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青春がぎっしりつまった「卒業」をテーマにした映画5選

2020.03.11(Wed) | 斎藤香

「卒業」って青春の総てが詰まっている気がしませんか。一緒に頑張ってきた仲間たちや好きな人との別れがあり、ダメな自分からの卒業というのもあるでしょう。そこで!「卒業」をテーマにした映画をピックアップしてみました。

超正統派の熱血青春映画!人気ドラマの劇場版『ROOKIES-卒業-』
rookies
佐藤隆太、市原隼人、佐藤健、城田優など若手のイケメン俳優たちが野球に青春を懸ける姿を描いた同名漫画の実写ドラマの劇場版。高校最後の夏、甲子園に挑戦する野球部員たちの姿を描きます。

二子玉川高校・野球部員も高校3年生。新入生が野球部に興味を持たない中、野球がうまい1年生、赤星(山本裕典)がやってきました。しかし、メジャーリーガーを目指す赤星は高校野球は眼中にナシ! そんな中、赤星の窮地を助けた御子柴(小出恵介)が負傷し、責任を感じた赤星は、野球部のメンバーと全員野球で甲子園予選に挑戦することに……。

熱血という言葉がピッタリの登場人物たちの熱き友情と信頼が人気を博したドラマですが、劇場版も基本は同じ。野球部顧問の川藤(佐藤隆太)は、部員たちからタメ口で話しかけられるような監督ですが、愛嬌があり心が清らか。そんな監督だったから、部員たちはノビノビと野球ができたのでしょう。卒業前の大一番は最大のライバル高校との甲子園を懸けた対決。試合のシーンも見どころですが、ラスト、部員ひとりひとりの川藤への感謝の言葉にも涙。全員が本作で見事に卒業を果たしています!
手作り弁当で交流する母と娘の物語『今日も嫌がらせ弁当』
今日も嫌がらせ弁当
人気のお弁当ブログを映画化した『今日も嫌がらせ弁当』は、反抗期の娘が高校を卒業するまで手作り弁当でメッセージを送り続けた母の愛情と娘の成長を描いた母娘の感動作です。

シングルマザーのかおり(篠原涼子)の娘の双葉(芳根京子)は反抗期。イライラしっぱなしの娘に手を焼いていた母は、ある日、会話が成立しないなら、お弁当でメッセージを送ろうと思いつきます。「皿を洗え!」などのメッセージ付きのお弁当にビックリする双葉ですが、やがてお弁当を介したコミュニケーションを取るように。しかし、ある日、無理がたたって、かおりは脳梗塞で倒れてしまうのです。

双葉の「なんだかわからないけどイライラする」という高校生特有の思春期を引きずっている感じが実にリアルで、そんな娘に手を焼いてお弁当に怒りをぶちまける母の気持ちもよくわかる。手堅くまとめられた脚本と演出に加え、篠原涼子と芳根京子がとても良いので、登場人物の気持ちがストレートに響きます。またかおりが双葉に作った最後のお弁当が泣けるんですよ。「卒業おめでとう」の気持ちを思いきり込めた愛情弁当は感動的です!
大学生の就活から卒業できるか否かを描く『何者』
何者
朝井リョウの直木賞受賞作を三浦大輔監督が映画化した就活を通して描く人間ドラマ。就職活動に振り回される大学生たちがモラトリアムから卒業し、大人になれるか否かを描いています。

就職活動中の拓人(佐藤健)、光太郎(菅田将暉)、瑞月(有村架純)、理香(二階堂ふみ)は同じアパートに暮らしています。ときどき集まって情報交換をしていますが、就職活動はなかなか厳しい。SNSには何者かが彼らの行動を揶揄した書き込みをしていました。やがて、仲間内から就職が決まる人物が出てきて、内定が取れない拓人や理香は焦り始めますが……。

バンドに青春を捧げてきた光太郎が就活のためにバンドをやめたり、瑞月が留学から帰国したり、就活は大学生活の終わりを告げるサインのようです。拓人は周囲を冷静に見ているように見えますが、実は自分のことをいちばんわかっていない人物。努力が報われるとは限らない就活は、社会人になるための厳しい洗礼なのかも。第二の思春期ともいえる時代を彼らが卒業できるのかを描いた苦い人間ドラマです。
自力でいじめっこ生活を乗り越える主人公の青春『ライ麦畑で出会ったら』
ライ麦畑で出会ったら
卒業プロジェクトでJ.D.サリンジャー著「ライ麦畑でつかまえて」を上演しようとする主人公がサリンジャーに会いにいき、思いを全うすることで、ダメな自分から飛び立つまでの物語です。

全寮制の高校でいじめられっ子だったジェイミー(アレックス・ウルフ)。彼は“自分は「ライ麦畑でつかまえて」の主人公のようだ”と思い込み、その舞台化を計画します。しかし、先生から「サリンジャーの許可をもらって来い」と言われ、友達のディーディ(ステファニア・ラヴィー・オーウェン)とサリンジャーを探す旅へ。果たしてサリンジャーから舞台化の許可はもらえるのか~。

いじめられっ子だけど、前向きで行動的なジェイミー。憧れのサリンジャーは頑として舞台化にOKを出しませんが「君は有望だから自分で作品を書きなさい」という素晴らしいアドバイスをもらうのです。正直ジェイミーがいじめにあうのは、態度や言葉で相手をカチンとさせるところもあるからなんだけど、それも含めてサリンジャーを探す旅を通し、自分の殻を破り成長していくジェイミー。彼の卒業プロジェクトをめぐる青春の旅は、爽やかで気持ちの良い感動を運んでくれます。
卒業までの命がけの青春を描く『青い春』
青い春
松田龍平が、何を考えているのかわからないミステリアスな雰囲気を活かして主人公を好演した人気漫画家・松本大洋の同名原作の映画化です。

高校3年生の九條(松田龍平)と友人たちは、校舎の屋上で、学校のボスを決めるゲームをしていました。屋上の柵の外に立ち、何回手を叩けるかを競うもので、失敗すれば落下!という死のゲームです。九條は勝利しますが、ボスになることに興味がありません。そんな九條にいら立つ幼馴染の青木(新井浩文)。彼は「九條ができないことをやる」とひとり屋上に昇り……。

いわゆる不良映画なのですが、不良を卒業して丸くなるというのではなく、校内の不良ピラミッドの構図から抜けられず、自分の中の苛立ちが暴力とか死という形でないと昇華できない少年たちを描いています。彼らが思春期から卒業できるのか。できないまま、高校を卒業しても世の中に牙をむいて生きていくのか。そんないろいろなことを考えさせられるハードな青春映画です。

日本映画が4本と幅を利かせていますが、やはり日本映画の方が「卒業」への共感度は高いなと思います。爽やかあり、熱血あり、苦み走った卒業もあり……。さまざまな卒業の形を映画を通して楽しんでください。

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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