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ゴッホ、殺し屋……何でもOK!名優ウィレム・デフォーの熱演が楽しめる5選

2019.10.23(Wed) | 斎藤香

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』『永遠の門 ゴッホの見た未来』と2年連続してアカデミー賞候補になった俳優ウィレム・デフォー。演技派として名を知られたベテラン俳優の彼だが、ここ数年デフォーの存在感がより増しています。そこで、最新作『永遠の門 ゴッホの見た未来』&4つの作品でウィレム・デフォーの魅力をご紹介していきます。

芸術家の魂の演技に心震える『永遠の門 ゴッホの見た未来』
永遠の門
『潜水服は蝶の夢を見る』のジュリアン・シュナーベル監督の最新作『永遠の門 ゴッホの見た未来』。デフォーがアカデミー賞主演男優賞に初めてノミネートされた作品です。

なかなか芽が出ず、画家としての存在感を決定づけることができない画家のゴッホ(ウィレム・デフォー)は、ゴーギャン(オスカー・アイザック)から、「南へ行くといい」とアドバイスを受け、パリからアルルへ。自然との対話を繰り返し、やがて彼は自分だけの「永遠」を見つけ、ひたすら絵を描き続けます。アルルで一緒に住むようになったゴーギャンはゴッホとは正反対のタイプでしたが、お互い刺激を与え合いながら絵を描き続けますが、ゴーギャンはアルルの地を離れてしまい……。

ゴッホが生前、何を見て、何を感じて、キャンバスに向かっていたのか。ミステリアスなゴッホの人生をウィレム・デフォーは実に繊細に丁寧に演じ、その姿は神々しいほどです。シュナーベル監督が画家だったこともあり、実際に絵も学びながら役作りをしていったそう。何より63歳のデフォーが37歳のゴッホを演じても違和感なしというのが凄いです!

◆『永遠の門 ゴッホの見た未来』11月8日(金)公開
厳格な父が似合うデフォーの新境地『しあわせの帰る場所』
しあわせの帰る場所
ジュリア・ロバーツとウィレム・デフォーが夫婦役を演じる『しあわせの帰る場所』でデフォーが演じるのは、厳格な父親チャールズ役。父と息子の葛藤を描いた家族ドラマです。

チャールズ(ウィレム・デフォー)は実に厳格な父。息子のマイケル少年は、父を怖がりつつも言いつけに素直に従わない為、二人の仲には常に隔たりがありました。ふたりの間でうまくバランスをとっていたのは母(ジュリア・ロバーツ)でしたが、彼女が亡くなったとき、父と息子は理解しあう術を失い、大人になってもギクシャクとした関係が続いてしまうのです。

昭和の頑固おやじのようなチャールズ。言っていることは間違っていないのだけど、支配的で圧が強いので子供はビクビクしてしまう。そんな強面の厳しい父をデフォーが好演。父は完璧を求めて厳し過ぎるけど、息子もちょっとあまのじゃくなところがあり、この親子は、あまり相性がよくないのかなと思わざるを得ない。でもチャールズが息子を大切に思う気持ちは他の親と一緒。努力して息子を理解しようという姿勢を見せる後半にホロリとさせられます。
優しさが悲運を招いてしまう!その男気に泣く『ファーナス/訣別の朝』
ファーナス
溶鉱炉(ファーナス)が立ち並ぶペンシルバニアの町で生きる兄弟の厳しい運命を描いた男のドラマ。デフォーは主人公の兄弟を何かと気にかける町の男を演じています。

貧しいながらも地道に生きて来たラッセル(クリスチャン・ベイル)は、イラクからの帰還兵の弟ロドニー(ケイシー・アフレック)が博打にハマり自堕落な生活をしていることを心配していました。そんな矢先、不運にも人身事故を起こしたラッセルは収監されてしまいます。数年後、出所したとき、彼を取り巻く環境は全く変わってしまい……。

ラッセルが塀の中にいる間、借金を返す為に八百長ボクシングを始めたロドニーの面倒を見るペティを演じるのがウィレム・デフォー。町の娯楽場を運営し、八百長ボクシングにも関わりつつも、ロドニーの身を案じる情の深い男を好演しています。登場人物みんなが過酷な運命を背負っていますが、特にラッセルは出所後、父は亡くなり、恋人は他の男に奪われ、弟は借金まみれというドン底。それでも優しさとプライドを持って生きる姿が泣ける力作です。
クールな凄腕ヒットマン役でいぶし銀の魅力を放つ!『ジョン・ウィック』
ジョン・ウィック
引退した凄腕の殺し屋が、亡き妻の形見の犬を殺されたことから復讐の鬼と化す様を描いたキアヌ・リーブス主演のバイオレンスアクション映画。ウィレム・デフォーはキアヌ演じるジョンのワケアリの友人ヒットマンを演じています。

愛する妻のために殺し屋稼業を引退したジョン(キアヌ・リーブス)ですが、亡き妻が自分にプレゼントしてくれた犬をロシアンマフィアのボスの息子が殺したため、復讐に立ち上がります。襲われたり襲ったりという闘いを繰り返しながらも殺し屋を次々と倒していくジョンですが、その殺し屋のひとりに友人のマーカスが!

次々と繰り出される多彩なアクションシーンが超人気! 肉弾戦あり、銃撃戦ありと映画の半分以上がアクションシーンというハデハデなキアヌの大ヒット作で、デフォーは、ロシアンマフィアのボスに依頼されてジョンの命を狙うヒットマンという役どころ。キアヌがすぐ切れて大暴れするなどド派手なシーンばかりなのに対し、マーカスのシーンは静寂が多く、ゆったりと銃を準備して粛々と仕事に取り掛かるといった落ち着いた大人な殺し屋で素敵。演技巧者デフォーの好サポートが作品のレベルアップに一役買っています。
ヴァンパイアに支配された地球で生きる人間役!『デイブレイカー』
デイブレイカー
近未来を舞台に、ヴァンパイアに支配された世界で数少ない人間たちがヴァンパイアに闘いを挑むSFバイオレンス作品。デフォーは、イーサン・ホーク演じる主人公と共にヴァンパイアに戦いを挑む男を演じています。

謎のウィルスによってヴァンパイアの人口が人間を超え、人間はヴァンパイアに血液を供給する存在として捕獲管理されていました。そんな世界に嫌気がさしていた代替血液の研究者エドワード(イーサン・ホーク)は、コーマック(ウィレム・デフォー)に出会います。彼は元ヴァンパイアですが、あるアクシデントをきっかけに人間に戻れた数少ない人物だったのです!

ヴァンパイアに支配された世界という設定が面白い! デフォーは。再び人間社会を作るために奔走するコーマックという男を誠実に演じています。陽の光をあびてヴァンパイアが焼け焦げていったり、人間を食べたりというグロいシーンも満載ですが、こういうB級感溢れるエンタメバイオレンスでデフォーを見るのも楽しい。突飛な設定の中、真面目なコーマックが必死に闘う姿がチャーミングに見えるのは、ウィレム・デフォーが演じたからでしょう。

濃い系の個性的な顔立ちのせいか、悪人や一癖ある役が多く、アクション系や男くさい映画への出演が多いウィレム・デフォー。でも60代になっていい感じにギラギラ感が抑えられ、渋さと深みが感じられるシブイ魅力を放つ役者になりました。ご紹介した5作品は役柄もバラエティに富み、ウィレム・デフォー入門編としてオススメです。ぜひぜひご覧ください。

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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