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家族ってやっぱりサイコー。家族に会いたくなる映画たち5選

2018.06.06(Wed) | 春錵かつら

この世に生まれて最初に出会うコミュニティで、なおかつもっとも親密な人間関係、「家族」。あまりにも当たり前すぎて、なかなかそのありがたさや影響力に気付かない存在だったりもします。一緒にいる時にはちょっと面倒だったり、煩わしくなったり。けれど一人暮らしを始めた時や誰かの親になった時、初めてその大切さに気付く人も多いはずです。
中には家族が好きではないという人もいるかもしれません。人の数だけ存在する、色々な家族の形。6月15日(金)から公開の『ワンダー君は太陽』も、普通の家庭とは少し違うけれど、家族の心強さを感じる素敵な一作。そこで今回は、『ワンダー君は太陽』を筆頭に、なんだかんだ言っても「家族ってやっぱりサイコー」と思えるような作品5作をピックアップしました。

『ワンダー 君は太陽』
ワンダー君は太陽
6月15日(金)から公開の本作は、2013年、グラフィックデザイナーの新人作家のデビュー作として話題となり、世界各国で800万部を突破した小説の映画化。
「トリーチャーコリンズ症候群」という顔が変形してしまう遺伝子疾患の病気で27回もの手術を受けた宇宙好きの10歳の少年オギー。これまでの自宅学習をやめて初めて学校に通い、人と違う容姿から心ないクラスメートのいじめに遭います。辛い現実。
社会生活を送る中で立ちはだかる壁や新たな発見、喜びや驚きを通しての彼の成長がこの映画では描かれています。子供は素直で残酷だけれど、本質を見抜く鋭い目も人を赦す寛容さもすでに備えていて、親も度々それを教えられるのです。
母親はジュリア・ロバーツ。父はオーウェン・ウィルソン、姉はイザベラ・ヴィドヴィッチが演じています。主人公を務めたのはルーム(2015)で注目を集めたジェイコブ・トレンブレイ。母親はやがて否応なしに自立しなければならない時が訪れる息子を想って通学を決め、父親は息子が遭遇するだろう辛い学校生活を思って通学に反対をします。
弟にかかりっきりの両親の姿に寂しさを抱えている手のかからないしっかり者の姉・ヴィアもまた、オギーのことを静かに見守っています。
辛ければいつも味方でいてくれる家族がいる。そう思えることが、外の世界で戦い続けるためにどれほど心強いことなのか。
楽しければそれを話せる家族がいる。そう知っていることが、外の世界の楽しいことをどれだけさらに楽しいものにしてくれるのか。
家族の愛がつまった、優しさの溢れる113分です。

◆『ワンダー 君は太陽
6月15日(金)公開
(C)2017 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.
『ヒップスター』
ヒップスター
口コミから日本でも異例のヒットを記録したショート・ターム(2013)のデスティン・ダニエル・クレットン監督によるデビュー作。
邦題となっている「ヒップスター」とは1990年代から使用され始め、2000年から2010年代にかけて存在感をましてきた言葉。アートや音楽、ファッションなどもビンテージやインディーカルチャーを好む「流行に敏感な若者」を指します。日本なら「意識高い系のオシャレオタク」といった感じでしょうか。
原題は『I AM NOT A HIPSTER』と、邦題とは真逆の意味合いとなっています。
物語は、無気力で虚しい日々を送る地元では有名な若きシンガーソングライター、ブルックが、自分と向き合っていく姿を描いています。
ある日、ブルックの元へ愛すべき3人の妹と確執のある父親が、母親の遺骨を海に撒くために訪ねてきます。母親の死を受け入れられないままのブルックは、そこで今は辛いものとなってしまった過去の愛しい思い出の数々を見つめ直すことになります。寄り添うのは同じ悲しみを抱える家族。
一見、冷めた瞳の“ヒップスター”な彼ですが、その佇まいの奥にあるのは「自分だけが孤独で辛く寂しい」という子供のまま成長を止めてしまった自分。
邦題は周囲の人間や私たち観客が見た“彼”のことを、そして原題は自分に向き合えた後の彼の心情がよく表れたタイトルだと思います。
『WISH I WAS HERE/僕らのいる場所』
WISH I WAS HERE/僕らのいる場所
『スパークリング・デイズ(2014)』などの俳優ザック・ブラフが監督・脚本・主演を務めた本作。
35歳で妻子持ちのまったく売れない俳優・エイダン。妻が働いて家族の生活を支え、エイダンの父が孫に当たる子供たちの私立学校の授業料を援助しています。
ある日、その父がガンの再発で授業料が払えなくなってしまい、子供たちは私立学校をやめて自宅学習をすることに。エイダンには、トレーラーハウスで暮らす引きこもりの弟・ノアがいるのですが、ノアは父親に失望されていると思っていて、エイダン自身もまた、自分より弟の方が父親に愛されていると思っている。そして肝心の父親も息子たちに対面する度に憎まれ口ばかり。不器用な男たちが紡ぐ家族の物語です。
現実に立ち向かうことが怖い、外見だけ大人の二人の息子たちを支えるのは、女たち、妻と長女。
良妻を演じたのはケイト・ハドソン。ひたむきな長女をジョーイ・キングが好演しています。
タイトルとなっている「WISH I WAS HERE」は「わたしがここにいたらいいのに」。つまりここに“私”はいないのです。
それは果たして母の願いなのか父の願いなのか。
順番に行けば親は子供より先に旅立ちます。親は子供の幸せを願い、子供はいつだって親に褒められたい。静かに沁み入る、家族の絆。
『天才スピヴェット』
天才スピヴェット
本作は『アメリ(2001)』のジャン=ピエール・ジュネが監督・脚本・製作総指揮を務めた天才少年が主役のロードムービー。
モンタナの牧場で暮らす10歳のスピヴェット。父親は正真正銘のカウボーイ、母親は昆虫博士、女優志望のワナビーな姉、という一風変わった家族たち。スピヴェットの双子の弟・レイトンは事故で他界しています。
6ヶ国語を話し、ディスカバリー誌に論文が掲載されるほどのスピヴェットの才能は、保守的な田舎暮らしのその生活環境や日常に潰されそうになっています。しかしそんな中、スピヴェットが発明した永久運動機関である磁気車輪が、アメリカの権威ある研究機関・スミソニアン学術協会から、最も優れた発明に贈られるベアード賞を受賞したという知らせが届きます。ワシントンDCで開かれる授賞式に出席するために彼はひとりで旅に出ます。
家族は“レイトンの死”という共通の心の穴を抱えていますが、あまりにも特異な個性の集まりであるがゆえ、自分のことに精いっぱいで、分かり合うのではなく折り合うことでしかひとつ屋根の下で暮らすことが出来ません。
スピヴェットは言います。「水滴がすばらしいのは、最も抵抗の少ない経路をたどること。人間はまったくもってその逆だ」
スピヴェットとその家族も例に漏れず、たくさんの遠回りを経てやっと心から向かい合うのです。「家族」という名の“永久運動機関”を築くために。
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
LIONライオン
幼少期にインドで迷子になり、オーストラリアで育った男性がGoogle Earthで自分の故郷を見つけ出す実話を基に製作された本作。
インドのスラムで貧しい生活を送る5歳のサルーは、兄と稼ぎに出掛けた最中に停車していた電車で眠り込んでしまい、遠くの見知らぬ土地へと運ばれてしまいます。努力の甲斐も虚しく家に帰ることは叶わず、そのまま彼はオーストラリアのある夫婦の元へと養子に出されます。そして25年後。生き別れた母や兄の記憶に苦しむサルーは、故郷を探し始めます。
恵まれた環境や養父母に罪悪感を抱きながらも過去への想いを断ち切ることが出来ない苦悩が本作では描かれています。
主人公サルーの大人時代を演じたのはスラムドッグ$ミリオネア(2008)で主役を務めたデヴ・パテル。養父母をニコール・キッドマンとデビッド・ウェナムが演じています。
迷子や事故や親や施設の虐待、人身売買、インドでは毎年8万人の子供たちが行方不明になるといいます。それを考えるとオーストラリアの恵まれた家庭に養子に行くことはものすごい幸運。ですが貧しい子供時代のサルーの方が生き生きとエネルギーに満ちていて、裕福な恵まれた暮らしを送る養子になってからの彼は、虚しく幸せそうに見えないのです。
タイトルの「LION」の意味がわかった時、再び感じる親の愛。自分のルーツを探す旅は、二人の母親の愛を再認識する旅でした。

普通なら仲たがいをしたらそのままお別れになってしまうけれど、どんなに衝突しようともそうそう途切れない関係が「家族」という存在。もちろんだからこそ厄介だったりすることもあるでしょう。
けれど人生につまづいた時、孤独に打ちひしがれた時、迷う時、へこたれそうな時。損得の勘定ナシに心配してくれたり背中を押してくれる、唯一の味方「家族」という存在。それは家族全員かもしれないし、全員じゃないかもしれない。おじいちゃんかもしれない、両親かもしれない。姉かもしれないし、弟かもしれない。はたまた娘や息子かもしれない。
心を温めてくれるそんな存在を思い出したら、電話をしましょう。メールを出しましょう。手紙を書きましょう。会いに行きましょう。

大切な家族に、愛を伝えましょう。

Writer | 春錵かつら

映画を主軸にムックや月刊誌、WEBで活動中のフリーライター。 CMのデータ会社にて年間15,000本を超えるCMの編集業務に携わる傍ら、映画のTVCMのコラムを某有名メールマガジンにて連載。 フリーに転身後、大手コンピュータ会社の映画コンテンツのディレクターを務める。料理本、漫画/映画解説本、ペット関連、ビジネス本など、 幅広いジャンルで執筆中。著書に「絶対に見逃すな! 犬の症状これだけは!」など。

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