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オペラからオンチまで!? 映画で輝く歌姫たちの美声に酔う!

2018.12.12(Wed) | 斎藤香

音楽界には歌姫と呼ばれる女性歌手がいる。それはまさに選ばれし者。彼女たちは美声だけでなく、その生き方でも人々の心をとらえて離しません。そんな「永遠の歌姫」と呼ばれる女性歌手の世界を描いた作品をピックアップしました。

世紀の歌姫マリア・カラスが生き様をすべて見せる『私は、マリア・カラス』
私は、マリア・カラス
1977年53歳の若さで逝ってしまったオペラ界の大スター、マリア・カラス。プライベートで撮影されたSuper8㎜FILMや手紙など、この映画のために初めて公開されたマリア・カラスの私生活。少女時代から、歌手として羽ばたくまでの歴史、恋愛スキャンダルも含めた映像は「よくここまで集めた!」と、驚くほどです。

トム・ヴォルフ監督は3年かけてマリアをよく知る人を取材し、映像、音源、資料を集めました。それらの資料を駆使して、マリア・カラスという女性を現代に映し出したのです。カメラに向かって親しげに話しかける姿はかわいらしく、長年の恋人だったオナシスのことを語るときの熱く、これ以上ないほど愛していたことがヒシヒシと伝わってきて泣けてくるほどです。情の深さが豊かな歌声の秘密かもしれないとさえ思いました。

プライベート映像なのに、映画のワンシーンのように見えるほどドラマチックな人生を歩んだマリア・カラス。映画では彼女の歌唱も大いに楽しめます。

◆映画『私は、マリア・カラス
12/21(金)ロードショー
(C)2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema
愛すべきオンチ歌手のおかしくて切ない人生『マダム・フローレンス!夢見るふたり』
マダム・フローレンス!夢見るふたり
実在する自称・歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンス。彼女と夫の愛情物語もからめて、音楽愛と夫婦愛をコミカルに描いた一風変わった歌姫ストーリーです。

夫(ヒュー・グラント)のサポートを得て、仲間内で小さなリサイタルを開いていた歌手志望のフローレンス(メリル・ストリープ)。でも実はオンチな彼女。自分のオンチに気づかない彼女は、大胆にもカーネギーホールでのコンサートを実現させようとするのです!

自分に音楽的才能があり、周囲からも支持されていると思い込んでいるフローレンスですが、それは夫がそのように周囲をコントロールしていたからです。いつバレるのかとヒヤヒヤしつつ、夫を全面的に頼る彼女と妻を献身的に支える夫の愛情物語に心が熱くなる本作。同じ人物を題材にしたフランス映画『偉大なるマルグリット』と見比べてみるのもいいかも!
キーラ・ナイトレイの歌声がNYに響く『はじまりのうた』
はじまりのうた
恋人に裏切られたミュージシャンが落ちぶれた音楽プロデューサーと出会い、人生の再スタートを切るさわやかなヒューマンストーリー。『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督作です。

恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と一緒に作った歌が映画主題歌に抜擢されたグレタ(キーラ・ナイトレイ)。二人でNYにやってきますが、彼の浮気をきっかけに別れることに。しかし、落ちぶれた音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)と出会い、彼女の人生は一変。意気投合した二人は、NYで街中レコーディンをスタートさせるのです。

この映画で披露されるキーラ・ナイトレイの歌声が素晴らしい! 彼女のささやきボイスがとてもかわいいんです。ファッションも含めてセンスの良さがすごく伝わり、キーラの新たな魅力に出会えます。街中レコーディングのハッピーな雰囲気など、さわやかでお洒落で音楽の楽しさがつまった歌姫映画です。
カントリーミュージック界のプリンセス『テイラー・スウィフト アメリカン・スウィートハート』
テイラースイフト
テイラー・スウィフトの生い立ちをひも解きながら、彼女をよく知るエンタティメント関係者がその魅力を語るというドキュメンタリー映画です。

2006年のデビュー以来、ティーンを中心に人気に火が付き、グラミー賞受賞という栄光も手に入れたテイラー。歌手を目指したときから積極的に自分を売り込み、家族を巻き込んで都会に引っ越し、チャンスを自らの手でつかんだのです。そんな彼女の少女時代から成功に至るまでの軌跡とその魅力を、エンタメ界のジャーナリストや音楽評論家が語ります。

テイラー・スウィフトのファンは知っている事柄かもしれませんが、テイラーのファン初心者や彼女がなぜ人気があるのか「?」という人には、歌姫のサクセスストーリーとしてちょうどいい内容で、人気の秘密がよくわかります。テイラーのライブも見られますし、歌唱も堪能できますよ。
ナタリー・デゼイの圧倒的歌唱力!オペラドキュメンタリーの決定版!『椿姫ができるまで』
椿姫ができるまで
フランスのオペラ歌手ナタリー・デセイがジャン・フランソワ・シヴァディエが演出するヴェルディの傑作オペラ「椿姫」に出演。その舞台が上演されるまでを追い続けたオペラ・ドキュメンタリー。

舞台は稽古場から始まります。練習着姿の出演者たちが、物語の解釈、デュエットやコーラスの確認をしたのち、ピアノ伴奏に合わせて歌唱が入っていくます。舞台装置も衣装もまだ何も決まっていない状態から、シヴァディエはじめスタッフは、出演者、オーケストラ、衣装、舞台装置を決めていくのです。ナタリー含め、全員、ブラッシュアップしていくプロセスがすごいです。さすが一流は違う! そして稽古のときからナタリーの歌声が圧巻です。天才歌姫と言われる実力をぜひ映画を通して感じてほしい。

インタビューや回想などなく、稽古スタートから上演直前までを映し出し、フィリップ・ベジア監督のオペラへの敬意を感じる一作です。

映画女優の歌唱からカントリー歌手、オペラ歌手まで、さまざまなタイプの歌姫映画を紹介してみました。いずれの作品でも素晴らしい歌声を聴くことができます。映画をきっかけにオペラに目覚める!なんてこともあるかもしれませんよ。

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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