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見逃せない!2018年を代表するミニシアター映画の名作たち[後編]

2018.12.26(Wed) | 松村知恵美

2018年上半期を盛り上げたミニシアター作品特集第二弾となる本稿。前回は海外の映画を中心にご紹介しましたが、今回は6作品の日本映画を紹介します。

今年の日本映画界では、自主映画作品が大きな存在感を示しました。自主作品だからこそ、低予算ながらも監督の思いや情熱をストレートに表現することができ、新たな試みにチャレンジすることが可能となったのです。

若手監督の情熱のこもったこれらの作品、ぜひ年末年始に一気見してみてください。

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期間限定:2018/12/22(土)~2019/1/6(日)

※各作品画像クリックで、作品の詳細をご確認いただけます。

日本の映画史に新たな功績を刻んだ『カメラを止めるな!』を見逃すな!
カメラを止めるな
2018年の日本映画界を代表する作品は何かと聞かれれば、まず間違いなくこの作品の名前があがるであろうと思われる、映画『カメラを止めるな!』。6月23日に新宿K’s Cinema、池袋シネマ・ロサというわずか2館から始まった上映が、観客の口コミやSNSなどで瞬く間に評判が広がり、2018年12月時点で観客動員数222万人を突破し、353館31億円の興行収入を記録した超話題作です。
「ゾンビもので、生中継で、ワンカット」という劇中のセリフが、コンセプトを明確に語っているこの作品。37分ワンカットで映画を撮影するという、上田慎一郎監督率いるスタッフ&キャスト陣のチャレンジが、日本中を感染させました。彼らのチャレンジと、そのチャレンジが巻き起こした奇跡を、ぜひこの目でご覧ください!

上田慎一郎監督作品 一挙6作品配信!『テイク8』無料配信中
『カメ止め』上田慎一郎監督の長編デビュー作『お米とおっぱい。』も見逃せない!
お米とおっぱい
『カメラを止めるな!』を観た人に、ぜひ観ていただきたいのが、この映画『お米とおっぱい。』です。2011年に上田慎一郎監督が自主製作した長編映画デビュー作の配信が開始されました。
この作品のテーマは、「おっぱいとお米のどちらかがこの世からなくなるとしたら、どちらを残すか?」。この壮大なテーマを前に、5人の男たちが延々と議論を繰り広げます。彼らの議論には答えは出るのか? 自分だったらどちらを残すか? 舞台はほぼ会議室のみ、参加者たちがひたすら会話を積み重ねていくというこの作品、撮影前になんと2、3カ月に及ぶリハーサルを積み重ねたそう。6分間のワンカット長回しシーンなど、上田監督らしいチャレンジ精神あふれる一作です。
齊藤工の監督デビュー作『blank13』、シネフィルらしい凝った演出がキラリと光る一作
blank13
2月3日に公開された『blank13』は、齊藤工の映画監督デビュー作。俳優・斎藤工として出演も果たしています。彼が初監督作品で描いたのは、13年前に借金を残して家出をした父親と息子の再会の物語。父親を嫌いになりきれない次男を高橋一生が、憎みきれないダメ親父をリリー・フランキーが演じています。
「葬式では人生の価値が分かる」という寂れた葬儀場で長男が発したセリフが後で効いてくるという構成の妙も素晴らしく、初監督作とは思えない凝った演出にも脱帽してしまいます。佐藤二朗、松岡茉優ら、豪華な脇役陣の好演も素晴らしい、じっくりと味わいたい小品と言えるでしょう。
映画全編ワンカット撮影!若手俳優たちの情熱が74分に結実した『アイスと雨音』
アイスと雨音
3月3日に公開された『アイスと雨音』は、森田想、田中偉登ら10代の若手俳優たちの情熱と、松井大悟監督のチャレンジ精神が詰まった意欲作です。ある演劇作品への出演が決まり稽古に励んでいた俳優たちが、公演が中止となることを知り、ゲリラ的に公演を実行しようともがく姿を74分ワンカットで描いています。
これは演劇なのか映画なのか、ドラマなのかドキュメンタリーなのか…。そのすべてでありどれでもない、実験的な新しい映画と言えるでしょう。まったく新しい映像表現手段の誕生を、青山シアターで見届けてください。
波乱万丈な男のスキャンダラスな人生に驚嘆!『素敵なダイナマイトスキャンダル』
素敵なダイナマイトスキャンダル
3月17日に公開された『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、過激な雑誌を次々と世に送り出してきた編集者・末井昭の自伝を冨永昌敬監督が映画化した作品。デザインとエロに情熱を燃やす主人公の昭を、柄本佑が飄々と演じています。
実母が若い男とダイナマイト爆発心中、キャバレーや風俗店で情念たっぷりの広告制作、次々とエロ雑誌を立ち上げ、次々に発禁処分に…。“事実は小説より奇なり”を地でいくような彼の人生は、まさにダイナマイト級の波乱万丈さ。昭和の時代にアンダーグラウンドなエロ業界で生きた男の強烈な人生に、驚嘆を禁じ得ません。
凄惨で激烈なトラウマ必至の青春映画『ミスミソウ』。美少女に何が起こったか…?
ミスミソウ
4月7日に公開された『ミスミソウ』は、山田杏奈と大谷凜香という二人の美少女が、雪の中で血まみれの戦いを繰り広げるトラウマ系ホラー。映画『先生を流産させる会』で世間を驚かせた内藤瑛亮が監督を務めています。
真っ白い雪と鮮やかな赤い血のコントラストが凄惨ながらも美しく、不思議な引力を感じさせるこの作品。原作は「ハイスコアガール」などでも知られる押切蓮介が手がけた精神破壊(メンチサイド)ホラー漫画。都会から田舎の中学校に転校した女の子が、イジメが原因で家に火をつけられて家族を焼き殺されてしまったことから、狂気の復讐を決意します。閉塞した田舎の環境で鬱屈した中学生たちの心理ドラマとしても味わい深い一作。

偶然ながらも、今回この特集で取り上げた作品はすべて若手監督が手がけたものでした。だからこそ、どの作品にも勢いがあり、意欲に満ちているのです。
低予算で荒削りながらも、映画作りにもっとも必要な“情熱”があふれるこれらの作品が、面白くないわけはありません。

年末年始の時間がある間に、ぜひここで紹介した作品たちを観てみてください。日本映画の新たな才能を知り、可能性を感じることができるはずです。

見逃せない!2018年を代表するミニシアター映画の名作たち[前編]

Writer | 松村知恵美

家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。

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