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意外な犯人!どんでん返し!に驚く本格ミステリー映画5選

2020.01.22(Wed) | 斎藤香

いつも時代でも人気があり、あまり流行に左右されないのが本格ミステリー映画。そこで推理しながらじっくり楽しめる作品をピックアップしてみました。

意外な真犯人を見抜けるか?『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
9人の翻訳家
フランス映画『タイピスト』で監督デビューしたレジス・ロワンサルの最新作。ベストセラー小説の原稿流出をめぐるミステリーです。

世界的ベストセラー「デダリュス」三部作の完結編の出版権を獲得した出版社オーナーのアングストローム(ランベール・ウィルソン)は、多言語翻訳を同時に行うため、9ケ国語の翻訳家を集めます。豪邸の地下室で外界を完全にシャットアウトした中、地下でひたすら翻訳に励む9人。しかし、そんな環境にも拘わらず、アングストロームのもとに「最初の10ページを流出させた」という電話が!
<br> 9人の翻訳家たちが曲者揃いで、この中に犯人がいるのではないかとひとりひとりの言動を凝視してしまう。明らかになっていく事件の真相にはビックリすること必至です。真犯人の意外性と、危ない橋を渡りながら目的を果たそうとしていた犯人の事件時の行動にはドキドキハラハラが止まりません! かなりひねりの効いた本格ミステリー映画で、もう一回見て、伏線を確認したくなる作品でもあります。

『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
1月24日(金)全国順次公開
顔を見せない依頼人と鑑定士の恋愛が事件の鍵?『鑑定士と顔のない依頼人』
鑑定士と顔のない依頼人
『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督によるミステリー映画。後半の展開に目を見張る作品です。

オークション鑑定士のヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の娘クレア(シルヴィア・フークス)から亡くなった両親が所持していた美術品の査定依頼を受けます。依頼人のクレアは広場恐怖症のため、部屋から出られないという謎めいた存在ですが、美術品の数々は本物。実に価値の高いものでした。ヴァージルは依頼人宅に通ううち、クレアに興味を抱きます。電話やドア越しの会話だけで、恋愛経験ゼロのヴァージルはときめき、彼女に恋をするのですが……。

ヴァージルを信頼して扉を開くクレアですが、彼を愛を受け入れたのはなぜか。その裏には、何か大きな目的が隠されているように思えてなりません。そして後半、さまざまな「なぜ?」が、スルスルと紐解かれていき、観客は完全犯罪を目の当たりにしていたことに気づくのです。それを残酷な結末だと思うか、これで良かったと思うかは、人によって違うかもしれません。トルナトーレ監督らしいねっとり艶っぽい本格ミステリー映画です。
ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールのトリック合戦『プレステージ』
プレステージ
憎しみあう人気マジシャンの二人が、お互いの奇術を超えるトリックを考え出して、トップを争う様を描いたクリストファー・ノーラン監督作品。

魔術師のアンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)は良きライバル関係にありましたが、アンジャーのミスで、ボーデンの助手であり妻のジュリアが脱出マジックの際に水槽で溺死。これをきっかけに、アンジャーはボーデンを憎み、マジシャンの命であるアンジャーの指を撃ってしまいます。そこから二人の命をかけた復讐のマジックバトルが繰り広げられていくのです。

さまざまなマジックが披露され、そのトリックを見抜き、それを超えるマジックを編み出していくという展開は楽しいものの、すべてお互いへの復讐心からくるマジックというのが、どこか悲しい……。二人のマジックの内容は、どんどんスケールアップしていき、もはや異次元。そのからくりには「えー!」と口に出してしまいそうな驚きも。真犯人を探し出すミステリーとは趣が異なりますが、トリック崩しが実にスリリングなマジシャンの謎解き映画に仕上がっています。
娘を誘拐された父親の狂気が暴走するミステリー『プリズナーズ』
プリズナーズ
娘を誘拐されて狂っていく父親と冷静に捜査する刑事、二人の視点でひとつの誘拐事件を紐解いていくドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が描く本格ミステリー映画。

家族とともに幸せに暮らしていたケラー(ヒュー・ジャックマン)でしたが、ある日、大切な娘が行方不明に。担当刑事のロキ(ジェイク・ギレンホール)は、誘拐現場付近で目撃された車に乗っていた青年のアレックス(ポール・ダノ)を容疑者として拘束。しかし、彼は10歳程度の知能しかなく釈放されてしまいます。アレックスが犯人であると信じて疑わないケラーは釈放に納得できず、アレックスを監禁。娘の居場所を吐かせようとするのですが……。

娘を誘拐された父親の狂気の暴走と地道な聞き込みをしていくロキ刑事のバランスが良く、父親の苦しみに心を寄せながら、事件の真相に近づいていくプロセスをじっくり見ることができます。ケラーの狂気の暴走が強烈すぎて、そちらに気持ちを持っていかれますが、映画は真犯人への手がかりをいくつも提示しています。ロキ刑事とともに真相に一歩一歩近づいていく演出が見事で、本格推理ものとしても出色の出来栄えです。
英国諜報部サーカスを舞台にしたミステリーの傑作『裏切りのサーカス』
裏切りのサーカス
ジョン・ル・カレの原作小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」を『ぼくのエリ 200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソン監督が演出したミステリー映画です。

東西冷戦下、英国ロンドンでは英国情報局秘密情報部MI6とソ連国家保安委員会KGBが情報合戦を繰り広げていました。英国諜報部のスマイリー(ゲイリー・オールドマン)は、組織の二重スパイを探し出す任務が下されます。スパイネーム、ティンカー(鋳掛け屋)、テイラー(仕立屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧乏人)の4人の誰が二重スパイなのか……。

原作者のジョン・ル・カレが元MI6ということで、本物の諜報員の行動が描かれています。ゆえに、銃撃戦などの派手なアクションはありませんが、スパイたちの会話の中に、嘘や駆け引きが仕込まれており、どこまで見抜けるかが重要です。人物関係や背景など1度見ただけではわかりにくいので最低2回は鑑賞したい。キャストは名優揃いなので、何度観ても素晴らしく、見るたびに理解が深まる、本格スパイミステリーの傑作です。

以上5作品、タイプが違う本格ミステリー映画ですが、謎解きの興味はラストまで途切れることなく、真相に驚いたり、感動したり、余韻にひたったりできる作品ばかりです。じっくりと本格ミステリーの面白さを堪能してください。

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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