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変幻自在の俳優・クリスチャン・ベイル 出演映画4選

2019.12.25(Wed) | 清水久美子

演技力抜群で、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞など、映画賞ノミネートの常連俳優、クリスチャン・ベイル。『ザ・ファイター』でオスカー俳優となった彼は、作品によっては「えっ、これがクリスチャン・ベイル!?」と驚くくらい変幻自在に体形や風貌を変えることでも知られています。来年1月10日に公開される最新出演作『フォードvsフェラーリ』ではカーレーサーを演じていますが、そのほか青山シアターで配信中の“クリスチャン・ベイル七変化”的な作品を紹介します!

短気でぶっきらぼうな一流レーサーを好演『フォードvsフェラーリ』
「フォードvsフェラーリ」ティザーポスター軽
1966年のル・マン24時間耐久レースで、絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちの実話を基にした映画化作品。クリスチャン・ベイルは、マット・デイモンと共にダブル主演を務め、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされています。

ル・マンでの勝利という、フォード・モーター社の使命を受けた元レーサーで、現在は車のデザイナー兼セールスマンのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。常勝チームのフェラーリに勝つためには、フェラーリを超える新しい車の開発と、優秀なドライバーが必要だと考えるシェルビーは、言動は破天荒ですが腕は一流のレーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)が適任だと目を付けます。限られた資金と時間の中で、シェルビーとマイルズは力を合わせて一つずつ問題を解決していき、絶対王者として君臨するフェラーリ・チームに挑戦することを決意しますが、数々の困難が二人の前に立ちはだかります…。

本作でクリスチャン・ベイルは、気が短く、ぶっきらぼうで横柄ですが、家族を大切にする一流の英国人レーサー役を好演。粗野な感じが魅力的で、妻と息子を大事に思う姿が愛らしくもあります。マット・デイモン演じるシェルビーと育む友情は感動的で、演技の巧い二人の共演は必見です。

『フォードvsフェラーリ』
2020年1月10日 全国ロードショー
(C) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
20キロ増量してチェイニー副大統領を怪演『バイス』
バイス
クリスチャン・ベイルが20キロも体重を増やし、アメリカ史上最強で最凶の副大統領(バイスプレジデント)ディック・チェイニーにソックリの姿となって怪演した伝記コメディ・ドラマ。ベイルはアカデミー賞・主演男優賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞では主演男優賞に輝きました。

型破りな下院議員ドナルド・ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)のもとで、政治の表と裏を学んだチェイニー(クリスチャン・ベイル)は、次第に権力の虜となり、大統領首席補佐官、国防長官の職を経て、ジョージ・W・ブッシュ(サム・ロックウェル)政権の副大統領に就任。ブッシュを差し置き、“影の大統領”として振る舞い始めたチェイニーは、2001年9月11日の同時多発テロ事件後、イラク戦争へと国を導いていきます。

ブッシュに注目が集まる中、幽霊のように自らの存在感を消したまま、アメリカの運命と世界の歴史を大きく変えたチェイニー。ちょっと見ただけではベイルだと分からないくらい役になり切っている彼は、本当に変幻自在の名優だと思い知らされます。
豪華キャストがボブ・ディランに扮して演技合戦『アイム・ノット・ゼア』
アイム・ノット・ゼア
世界的なミュージシャンで、“生ける伝説”と呼ばれるボブ・ディランの謎に包まれた人生を、6人の俳優たちが演じ分ける伝記ドラマ映画。クリスチャン・ベイルは、ディランの“革命家”としての側面を体現して演じています。

詩人アルチュール(ベン・ウィショー)、無法者ビリー(リチャード・ギア)、映画スター・ロビー(ヒース・レジャー)、人気歌手ジャックから後にジョン牧師に転身する革命家(クリスチャン・ベイル)、放浪者ウディ(マーカス・カール・フランクリン)、ロックスター・ジュード(ケイト・ブランシェット)。ボブ・ディランの様々な“顔”を投影した、それぞれ名前も年齢も異なる6人のディランが繰り広げる物語を描く斬新な作品です。中でもただ一人、女性であるケイト・ブランシェットが演じるディランは、私のイメージするボブ・ディランそのもので驚きました。

クリスチャン・ベイルも、かなりボブ・ディランに容姿や雰囲気を寄せていて、ベイル本人の個性は完全に消しているのが興味深いです。豪華キャストがそれぞれのディランを演じる“演技合戦”のような状態の中、またしてもベイルのさすがのなり切り演技にうなります。
ブヨブヨの体と薄毛が特徴の詐欺師に扮する『アメリカン・ハッスル』
アメリカン・ハッスル
汚職政治家を捕まえるため、FBI捜査官が天才詐欺師に協力を依頼したという、まさかの実話を基に映画化した犯罪コメディ・ドラマ。

完全犯罪を続けてきた天才詐欺師アーヴィン・ローゼンフェルド(クリスチャン・ベイル)は、ビジネス・パートナーで愛人のシドニー(エイミー・アダムス)と共に逮捕されてしまいます。二人は、イカれたFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に、自由の身と引き換えに捜査協力を強いられるのですが、アーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)が、夫とシドニーへの嫉妬から捜査をブチ壊す動きを見せ…。

実在の天才詐欺師アーヴィン・ローゼンフェルド役を、『バイス』同様、20キロ増量して演じたクリスチャン・ベイル。エイミー・アダムスが演じるシドニーのセリフに、「体はブヨブヨで、髪は痛々しい一九分け」というのがあるくらい、酷い容姿のキャラクターに扮するベイルの凄さが炸裂しています。ベイルはこの役で、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の主演男優賞にノミネートされました。

今回、紹介した映画は全部実話を基にしており、クリスチャン・ベイルは実在の人物を演じさせたら右に出るものがいないと言えるくらい、徹底的に役作り(体形作りも)した上で、本当に巧みにその人物になり切って演じています。どの役も個性的なキャラクターばかりで、ベイルが演じているからこそ面白くなっていると思います。でも、さすがに体に負担がかかり過ぎるので、体重を激変させる役作りはもうやめるつもりだそうです。見る方も心配になるので、今後は体重の変化なしで挑める作品で活躍していってほしいですね。

Writer | 清水久美子

映画・海外ドラマ・音楽ライター。昼はメーカーでOL、夜は音楽雑誌の編集アシスタントをこなした後、パソコン雑誌で編集業務に就く。その後フリーライターとなり、俳優や監督・ミュージシャンのインタビュー、執筆に日々奔走。試写室通いで時には1日4本の映画を観ることも。移動中もスマホは目が疲れるので、いつもポータブルDVDプレイヤー持参で何かしら観ています。

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