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必見!日本映画で活躍する海外のスター俳優たち

2020.03.25(Wed) | 斎藤香

第43回日本アカデミー賞において『新聞記者』で主演女優賞を受賞した韓国女優シム・ウンギョン。素晴らしい! これをきっかけに、海外の俳優たちがもっと日本映画で活躍してくれますように~!という願いを込めて特集します。

政界の闇に切り込むジャーナリスト役で大熱演したシム・ウンギョン『新聞記者』
新聞記者
韓国女優シム・ウンギョンが挑んだ日本映画は、内閣府の闇に切り込んだ社会派作品。政治色の強い作品ですが、リスクをものともせずに、ウンギョンは力強い芝居でW主演の松坂桃李と共に作品を牽引しました。

東都新聞社会部の記者、吉岡(シム・ウンギョン)は、大学新設計画における極秘情報をもとに取材を進めていくうちに、内閣府の神崎(高橋和也)が謎の自殺を遂げたことを知ります。この一件を通して内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)と出会った吉岡。実は杉原も上司である神崎の死に疑問を感じていたのです。やがて二人は協力して事件に切り込んでいくのですが……。

東京新聞の望月衣塑子記者の原作をベースにした作品。加計学園や伊藤詩織さんの一件をイメージさせるなど、実話の要素も強かったため、吉岡役の依頼を受ける女優が見つからず、韓国女優のウンギョンが抜擢されたとの噂。でもその結果、キャスティングはずばりハマリ、彼女は権力に立ち向かっていくジャーナリストとして、なんとしてでも闇を明らかにしたいというまっすぐな思いを観客の心に届けてくれました。本作以外にも『ブルーアワーにぶっ飛ばす』『架空OL日記』など、精力的に日本映画に出演しているシム・ウンギョン。今後の活躍にも期待大です!
菅田将暉主演作で強烈な印象を残すヤン・イクチュン『あゝ、荒野』
あゝ荒野前篇
母親に捨てられて野性的に生きてきた男と吃音で社交性がない静かな男がボクシングを通して友情を育んでいく物語。主演は菅田将暉、助演は韓国俳優ヤン・イクチュン。イクチュンが素晴らしい演技で強烈な印象を残しています。

父親の自殺後、母親に捨てられて一人で強く生きてきた新次(菅田将暉)は、ある日、床屋に勤める建二(ヤン・イクチュン)と出会います。同じボクシングジムに通い始めた二人は、ボクシングを通して、確かな友情を築き上げていくのですが、その友情はやがて壮絶な闘いへと突き進んでいくのです。

寺山修司の同名原作を映画化。新宿歌舞伎町を舞台に、ヤクザとボクシングと友情を交錯させながら主人公の成長を描いていきます。監督デビュー作『息もできない』で数々の映画賞に輝いたヤン・イクチュンは、西川美和監督作『夢売るふたり』宮藤官九郎監督作『中学生円山』などにも出演。本作では深い孤独と愛情と刹那を抱えて生きる男を印象深い演技で魅了し、その生きざまが炸裂する終盤のボクシングシーンは胸が張り裂けそうな感動を呼びます!
河瀨直美監督の世界で心に染み入る演技を見せるジュリエット・ビノシュ『Vision』
Vision
河瀨直美監督が故郷の奈良県で撮影した『Vision』に登場するのはフランスの演技派女優ジュリエット・ビノシュ。河瀨監督の故郷・奈良県でのオールロケによる作品です。

フランスでエッセイストとして活動しているジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、幻の薬草を求めて奈良県にやってきます。その地の山守(永瀬正敏)と出会った彼女は山守の家に滞在することに。交流を深めていく二人ですが、山の中で倒れていた青年、鈴(岩田剛典)を助けたことをきっかけに、ジャンヌの秘めた過去が明らかになっていくのです。

森林の美しい眺め、自然光を活かした映像世界、澄んだ空気が立ち上がってくるよう。思わず深呼吸したくなる映像の中、ビノシュは実に自然体で存在しています。前半はスピリチュアルな雰囲気がありつつも、後半は次第に人間同士の深い繋がりを感じさせる物語の中、安定した芝居で河瀨監督の独特の世界観を体現したビノシュ。さすが!永瀬正敏、森山未來、岩田剛典とビノシュの共演作なんて、なかなか見られない。実に貴重な1作です。
ペ・ドゥナがヌードに!体当たりで挑んだ是枝裕和監督作『空気人形』
空気人形
韓国の人気女優ペ・ドゥナが出演するのは是枝裕和監督作『空気人形』。ドゥナはなんとアダルトグッズの人形を体をはって演じています。

空気人形のぞみ(ペ・ドゥナ)がある日、心を持つようになります。彼女は持ち主・秀雄(板尾創路)が不在の間、レンタルDVDショップで働くことになり、店員の純一(井浦新)に片思いしたり、外の世界を知ることで、人間たちが苦しみを抱えて生きていることを知ります。しかし「心が空っぽ」という純一の言葉に反応し「彼も自分と同じなのではないか」と思ったのぞみは、悲劇的な結末に向かって突き進んでいくのです。

人形が心をもって、人間たちの間をさまよい歩いていく。純粋な心がやがて人間たちの膿にさらされて、苦しみを抱えるようになっていく様をペ・ドゥナが素晴らしい演技で見せていきます。この映画の世界すべてを託された存在であるのぞみは、ペ・ドゥナじゃないと演じられなかったかも。それくらい純粋無垢な人形にピタリとはまっていました。彼女は本作以外にも山下敦弘監督作『リンダ リンダ リンダ』でも好演しています。
アジアの人気俳優・金城武が松たか子と共演した『K-20 怪人二十面相・伝』
K-20 怪人二十面相
金城武は、日本人の父と台湾人の母を持つハーフですが、日本語が堪能なので、数々の日本映画、ドラマにも出演しています。今回は松たか子と共演したアクション映画をピックアップ!

第二次世界大戦が回避された昭和24年。「帝都」は富裕層と貧民層がくっきり分かれた格差社会となっていました。そんな中、富裕層を狙って金銀を巻き上げる怪盗二十面相が出現。彼が革命的なエネルギー装置を盗むと宣言したため、警察は名探偵・明智小五郎に怪盗二十面相の正体を暴き、装置を守るように依頼をするのですが、果たして!

金城武は、深田恭子共演ドラマ『神様、もう少しだけ』など、映画だけでなく連続ドラマにも出演してきたので、もはや外国人俳優というイメージはないかもしれない。でも実際は、日本だけでなく、中国、香港、台湾など、アジア各国の映画界で活躍する国際派俳優なのです。本作では江戸川乱歩が生んだアンチヒーロー「怪盗二十面相」を熱演して大好評。富裕層のお嬢様ヒロインを演じた松たか子とのカップルはかわいく、二人で挑戦するアクションは若干ドタバタ仕込みで楽しい! 金城武のカッコよさを堪能できる作品です。

最近の映画から懐かしい作品までピックアップしてみました。アジア系の俳優さんたちが多くなりましたが、海外俳優たちが日本映画でどのような存在感を見せてくれるのかがよくわかる5作品です。ぜひ見てくださいね!

Writer | 斎藤香

映画ライター 映画誌の編集者を経てフリーに。映画レビュー、監督&俳優へのインタビュー、書籍ライティングなどで活動中。映画のほかには教育関連の取材執筆もいたします。好きな監督はウディ・アレン、トーマス・アルフレッドソン、アルフレッド・ヒッチコックなど多数。

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