ホーム > 今、インディーズシーンが熱い!『さよならくちびる』公開記念、インディーズミュージシャンの音楽映画

今、インディーズシーンが熱い!『さよならくちびる』公開記念、インディーズミュージシャンの音楽映画

2019.05.15(Wed) | 清水久美子

全国のライヴハウスで人気を博している、大手レコード会社(メジャーレーベル)に属していないミュージシャンたち。共感を呼ぶ歌詞や、独自の音楽スタイルによって、熱狂的なファンを持つバンドも数多く存在しています。今回は、インディーズシーンで人気の女性ギター・デュオを主人公にした『さよならくちびる』の公開を記念し、インディーズミュージシャンの映画を5本紹介します。

切ない秘めた思いを歌にのせて…『さよならくちびる』
さよならくちびる
小松菜奈と門脇麦が、解散ツアーへと旅立つ人気デュオを好演。秦基博が主題歌を、あいみょんが挿入歌を提供。心に響く青春音楽ムービーです。

音楽の才能に溢れるハル(門脇)は、職場で出会ったレオ(小松)を誘い、<ハルレオ>を結成します。シマ(成田凌)が付き人として加わり、路上から活動を始めたハルレオは、ライヴハウスをうめるまでの人気デュオへと成長。ところが、彼女たちは徐々に関係をこじらせ、とうとう解散を決意します。全国ツアーの道中、なぜ彼女たちが解散することになったのかが、少しずつ明かされていくのですが…。

それぞれ、孤独を抱えていたハルとレオ。レオは音楽の楽しさをハルから教わり、ステージでカリスマ性を発揮。ボーイッシュな魅力のルックスで、女の子のファンからも大人気です。一方、ハルの書く歌詞と曲は大勢のファンを感動させ、ハルレオの音楽性を高いものへと押し上げていきます。シマはそんな二人を支えていましたが、三人の秘めた思いはすれ違い、確執が生じていってしまいます。それがとても切なく、彼女たちの歌う曲と相まって、時間が経つほどジワジワと素晴らしさが心に広がってくる作品です。

映画『さよならくちびる』5月31日(金)公開
(C)2019「さよならくちびる」製作委員会
奇妙な被り物のフロントマンのバンド『FRANK フランク』
FRANK フランク
謎めいた被り物をつけたフロントマンがリーダーを務めるバンドを描くコメディ・ドラマ作品。英国でカルト的な人気で注目された音楽コメディアン、フランク・サイドボトムをモデルにしています。

あるきっかけから、フランク(マイケル・ファスベンダー)がリーダーを務めるバンドに加入することになったジョン(ドーナル・グリーソン)。フランクはいつも奇妙奇天烈な被り物をつけていて、絶対にそれを取ることをしない不思議な男性ですが、バンドメンバーからは信頼されている、明るいフロントマンです。ジョンは、破天荒なところもあるフランクの魅力に惹かれていきます。そんな中、バンドのWEB映像が話題となり、人気フェス「SXSW」に招待されたことから、フランクの様子がおかしくなっていき…。

人気俳優のファスベンダーが、被り物をつけたフランクに扮し、顔を見せずに歌声を披露。グリーソンやマギー・ギレンホールら豪華キャスト共演で、シュールかつ強烈な印象のインディーズバンドの内情が描かれます。WEB映像から注目されるようになるというのが、特にリアルな感じがしました。
14歳の少年がバンドを組んでPV撮影に奮闘『シング・ストリート 未来へのうた』
シング・ストリート 未来へのうた
80年代のダブリンを舞台に、バンドを組んだ少年が、演奏やプロモーションビデオ(PV)撮影に挑戦したり、恋をしたりする姿を描き出す青春音楽エンターテインメント。

1985年、大不況の中、父親が失業したため、公立の荒れた学校に転校させられた14歳のコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、家では両親のケンカ、学校では理不尽な校則や嫌がらせにウンザリしていました。デュラン・デュランなどのバンドのPVを見る時だけが楽しい時間だったコナーは、偶然見かけたラフィーナ(『ボヘミアン・ラプソディ』のルーシー・ボイントン)に一目惚れして、「僕のバンドのPVに出ない?」と、勢いで声を掛けてしまいます…。

大慌てでバンドを組み、当時流行っていた80年代の人気バンドのメイクやファッションをマネながら、手作り感満載のPVを撮り始めるコナーと仲間たちが最高! 演奏を猛特訓し、曲作りに励むコナーたちの音楽活動を見ていると、インディーズバンドとはこうして始まるものなんだろうなと微笑ましくなります。
ストリートから誕生する魅力的なサウンド『はじまりのうた BEGIN AGAIN』
はじまりのうた
ライヴハウスで歌うシンガーソングライターの女性と、崖っぷちの音楽プロデューサーが、ニューヨークの街でゲリラレコーディングを敢行する、観ると元気になれる音楽ムービー。

ブレイクを果たしたミュージシャンの恋人デイブ(アダム・レヴィーン)に裏切られたグレタ(キーラ・ナイトレイ)は失意の中、ライヴハウスで歌っていました。そのグレタの歌声を聴いた音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)は、彼女にレコーディングを持ち掛けます。実は、ダンはかつて敏腕プロデューサーとして数々のヒットを飛ばしてきたのですが、時代に取り残され、自分が設立したレコード会社をクビになってしまったのでした。お金をかけずに、ストリートミュージシャンたちに協力してもらい、ニューヨークの路地裏やビルの屋上、地下鉄のホームなどでゲリラレコーディングするダンとグレタ。二人のこの無謀な企画は、小さな奇跡へと発展し…。

メジャーデビューをしていないインディーズシンガーのグレタが、どんどん輝きを増していくのが爽快。ストリートから生まれるサウンドは、大物ミュージシャンにも負けない魅力があることを教えてくれる作品です。
歌うことで幸せをつかもうとする少女『ブランカとギター弾き』
ブランカとギター弾き
“YouTubeの歌姫”としてフィリピン国内外で人気を集めていた少女サイデル・ガブテロが演じる主人公が、盲目のギター弾きから歌うことを教わり、“幸せを探す旅”に出る感動作。

孤児の少女ブランカ(ガブテロ)は、“お母さんをお金で買う”ことを思いつき、盲目のギター弾きピーター(ピーター・ミラリ)から、得意な歌でお金を稼ぐことを教わります。ピーターとブランカはレストランで歌う仕事を得て、ブランカは少しずつお金を貯めていきますが、彼女の身に思いもよらぬ危険が迫ってきて…。

日本人監督の長谷井宏紀が、ロケ地フィリピンのカラフルな街並みと、そこに暮らすエネルギーに満ち溢れた人々を秀逸に映し出しています。出演者のほとんどが路上でキャスティングされたという本作は、生々しくも鮮烈な映像が心に深く突き刺さり、主演のガブテロの美しい歌声と力強い演技は感動を呼びます。実在のギター弾きであるミラリの演奏からも、ストリートミュージシャンによる音楽のパワーを感じることができます。

全国区で知られていないインディーズミュージシャンのファンになることは、“発掘”したような喜びを感じることができ、独特の贅沢感があります。そんなインディーズミュージシャンにスポットを当てた映画を、この機会にぜひ楽しんでもらえたら嬉しいです♪

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

Banner

関連するポスト

Copyright (C) GAGA Corporation. All Rights Reserved.
GAGA