、ニキ・ラウダを、グッバイ、レーニン!のドイツ人俳優ダニエル・ブリュールが演じています。2人ともF1全盛期といわれる1970年代に活躍した実在のレーサーであり、お互いを認め合う文字通りの好敵手でした。

実際の映像も交えたレースシーンは、まるでコースを一緒に走っているかのような迫力で、F1をよく知らないという方もたちまち引き込まれることでしょう。何より、性格も生き方も正反対な、2人の天才レーサーのプライドと命をかけた闘い、そして友情にはグッと胸が熱くなるはず。ちなみにブリュールも、マーベルの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に出演しています。
『gifted/ギフテッド』クリス・エヴァンスが数学の天才少女を育てる!?
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“キャプテン・アメリカ”を演じているクリス・エヴァンス(クリエヴァと呼ばれます)が、『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督と組み、ハートウォーミングな家族のドラマに出演しました。演じたのは、母を亡くした姪っ子メアリーと暮らす、叔父の独身男フランク。

ボートの修理で生計を立て、片目の愛猫フレッドや周囲の人々に支えられながらメアリーを育ててきましたが、実はメアリーには7歳で難解な方程式を解いてしまうほど、天性の数学の才能(=ギフテッド)があったのです。やがて、普通の小学校で“特別扱いせずに育てたい”フランクは“才能を存分に伸ばしてやりたい”祖母、つまり自身の母親と対立、裁判沙汰になることに。

キャプテン・アメリカという絶対的ヒーローを演じながらも、メアリーのために苦悩し、涙するフランクは、クリエヴァにとってかつてないほど等身大の男。また、メアリー役マッケナ・グレイスが「現代最高の子役」といわれる名演で涙を誘います。「子どもにとっての本当の幸せとは?」を考えさせてくれ、愛する者への思いやりや命の尊厳までも示してくれる良作です。
『ワン・ナイト』クリス・プラット、同窓会の一夜でハメ外しすぎ…
ワンナイト
『ジュラシック・ワールド』で凶暴なヴェロキラプトルの調教師を演じたクリス・プラット(クリプラ)は、マーベル作品『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの“スター・ロード”としても知られます。『アベンジャーズ』最新作には総勢20名以上のキャラクターが登場するそうですが、クリプラら『ガーディアンズ~』のメンバーも参戦します。

そのクリプラですが、上記2作で世界的にブレイクする以前は、“ぽっちゃりさん”俳優で有名でした。2011年製作の本作は、高校の同窓会で10年ぶりの再会を果たした男女の人間模様を描くロマンティックコメディで、チャニング・テイタムや(先日離婚した彼の元妻ジェナ・ディーワン)、『スター・ウォーズ』シリーズに出演する以前のオスカー・アイザックほか最旬俳優が目白押し。その中で、高校時代から体格がよく、いじめっ子だったカリーを演じています。

同窓会では、かつていじめていた人たちに酔っ払って絡み、傍若無人な態度をとりまくり。その姿は、ヒーローと呼ぶにはあまりにも情けなく、痛々しく…。そんなぽっちゃりなクリプラとともに、“歌ウマ”なオスカーもご堪能ください。
『毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』ロバート・ダウニーJr.が奇妙な隣人に
毛皮のエロス
シャーロック・ホームズやチャップリンを演じたり、抱腹絶倒コメディに出演したり、青年時代から多才ぶりを発揮してきたロバート・ダウニーJrは、言わずと知れた“アイアンマン”で完全復活。その波乱に満ちたキャリアも後押しし、ヒーローたちを牽引するリーダーとして圧倒的存在感を発揮します。

そんな彼が2006年に二コール・キッドマンと共演した本作は、伝説の女性写真家ダイアン・アーバスの人生を、セクレタリーの奇才スティーヴン・シャインバーグ監督が独自の解釈で、ポップかつ耽美な世界観で描いたフェティシズムに満ちたロマンス。ニコールが着用する青いドレスは「不思議の国のアリス」も彷彿とさせます。

アーバスは『シャイニング』でモチーフにされた“双子のポートレイト”の撮影者で、被写体の特異性で知られています。ダウニーが演じたのは、それまで良妻賢母であったニコール演じる主人公を開放し、写真家として覚醒させていく“多毛症”の隣人。目だけの演技で繊細な感情の移ろいを表現するとともに、今となっては貴重かもしれない、せつなく美しいラブシーンにも挑んでいます。

そのほか、ダウニーの作品としては『ジャッジ 裁かれる判事』や『路上のソリスト』といったヒューマンドラマもおすすめ。また、クリヘムは『白鯨との闘い』では“スパイダーマン”役のトム・ホランドと共演しており、はじまりのうたのマーク・ラファロやイミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のベネディクト・カンバーバッチも今やヒーロー。アベンジャーズではありませんが、R指定作品で大ヒットした『デッドプール』のライアン・レイノルズは、おふざけ完全封印の黄金のアデーレ 名画の帰還でイメージを改めさせてくれます。

こう見ていくと、もともとの実力やキャリアがあるからこそ、世界中の子どもから大人までも夢中にさせるヒーローを体現でき、“エンターテイメント”の中心人物となれるのかもしれませんね。

Writer | 上原礼子

情報誌・女性誌等の編集・ライターをへて、現在はWEBを中心にフリーに。1児の母。子ども、ネコ、英国俳優などが弱点。看護師専門誌で映画&DVDコーナーを14年担当し、医療や死生観などにも関心アリ。試写(映画館)忘備録を随時更新中。映画を通じて悲嘆を癒やす【映画でグリーフワーク】を試みています。

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