ホーム > 見逃せない!2018年を代表するミニシアター映画の名作たち[前編]

見逃せない!2018年を代表するミニシアター映画の名作たち[前編]

2018.12.19(Wed) | 松村知恵美

いよいよ2018年も終わり。平成最後の年末年始がやってきます。
この2018年も、数多くの映画が公開されました。ミニシアターで上映されるインディペンデント映画にも、見逃せない映画が多くありました。

映画館の再編もさらに進んできた2018年、ミニシアターの数は減り、シネコンなどの大型映画館が増えてきています。しかし、シネコンなどが増えたおかげで、ミニシアターをメイン館とするインディペンデント系作品が映画館で上映される機会は、むしろ増えてきているようです。

とはいえ、たくさんの映画が上映されていると、見逃してしまった作品がどうしても出てくるもの…。年末年始のお休み中に、見逃してしまったミニシアター系の名作映画を、ぜひチェックしてみませんか?

今回から2回にわたり、2018年上半期にミニシアターランキングで上位に入った作品を紹介していきます。2018年を代表するミニシアター作品の数々、ぜひご堪能あれ!

★青山シアター《全作品ポイント50倍》キャンペーン中!
期間限定:2018/12/22(土)~2019/1/6(日)

※各作品画像クリックで、作品の詳細をご確認いただけます。

王を讃えよ!神話的パワーを持った古の王の戦いを描く大作インド映画『バーフバリ2 王の凱旋』
バーフバリ2
古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」からインスピレーションを受けて製作され、インドはもとよりアメリカや日本でも大ヒットとなった映画バーフバリ 伝説誕生。『バーフバリ2 王の凱旋』はこの作品のの続編であり、完結編でもある一作です。
自分の父親が伝説的英雄バーフバリであると知った青年が、父の人生を知り、宿敵に戦いを挑む姿をスペクタクルたっぷりに描くこの作品、観た者が皆マヒシュマティ王国の国民と化し、王を讃えて「バーフバリ!バーフバリ!」と叫んでしまうという不思議な力を持っています。時間的余裕のある年末年始、同時に配信されているバーフバリ 伝説誕生バーフバリ2 王の凱旋を観て、マヒシュマティ王国の国民となってみませんか?
パキスタン系コメディアンの身に起きたハードでロマンティックな実話を描く『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』
ビッグシック
パキスタン出身でコメディアンをしているクメイルと、謎の病気で昏睡状態に陥ってしまった彼の恋人のアメリカ人女性・エミリー。二人の間に横たわる数々の障害と、その障害をユーモアを持って乗り越えていく姿を描き、アメリカで大ヒットした本作。
古くからのしきたりを大切にする両親とアメリカで育った若いイスラム教徒の間に起こる家族観や宗教をめぐる葛藤など、描かれているのは現代のアメリカに暮らすイスラム教徒の多くが抱えている問題。宗教問題、移民問題、ジェネレーションギャップからくる難題を主人公のクメイルが不器用ながらも懸命に乗り越えていく姿が、多くの人に共感を呼んだのかもしれません。実はこの物語、主演俳優であるクメイル・ナンジアニと彼の妻の間に起こったという実話を元にしているそう。現代のアメリカが抱える問題を見事にロマンティック・コメディに昇華してみせたこの作品、新年に観るのにふさわしい、清々しい一作です。
同じ場所でぐるぐる回り続ける観覧車。ケイト・ウィンスレットの演技が光る『女と男の観覧車』
女と男の観覧車
華やかではあるけれど、実は安っぽく子どもだましである、遊園地。本作はそんな1950年代のNY・コニーアイランドを舞台にしたウッディ・アレン監督作。昔は女優をしていたけれど、今は冴えない再婚相手のハンプティと共に観覧車の見える部屋で暮らす40代のウェイトレス、ジニーをケイト・ウィンスレットが演じています。
ジニーはジャスティン・ティンバーレイク演じる若き劇作家・ミッキーとの恋に新たな将来を夢見るけれど、ミッキーは若いキャロライナに心を奪われてしまい…。夢と現実の落差、過去への後悔と葛藤などを感じながらもがくジニーを、ケイト・ウィンスレットが熱演。カラフルでありながらもどこか詩情を感じさせる映像とあいまって、1950年代のアメリカの大女優のような雰囲気を感じさせてくれます。派手さはないけれど、どこか心に響く、見応えのある一作です。
マーク・ウェブらしさ全開、サイモン&ガーファンクルの名曲に彩られた青春映画『さよなら、僕のマンハッタン』
さよなら、僕のマンハッタン
映画デビュー作『(500)日のサマー』で恋に右往左往しながら成長していく青年を描き、一気に注目を浴びた映画監督、マーク・ウェブ。本作『さよなら、僕のマンハッタン』は、このマーク・ウェブ監督が再び描く、青年の成長物語です。
主人公のトーマスが経験するのは、NYのアッパーイーストサイドに暮らす両親とのちょっとした不仲、恋する女の子とのうまくいかない関係、不思議な隣人との出会いと彼からのアドバイス、そして父親の不倫相手の女性との情熱的な関係…。まだ自分が何者で何をしたいのかをつかめていない青年が、さまざまなことを経験して大人になっていく展開は、まさにマーク・ウェブ監督の真骨頂と言ったところ。使われている音楽や登場するロケ地などにも物語を読み解くヒントが隠されているので、ついつい深読みしたくなる、監督のこだわりがたっぷり詰まった作品と言えるでしょう。
夫と我が子を殺したネオナチに対し、女はどう対峙するのか?ダイアン・クルーガー主演『女は二度決断する』
女は二度決断する
2017年の第70回カンヌ国際映画祭で、ダイアン・クルーガーに主演女優賞をもたらした映画『女は二度決断する』。第75回ゴールデン・グローブ賞でも外国語映画賞を受賞しています。
ダイアンが演じるのは、テロにより夫と息子を殺された一人の女性。本作の背景にあるのは、ドイツの移民問題と在住外国人迫害問題です。実際にドイツでは、極右思考を持つネオナチの若者が在住外国人を対象に連続テロ事件を起こしており、この物語はその事件をヒントに描かれています。本作の監督であるファティ・アキンは、ドイツ生まれではあるものの、両親はトルコ移民。これまでの作品のテーマにも、彼の出自は大きく影響を与えています。日本でも移民問題が話題となっている今だからこそ観ておきたい、ある家族の物語です。

しっかりしたマーケティングとコンセプトの上に全世界公開を目して作られているメジャー系ハリウッド映画と違い、監督やプロデューサーの持つテーマや、彼らの想いを全開で表現しているミニシアター映画たち。ここで取り上げた映画にも、インド、アメリカ、ドイツ、それぞれの国が抱える問題や歴史が、それぞれの表現方法でぎゅっと詰まっています。

みんな違ってみんないい、一言では伝えきれない面白さがあるのがミニシアター映画なのです。年末年始、時間のある時だからこそ、これらのミニシアター作品を観てみてください。その製作国、そして世界の今が見えてくるかもしれません。

見逃せない!2018年を代表するミニシアター映画の名作たち[後編]

Writer | 松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA