ホーム > 劇場未公開作も!心揺さぶるストップモーション・アニメ5選

劇場未公開作も!心揺さぶるストップモーション・アニメ5選

2018.07.05(Thu) | 清水久美子

1コマずつ動かして撮影する、気が遠くなるほどの大変な作業によって作られるストップモーション・アニメーション。その素晴らしい作品の数々は、心を揺さぶる魅力にあふれた映画ばかり。今回は、最新作『アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~』など5本のお薦めストップモーション・アニメを紹介します。

エディ・レッドメインの声の演技が最高!『アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~』
アーリーマンposter
『ウォレスとグルミット』『ひつじのショーン』等で知られる、4度のアカデミー賞受賞歴を持つアードマン・アニメーションズによる新作ストップモーション・アニメーション。エディ・レッドメインやトム・ヒドルストンらがボイスキャストを務め、原始人(アーリーマン)がサッカーの楽しさに目覚めていく様子が描かれます。

太古の昔、原始部族の少年ダグたちは小さな谷間で平和に暮らしていましたが、ブロンズ・エイジ・シティの暴君ヌース卿が谷で採れる青銅を奪うために軍隊を引き連れて侵攻し、ダグたちは故郷を追われてしまいます。ブロンズ・エイジ・シティでサッカーが崇拝されていることを知ったダグは、故郷を取り戻すことをかけて、仲間とサッカーの試合に挑むのですが…。

“原始人×サッカー”というテーマが斬新な、子供から大人までワクワクしながら楽しめるストップモーション・アニメが誕生。アードマンならではの愉快でユニークな作品です。

◆『アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~
配給:キノフィルムズ
2018年7月6日 TOHOシネマズ 上野ほか全国ロードショー
© 2017 Studiocanal S.A.S. and the British Film Institute. All Rights Reserved.
大迫力のアクションシーン『ボックストロール』
ボックストロール
『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』『コララインとボタンの魔女』を送り出した、ハイクオリティーなストップモーション・アニメーション作品で知られるスタジオライカによる、日本劇場未公開作。箱に入ったトロールたちと人間の少年の冒険ファンタジー。大ヒット海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のアイザック・ヘンプステッド=ライトが主人公の声を務めているほか、エル・ファニング、ベン・キングズレーといった豪華ボイスキャスト陣も出演。

子供を襲って食べるという恐ろしいモンスター“ボックストロール”。でも、それは全くのデマで、本当はガラクタを集めて発明に勤しむ心優しいトロールたちでした。彼らの中で育った人間の子供エッグスは、悪徳害虫駆除業者のスナッチャーに親代わりのトロールたちを捕獲されてしまいます。大切な家族を取り戻すために、エッグスは勝気な少女ウィニーと共にスナッチャー率いる駆除軍団に立ち向かいます。

自分もボックストロールだと信じているエッグスが、ウィニーから人間世界について教えられる場面が傑作。ストップモーション・アニメながら、アクションシーンは大迫力です。
キャラクターの表情が秀逸『メアリー&マックス』
メアリー&マックス
コミュニケーションの難しさ、人生の生きづらさなど、ストップモーション・クレイ・アニメ作品の中に非常に考えさせられるテーマを織り込んだ感動作。『ハーヴィー・クランペット』でアカデミー賞・短編アニメーション部門に輝いたアダム・エリオット監督による初の長編作品で、監督の実体験に基づいて製作されました。フィリップ・シーモア・ホフマン、トニ・コレットらが声の出演をしています。

オーストラリアで暮らす8歳の少女メアリーと、アメリカ・ニューヨーク在住の44歳の肥満体の中年男性マックスとの、大陸を越えた20年以上に渡る文通が描かれます。2人とも友達がおらず、悩みを抱えていて、知らぬ間に相手を傷つけてしまったりするのですが、お互い唯一の友として友情を深めていきます。ダークで重い展開もあり、大人向けアニメ作品だと感じました。

アヌシー国際アニメーション映画祭・最優秀長編映画賞をはじめ、各国のアニメ映画賞を受賞した本作は、メアリーとマックスの小刻みに震える表情などクオリティーが高く、モノクロ映像の中にほんのりと入ってくるカラーが特別な意味をもたらす時、心震える感動を覚えます。
エンターテインメント超大作と呼びたい!『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』
KUBO
日本を舞台に息を飲む美しさで情感あふれる数々のシーンが描かれる、アニー賞、英国アカデミー賞など多くの賞に輝いた、スタジオライカが贈るストップモーション・アニメーション。シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、レイフ・ファインズ、ルーニー・マーラといった有名俳優たちがボイスキャストを務めています。クボ役は「ゲーム・オブ・スローンズ」のアート・パーキンソン。

不思議な力を持つ少年クボは、三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操ることができます。片目を奪われ、両親を失ったクボは、闇の刺客に追われながら、父母の仇を討つ準備を進めますが、最愛の母がかつて犯した悲しい罪が原因で、自分が執拗に狙われていると知ります…。

アニメ作品というカテゴリーに収まらないくらいの、圧巻のストップモーション絵巻は、まさに“エンターテインメント超大作”という印象。日本を描いていることがなんとも誇らしく、何度でも観たくなります。
ダークファンタジーもお手の物『コララインとボタンの魔女』
コラライン
ストップモーション・アニメの世界最高技術を誇るスタジオライカの長編第1弾作品。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督による、子供も楽しめるダークさが魅力のファンタジー。ヒロインのコララインの声を演じているのはダコタ・ファニング。

11歳の女の子コララインは、オレゴン州に引っ越してきたばかりで友達がいないのに、仕事に忙しい両親はちっとも構ってくれず、退屈な毎日を送っています。そんなある日、コララインは驚くべき“もう一つの世界”を発見。そこではサーカスやミュージカルのショーが開催され、コララインにとって夢のように楽しい場所でした。その世界にいるのは、コララインをかわいがってくれる優しい両親。でも、奇妙なことに彼らの目はボタンでした…。

かわいらしい描写の中に、不気味でこわ~い要素が入ってくるのがたまらないのですが、それがストップモーション・アニメで作られていることに感動せずにはいられません。

劇場未公開の『ボックストロール』のエンドロールでは、スタッフの製作の苦労をキャラクターと共に描いているシーンがあり、思わず頭が下がります。いつも素敵な作品で楽しませてくれるストップモーション・アニメのスタッフには感謝の気持ちでいっぱいです。この機会に、ぜひストップモーション・アニメの世界に浸ってみてください!

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA