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怖くてエグいジャパニーズホラー、新作から名作まで日本の恐怖映画5選

2019.11.13(Wed) | 斎藤香

季節は冬ですが、ぬくぬくと暖かい部屋でみんなで肩寄せ合って怖い映画を観るっていうのもオツなものです。ホラーにもいろいろありますが、やっぱりいちばん怖いのがジャパニーズホラー。海の向こうで何が起こっても他人事ですが、日本で起こると身近に感じて怖いじゃないですか~。では、最新作『地獄少女』と日本のホラー映画4作品をお届けしましょう。

恨みをはらしてくれる少女が暗躍するファンタジーホラー『地獄少女』
地獄少女
人気アニメの実写映画化『地獄少女』。憎い相手を死に至らしめてくれる美少女の地獄送りのスタイルが残酷だけど美しい。『不能犯』の白石晃士監督作です。

高校生の美保(森七菜)は、大好きな人気アーティストのライブ会場で出会った遥(仁村紗和)と、アイドル活動をしている早苗(大場美奈)のライブへ。しかし、そこで早苗が悲劇に見舞われるのを目撃します。早苗は自分を陥れた犯人を恨むあまり、ついに「地獄通信」のサイトにアクセス。すると美しい地獄少女・閻魔あい(玉城ティナ)が現れ、恨みを晴らしてくれると言うのですが……。

「地獄通信」とは、憎い相手を地獄に落としてくれる復讐依頼サイト。必殺仕事人として成敗してくれるのが閻魔あいなのです。注目は、閻魔あいの登場シーン。ダークファンタジーの趣があり、かつ、地獄少女の様式美を貫いているところがいい。玉城ティナは閻魔あいにピッタリで、彼女はこういう非現実的なキャラクターが似合います。怖いというより薄気味悪さと同時に美しさが全編を貫くファンタジーホラーです。

◆映画『地獄少女』 11.15(金)公開
大泉洋、長澤まさみ、有村架純共演のゾンビホラー『アイアムアヒーロー』
アイアムアヒーロー
花沢健吾の同名人気漫画の実写映画化。ポンコツな男がゾンビパニックに巻き込まれ、ヒーローになっていく姿を描くゾンビホラー映画。

冴えない人生を送っていたうだつの上がらない漫画家のアシスタントの鈴木(大泉洋)。ある日、街がゾンビことZQN(ゾキュン)に襲われ大パニックになり、鈴木は必死に逃げ回ります。ZQNに噛まれると自身もゾンビ化してしまうからです。鈴木は途中で知り合った女子高生(有村架純)と一緒に逃げるうちに避難した人々が集団生活を送る場所を発見。そこで看護師の藪(長澤まさみ)と出会い、行動を共にするようになるのですが、その地もZQNの餌食に~。

コミカルな要素も満載なので、キャーキャー楽しみながら怖がれるのがいい。ポンコツ男がゾンビと対峙してヒーローになっていく過程も、かっこよすぎないところが逆に好感度大です。ゾンビの描写が半端なく迫力があり、油断しているとドカンと気味悪いシーンが出てきたりするので要注意。大泉洋は鈴木役にピッタリ。鈴木が、アワアワしながらもゾンビと闘って、自信をつけていく姿に注目です。
閉所恐怖症は恐怖で眠れなくなりそう。塚本晋也監督が描く恐怖『HAZE』
HAZE
今回ご紹介する映画で一番怖いのは、『HAZE』かもしれません。舞台はずっとコンクリートに囲まれた閉ざされた空間。そこから脱出しようと、男がもがき苦しむ様子を描いた塚本晋也監督&主演作。全編デジタルで撮影した実験的な短編作品です。

ある男(塚本晋也)がコンクリートに四方を囲まれた空間にいます。彼はなぜそこにいるのか、どこから来たのかまったくわからず、腹部から血が流している理由も不明です。男は、狭い場所で体をズルズルと移動させながら出口を探しますが、全く見つからず……。しかし、同じように閉じ込められた女(藤井かほり)と出会います。彼女もここから出ると言いますが……。

やっと立っていられるほどの狭い空間に男が閉じ込められているファーストシーンから恐ろしく、閉所恐怖症の人はすぐにギブアップしてしまいそうな圧迫感。「同じ状況になったら自分はどうするだろう」と考えるだけで、頭がおかしくなりそうです。主人公が女と血まみれの死体の山を見つけてから、少しずつ、この場所の正体が見えてきますが、それが余計に恐怖を煽る! 49分の短編の中に人の神経を逆なでする怖さがつまった作品です。
楳図かずおの自伝的な恐怖映画『マザー』
マザー
原作&脚本、楳図かずおによる恐怖映画『マザー』は、楳図かずお漫画の恐怖と比べるとライトな仕上がりですが、母親との絆を恐怖を介在して描いた渾身の一作なのです。

漫画家の楳図かずお(片岡愛之助)のもとにやってきた新人編集者のさくら(舞羽美海)は、楳図の生い立ちを本にする企画を提案。創作の原点を知るために、楳図の故郷の奈良へ行きます。取材を進めていくうちに、楳図の創作には母イチエ(真行寺君江)の影響が大きいことがわかりますが、イチエの過去を掘り起こしてみると不幸かつ恐ろしい物語が……。

恐怖映画『マザー』は、楳図かずおの映画監督デビュー作で、数々の恐怖漫画を世に送り出してきた巨匠の“母への愛”を描いた作品です。本作のイチエさんは、とても数奇な運命をたどっていますが、楳図監督は、母の生き方をスリラーとして描きながら母親への愛情を表現していたのかなと。だから、恐怖映画だけれど、ラストはどこか清々しいのかもしれません。
清水崇監督の出世作、大ブームを巻き起こした『呪怨』
呪怨
ジャパニーズホラーの名作として『リング』と同レベルで語られる『呪怨』。復讐心、執着心が異常に高い本作のキャラクター俊雄と伽椰子が人気を博した大ヒット作です。

理佳(奥菜恵)は、介護ボランティアとして、高齢の徳永幸枝のお世話をするために徳永家を訪れます。しかし、家の中は泥棒が入ったように荒らされていました。理佳は、幸枝のお世話をしたあと、掃除をしようと二階へ上がると、物音が。彼女は音を辿り、押し入れのふすまを開けると、そこにひとりの少年がいました。名前を聞くと「俊雄」と答えますが、そのあと、理佳は幸枝の上にのしかかる黒い物体を目撃して失神してしまうのです……。

殺人が行われた家で恐ろしいことが起こるというのは、特に新鮮味があるストーリーではありませんが、描かれるのが日本映画ならではの“ヒタヒタと忍び寄る恐怖”で、まさに背筋が凍るのです。俊雄がスクリーンの隅に映りこんでいたり、伽椰子が思いがけないところから現れたり、自由自在の動きも不気味。また舞台となる家が、お化け屋敷ではなく、どこにでもある普通の家っていうのも恐怖を倍増させています。

ホラーといっても様々なタイプがあり、5作品はまったく異なる恐怖映画。でも、ジャパニーズホラーの底力を感じる5作品だと思います!怖いのに強い人は『呪怨』 『HAZE』、コミカルな要素も欲しい人は『アイアムアヒーロー』、独特な世界観を味わいたい人は『地獄少女』『マザー』をオススメします。

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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